土蔵再生の現場での出来事なのですが、
古い梁に多数、虫食いがありまして、、、
その虫食いの跡が気になるために
お施主さん自らサンダー掛けをしました。
それでも、
深いところまで虫食いになっている箇所があり
削っても削っても綺麗にならない所がありました
この梁、
高いところにある梁ならば、
気にならないかもしれませんが
・・・
比較的低い位置にありまして、
背の高いお施主さんにしてみますと、
かなり気になります。
そこで、今回は虫食い部分に、
木工用パテを使いまして埋めることにしました。
柱や梁、造作材、床板等、無垢の木部には
全て古色の塗装を施します。
梁の一部分を木工用パテで埋めますと、
かえって斑になり、
変に目立つことになるかもしれないので、
まずは木工用パテに、塗装がきれいにのるかどうか
端材を使って塗装実験をしました。
パテは白系と赤系の2種類を試してみました。
そして塗装は、
通常の拭き取りで仕上げた場合と、
叩きながら拭くという手法を試してみました。
真中あたりが、叩きながら拭く方法で、
両端が通常の拭き取りです。
結果、
叩きながら拭くのが良さそうです。
古材を使う場合、
程度にもよりますが、
割れや痛み、汚れがあったりしますので、
気になることがあります。
(お施主さんの感じ方にもよりますが)
濃い目の塗装をすることで
そうした汚く感じる部分が目立たなくなり、気にならなくなります。
もちろん、雰囲気的にも全体の色調を整える
というデザイン効果もあります
ところで、私達はこういう古民家や
歴史的な建造物に魅力を感じているので、
どうってことのないことも、
一般的にはどちらかと言えば、
新品ではない、古い物に対して、
(古民家だけでなく、古物、骨董品なども含めて)
理解して頂けないことがあります。
その理由を聞くと、
汚さであったり、
その当時の時代を思い出したり
(あまりいい思いをされてこなかったのだろうと思います)
あとは時代を経てきた傷や、
どこの誰が使ったわからないものなど嫌だ とか
機能・性能的に満足いかない、
そういった理由が多いようです。
古民家が住み継がれていかなくなったのは
そういった理由もあると思います。
(もちろん、それだけではありませんけれども)
好むと好まざるとにかかわらず、
昔から古民家に住んできた方達に対して
不満に感じていることを解消してあげることが
古民家を継承していくことにつながると
私は考えていますので、
古民家の良さを壊さないように配慮しながら、
積極的に、古民家に断熱材や設備機器、
そして古色塗装などを取り入れています。
(k.m)
このkaoriさんの文章を声に出して読んで、読み終わると、、、
後ろで主人が『拍手入れといてっ』
と言ってました(笑)
同感のようです。
でも拍手クリックはないわ~と言っておきました。
声に出して読んでもらうなんて、なんだか恥ずかしいですー
いつも、もやもやしていることを、なかなか文章にできないでいるのですが、
それでも同感して頂ける方がいると、励みになります!