読書セラピスト(ファビオ・スタッシ/東京創元社)
読書に関する海外作品。タイトルに惹かれて図書館で借りてみた。
読書好きで、国語教師の資格は持っているがまともに就職できずに中年に至った主人公は、どうやら「読書セラピスト」を開業したようだ。(作者が発明した怪しい職業かと思ったら、認知されている療法らしく、イギリスでは政府公認、イスラエルでは国家資格があるようだ。)
彼のもとを訪れるのは、髪型がどうやっても決まらない女性、夫に捨てられてカナダに移住する女性、仕事のために体重を増やしたい女性など、本では解決しそうにない問題を抱えた客ばかりだが、何とか商売になっているらしい、その様子を描いた物語。(それぞれに、処方する本が示されるのがこの作品の眼目。ちなみに、体重を増やすための本は、『あつあつを召し上がれ』(小川糸/新潮文庫))
その合間に、同じ建物に住む女性が失踪した後、殺される、という事件が起こる。懇意にしている古書店に彼女の本のリストが残されていたが、それに何らかの意味があることに気づいた主人公は、真相解明に乗り出す。
ということで、この本は、イタリアでミステリに与えられる賞を受賞しているようだ。(ミステリの部分に多くを期待してはいけない。)
内容から連想したのが、『追跡する数学者』(デイヴィッド・ベイジョー/新潮文庫)。20年来の友人で恋人でもあった女性が、351冊の本を遺して失踪した。遺された本と記憶を手がかりに追跡する数学者。本と本の装丁のことのほか、男と女とランニングのことを描いた、スタイリッシュでエロティックな本だった。それに比べてこちらの方は、ナイーブでシニカル、といえばよいだろうか。
読書に関する海外作品。タイトルに惹かれて図書館で借りてみた。
読書好きで、国語教師の資格は持っているがまともに就職できずに中年に至った主人公は、どうやら「読書セラピスト」を開業したようだ。(作者が発明した怪しい職業かと思ったら、認知されている療法らしく、イギリスでは政府公認、イスラエルでは国家資格があるようだ。)
彼のもとを訪れるのは、髪型がどうやっても決まらない女性、夫に捨てられてカナダに移住する女性、仕事のために体重を増やしたい女性など、本では解決しそうにない問題を抱えた客ばかりだが、何とか商売になっているらしい、その様子を描いた物語。(それぞれに、処方する本が示されるのがこの作品の眼目。ちなみに、体重を増やすための本は、『あつあつを召し上がれ』(小川糸/新潮文庫))
その合間に、同じ建物に住む女性が失踪した後、殺される、という事件が起こる。懇意にしている古書店に彼女の本のリストが残されていたが、それに何らかの意味があることに気づいた主人公は、真相解明に乗り出す。
ということで、この本は、イタリアでミステリに与えられる賞を受賞しているようだ。(ミステリの部分に多くを期待してはいけない。)
内容から連想したのが、『追跡する数学者』(デイヴィッド・ベイジョー/新潮文庫)。20年来の友人で恋人でもあった女性が、351冊の本を遺して失踪した。遺された本と記憶を手がかりに追跡する数学者。本と本の装丁のことのほか、男と女とランニングのことを描いた、スタイリッシュでエロティックな本だった。それに比べてこちらの方は、ナイーブでシニカル、といえばよいだろうか。
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