先日、小諸の古民家再生の家に、
手透きの障子紙を貼ろうと、
地元の「立岩和紙」を入手してきました。
長野県の和紙には、国の伝統的工芸品として
「内山和紙」があります。
今まで、私達の設計で障子を作る場合は、
特に古民家再生においては、
この「内山和紙」を貼ることが多かったのですが、
小諸市から左程遠くない長和町に
信州・立岩和紙の里 がありますので、
今回は、立岩和紙の障子紙 を
使ってみることにしました。
内山和紙の障子紙には、手透きの他、機械透きのものなど、
いくつか種類があるのですが、
立岩和紙の障子紙は、手透きオンリー なんです
しかも、お値打ち価格!
手透き和紙で 1本 2500円 なんです!
1本20mで、85㎝の和紙が24枚、継いでありまして
2間の腰付障子戸4枚分が貼れます。
この価格で採算が合うのか心配になります~
もちろん、量産品の障子紙に比べれば、
1本 2500円は高級品かもしれませんけど、
実際、貼ってみると、きっとその良さはすぐに分かるはず。
うちの自宅には、内山和紙の手透き和紙を貼ってあるのですが、
こちらは 1本 5250円!
1本19mで、40.4cmの和紙が48枚 継いであります。
この継ぎ目を「石垣張り」のように
バランスよく貼るとgoodなんですけど、
まあ、家族が貼ったものなので、
もちろん文句はいいません~。
内山和紙は、座敷にしか貼ってませんけど、
かれこれ5年経ちますが、まだ貼り替えなくて大丈夫です。
うちの息子が0歳の時から
もうこの夏で5歳になりますが、
この座敷で、サッカーとかして遊んでいるのにっ
破かれてませんー! おみごと!
恐るべし、手透き和紙! 丈夫です。
ちなみに、
内山和紙は一枚の紙長さは40。4㎝ですので、
上の写真のような継ぎ目が見えます。
立岩和紙は一枚の紙長さは85㎝ですから
1間2本建ての建具であれば、継ぎ目は出ませんね。
また、一般的な障子紙の大きさには
紙幅が 28㎝の美濃判 と
25㎝の半紙判 があります。
(立岩和紙の半紙判は 紙幅 25.5㎝でした)
この寸法から障子の組子の割付けを考えるわけですが、
どうしても建具のデザインによって、
障子紙の寸法に合わせられない場合もあります。
ですが、やはり手透き和紙などを使う場合、
紙を無駄にはしたくないので、
出来るだけ、障子紙の寸法に合わせた
組子の割付けを心がけています。
さてさて、今回は小諸の現場用に
立岩和紙を買いに行ったのですけど、
うちの座敷以外の障子紙が
そろそろボロボロになってきたので
(やっぱり安い量産品の障子紙は
2年ぐらいしかもたないですー)
自宅用にも買っちゃいました☆
実は
立岩和紙には、無漂白の障子紙もありました。
めずらしい!
(写真 上に重なっているのが無漂白のもの。
下のは通常のもの)
障子紙は その性質上、白さ を求められ、
漂白しているものが殆どです。
無漂白の和紙が、最初の生成のような色から、
日光にさらされることで、次第に白くなり、
そして、黄ばんでくる、
というお話を、以前、奈良で紙透きをやっている方から
聞いたことがありましたので、
自宅で貼って、試してみようと
無漂白のも買ってきました☆
写真左が無漂白の立岩和紙の障子紙
右が通常の漂白された立岩和紙の障子紙です。
うっすらと、簀の模様がみえて、
それも美しいです。
(k.m)