さて前回に続きまして、夏休みの島根旅行2日目午後の部です まだ続きます。。。(そろそろ終わりにしたいのですが、忘備録として頑張ってまとめたいです)
(2日目午前の部はコチラ)
2日目(8/15)の午後は、再び1日目行った石見銀山(島根県大田市)に舞い戻ることにした私達家族
前日(8/14)は、車を石見銀山世界遺産センターに駐車し、そこからバスに乗り伝建地区の大森の町並み近くで降りる、という方法をとりましたが、
2日目(8/15)は直接、大森の町並みまで車で行きました
(町並み地区内にも若干駐車場があることは前日センターの方から説明を受けていたので、空きがあるかどうか心配でしたけど大丈夫でした。)
しかし、、、
うちの息子は前日の町並み散策で既に嫌気がさしておりまして
(なんたって猛暑の中、ただ町並み見るというのは子供にとっては退屈で仕方ない)
あれこれと息子をなだめながら、再び大森銀山の町並みを散策。
これを見ますと大田市大森銀山が伝建に選定されたのが当初昭和62年12月という事なので、
私共の暮らしている長野県東御市の海野宿が伝建に選定された時期と同じ年です。
(ちなみに海野宿は昭和62年4月に選定を受けてます。)
大森銀山の町並み散策 リトライ
まずは石見銀山資料館(大森代官所跡)へ行こうと思ったのですが
これまた息子のやだやだ攻撃を受けまして 、、、見学を断念。 外観のみ写真を数枚撮ってお終いです。。。
石見銀山資料館(大森代官所跡)
じゃ、旧大森区裁判所へ行こうと誘ったら、裁判所には多少興味を持ってくれたみたいで息子もしぶしぶ
旧大森区裁判所
入口脇で息子、ふて腐ってます
色々説得してなんとか内部に入って見学。
展示してあった石州瓦。これは桃の鬼瓦。
この赤い釉薬の掛かった石州瓦、とても魅力的です
そもそも、陶器好きのワタクシ、そう、焼き物が大好き。 瓦も焼き物ですからね。自然と興味がわく訳です
で、この赤い釉がどうにも気になり、帰ってきてから調べてみると、この釉薬は「来待釉」というものだそうです。
この地域では水かめが盛んに作られていて、その釉薬だとか。
そっか!
甕の釉薬!
この茶褐色、そうそう!まさしく石見焼の水甕やすり鉢の釉薬と同じテイストだわぁ~!
さてお次は、重要文化財の熊谷家住宅 を見学する事にしたのですが、
これまた息子は全く乗り気ではなく、、、ぶつぶつと、早く次へ行こうよぉ~と袖を引っ張るんですが
私は見たいし、息子は嫌がるしで、親子で押し問答していると
それを見兼ねた係員さんが息子に、これやってみる?と 差し出したのがコレ↓
ナイス~!
「昔の家財道具をさがしてみよう!」という課題を与えられて、息子は俄然やる気満々
いや~こういうちょっとした事なんですけど、子供にも楽しめるような配慮って重要です!
お陰で建物を見学する事ができました~(涙)
で、建物に上がろうとしましたら、更に!こんな素晴らしいおもてなしが!!!
分かります?
この暑い時期、素足で靴を履くこともあります。
こういう建物の見学をする時は靴下必須なんですが
うっかり素足で来てしまった私。。。
文化財の建物に素足で上がるなんてもってのほか!(基本的なマナーです)
アタター やっちまった!と思った時に
この足ふきタオル登場に、頭が下がります
ほんと素晴らしい配慮!!! 有難く使わせて頂きました
一般の人は、文化財建物を観るマナーを知らない方、多いと思います。
足元から気を付けない事がいろいろあるのですが
それを注意するのではなく、さり気なくタオルを用意するなんて
なんて気配りが出来ているんでしょう!
これは見習うべき
ここで、折角ですから
重要文化財民家(他の文化財建物でも基本的には同じ)の見学する時のマナーをあげておきますね。
~『重文民家と生きる』(学芸出版社)より以下抜粋~
①予約の必要な見学先には必ず事前に予約し、予約時間を厳守。
→突然の訪問や無断のキャンセルに悩まされる所有者が多い
②家人のプライベート居住区には立ち入らない。
→立入禁止の札があるとかえって覗く人がいる
③引率者のない中学生以下の子供の見学は原則不可。幼児・子供を勝手に歩き回せない。
→躾のできていない子供の親にかぎって子供を放任している
④見学先(案内者や説明者)の指示に従う。
⑤大声での会話は慎み、静かに見学する。建物内では走らない。
⑥大きな荷物を持ち込まず、履物にも気を付ける。
→リュックサックは背中から外す。壁や襖、障子や展示物に傷をつける恐れがある。
→ハイヒールは三和土に穴をあける。
→素足で家にあがらない (私から補足:雨の日などは替えの靴下を持参するとベストです)
⑦敷地内・建物内で飲食・喫煙をしない。
→日本家屋は火災に弱い、見学中の喫煙はもってのほか
⑧酔っ払いの見学はお断り。
→民家は単なる行楽地、観光施設ではない
⑨展示品・置物・備品類にはさわらない。
→いずれも世に二つとない貴重なものばかり。毀損すれば取り返しがつかない。
⑩襖・障子の開閉は優しく静かに。畳の縁や敷居を踏まない。壁にもたれない。(
→建具や畳、敷居への心配りは日本家屋での生活の基本
⑪写真撮影は許可を得てから。
→フラッシュは、壁画・襖絵・屏風に予想外の影響を与える
⑫室内撮影には、三脚は使わない。
→磨かれた床の間や畳の上に、三脚を突き立てるなど言語道断
是非、このようなマナーを知って(日本家屋の事を知るという意味でも)
各地に残されている歴史的な建造物の見学に行って頂きたいと思います!
さて、話を熊谷家見学に戻します。
うっかり素足で見学する事になってしまったワタクシ。
足ふきタオルで入念に足の汗と油を拭きまして お邪魔させてもらったのですが
実は、素足だったからこそ実感できた事がありました!
(素足だった事を肯定してはいけないのですけど)
それは、夏のしつらえ。
夏用の建具(簾戸)や、御簾も素晴らしいのですが
それよりも何よりも、
お座敷に大変失礼ながら素足で上がらせてもらった私は敷物に驚かされました
この敷物、適度な硬さとしなやかさ、そしてひんやり感で
足裏の感触がとても気持ちいい!!!
籐のあじろ。
感動ものです
こちらは籐むしろ
実は、今工事をしている望月の古民家改修工事で、お施主さんより広縁側に敷く竹マットのご相談がありました。
広縁なので、通販雑貨などに売っているような竹マットだと寸法が合わず、どこかに売っていないかというご相談でした。
既製品で対応できない場合はオーダーという手段もありますので、
お取引のあるインテリアさんに相談して、竹と籐の特注マットのお見積りをしてもらったばかり。
その金額は、通販品とは比較にならない金額でしたので、
この熊谷家の敷物も、相当なものだと思われます。
(軽く自分で見積もってみただけでも おっ!という感じです。上等な畳と同じくらいな金額かもしれません)
他に、さり気なくこのような手作り椅子や
うちわの貸出など、
おもてなしの心遣いがあちらこちらに見えます。
手すりが丁寧に作られていて、とても参考になります。
あまりにも素晴らしい展示品や室礼に感動していたら
それもそのはずで
なんと、こちらの重文熊谷家住宅の館長は小泉和子さんだっていうじゃないですか!
小泉和子さんの本、我が家にも何冊かあります! ちょくちょく手にする本です。
上の左2冊は、海野宿の我が家を2001年に取得した時、屋敷の残されていた膨大な量の不用品(悪く言えばゴミ)を一つ一つ処分するか否か(つまり良いものかどうか、価値があるとされているものかどうか等)を判断する際、昔の家財道具類(特に昭和時代の物)を調べるのによく見てましたね。
家具の本は学生時代に使ったもの。
そして、下の2冊は今回、熊谷家で購入したものです。
あー やっぱりね~
女性ならではの気遣いが展示や室礼に現れてました。
こちら熊谷家住宅の運営は、地元女性達の団体『家の女たち』。
とても丁寧に運営されているなぁと感じ入りました
おもてなし用に使われていた団扇も売ってました。
手作りだそうです。
紋切り。私も真似て作ってみようかな♪
団扇の材料もありますし(←息子の小1の時の夏休み自由研究用に買ってあったもの)
さて、じっくり熊谷家住宅を見学する事もできましたので、
次は大田市内にもう一つある伝建地区温泉津温泉へ向かうことにしました
2日目午後の部、まだ続きます。。。完結せず
(つづく)