暇と退屈の倫理学(國分巧一郎/新潮文庫)
タイトルどおり、暇と退屈に関する哲学書。ある意味で人類最大の課題ともいえる「暇と退屈」について、どのように対処すべきかを考察している。
本を紹介する際、ストーリーを楽しむタイプの作品は、ネタバレしないように心がけているが、科学解説書など知識を広めることが主眼の本は、むしろ要点を伝えるように努めている。(私の力量では伝えきれないことが多いが。)
この本は哲学の解説書だから、ここに結論を書くこともできるが、やめておこうと思う。それは、著者が次のように明言しているから。
「結論だけを読んだ読者は間違いなく幻滅するであろう。」
「結論は、本書を通読するという過程を経てはじめて意味をもつ。」
その過程では、ルソー、パスカル、バートランド・ラッセル、ハイデッガーら先人たちの考察を基礎に、その意義や誤りを分析し、段階を追って、暇と退屈の本質に切り込んでいく。(特に誤りの指摘は容赦がない。)確かに、ネタバレなしのほうが、読む楽しみが多い気がする。
巻末には、付録として「なぜ人は退屈するのか」という基本的な問いに関する、ひとつの仮説が提示されている。
本屋で文庫本を見かけるまで、この本の存在を知らなかったが、これは、「読むべき本」の範疇を超えて、知っておくべき「重要な知見」の域に達していると思う。
タイトルどおり、暇と退屈に関する哲学書。ある意味で人類最大の課題ともいえる「暇と退屈」について、どのように対処すべきかを考察している。
本を紹介する際、ストーリーを楽しむタイプの作品は、ネタバレしないように心がけているが、科学解説書など知識を広めることが主眼の本は、むしろ要点を伝えるように努めている。(私の力量では伝えきれないことが多いが。)
この本は哲学の解説書だから、ここに結論を書くこともできるが、やめておこうと思う。それは、著者が次のように明言しているから。
「結論だけを読んだ読者は間違いなく幻滅するであろう。」
「結論は、本書を通読するという過程を経てはじめて意味をもつ。」
その過程では、ルソー、パスカル、バートランド・ラッセル、ハイデッガーら先人たちの考察を基礎に、その意義や誤りを分析し、段階を追って、暇と退屈の本質に切り込んでいく。(特に誤りの指摘は容赦がない。)確かに、ネタバレなしのほうが、読む楽しみが多い気がする。
巻末には、付録として「なぜ人は退屈するのか」という基本的な問いに関する、ひとつの仮説が提示されている。
本屋で文庫本を見かけるまで、この本の存在を知らなかったが、これは、「読むべき本」の範疇を超えて、知っておくべき「重要な知見」の域に達していると思う。
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