長野市の古民家再生現場です。
仕上げ工事の段階ではありますが、
最後に残っていた上雪隠の解体工事が始まりました。
とてもレトロな雰囲気の上雪隠。
昭和時代に増築されたものだと思われます。
壊すのはもったいないように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
状態があまり良くないため取り壊した方が良いということは
経験上わかっています。
(建具は転用して再利用します)
上雪隠、撤去されました。
しかし、これからが問題。
現場から、
職人さんの言葉を借りれば
「土台や柱がとけている」
との事。
(つまり、土台・柱が腐ってしまって、殆ど形が無い状態 ということ。)
アタタ・・・
しかし、
やはり、解体して良かったのです。
言ってみれば、
これは古民家再生の手術のようなもの。
手術をしてみたら
癌が思った以上に転移していた、というような感じでしょうか。
ですから、まずは悪い部分を取り除く(解体)。
そして、手当(修理)をする。
今回は予算の問題もあり
この部分は応急処置程度の補修をするに留めます。
お施主さんは少々心配そうでしたが、
古民家はそんなやわではありません
それは、我が家でも経験済み。
柱の1本や2本、腐っても
崩れることはありません。
しかし、大事なのは
これ以上、腐りを進行させないようにすること。
(癌の手術のようなものです)
昭和の頃になされた増築や改造によって
かえって古民家にダメージを与えているものが少なくなく、
特にコンクリート、モルタル、タイルを使った所に多い。
古い建物を解体して学ぶことは、
どうしてこのように腐ったのか
を
考えることです。
もちろん、蟻害も含めてです。
そして
同じようなことを繰り返さないようにするのが
これからの建物の在り方だと思うのです!
このように難問の多い古民家再生ですが、
(そもそも、人生や自然と同じように
建築を意のままにしようってのが奢りなのだと
古民家に携わりながら、いつも想うことです)
一つ一つ、現場と、お施主さんと
打ち合わせしながら解決していきたいと思います