海の日の月曜日に、
随分前にお問い合わせ下さったお客様から
建物を見て欲しいとの連絡が入りまして
見て参りました。
別荘地に建っている別荘建築です。
結構、古い建物なのですが、
雰囲気が良くて、とても素敵な建物でした。
ところが、残念なことに、
20年以上(いやもっと前からかもしれない)
も使われていない様子で、
内部は廃屋状態。。。
かなり荒れていました。
建物は昭和の建物で、
築40年以上、経っているとのこと。
造りは凝っていますが、
とても暮らせる建物ではありませんでした。
折角、信州の別荘地に建っているのに、
建物の中は、特に2階は猛烈に暑く、
これでは避暑地としても機能しないし、
冬のために、暖炉もあったのですが、
薪をくめて焚き続けることに挫折したのか、
別の石油ストーブが脇に接続されていたり、、、
鉄平石を貼った壁の下地はコンクリートでしょうから、
冬は恐らく相当冷え、
使わない暖炉の煙突からは冷気が降り、
想像するだけで、
寒い信州ではこれでは暮らせない、
そんな建物でした。
それが理由で、20年以上も放置されていたのか、
そこら辺の所有者の事情は分かりませんが、
この建物が売却されるにあたり、
建物の傷み具合など、見てきたわけです。
率直なところ、
こういう、なんていうんでしょうか、
当時、建築家らしき人(建築士)が
デザインして頑張って凝った建物を作ったとしても、
もし、
そこの土地の気候や風土に合っていなければ、
このような無残な結果になるのではないだろうか。
建物の行く末を
どれだけ想像したのだろうか、
など、
いろいろと頭の中をめぐりました。
でも、
デザインが良いので、
それだけで、残る価値のある建物もある。
(買い手もいる)
それを再生する、という時代が到来するかもしれない
(民家の再生ではなくて、建築家?らしき人の設計したの家の再生?)
という予感がしました。
もちろん、有名な建築家の手がけた建築の保存運動などもありますが、
それは、「保存」運動であり、
そこまで有名でもなく、
でも 誰かが確実にデザインした建物
が、
保存運動を起こすまで価値は見出せないが、
なんとなく素敵じゃない?
ぐらいの建物の再生。
まるで古民家みたい。
魅力はあるが、現代人には住めないみたいな。
再生ってなに?
って話にもなりますが、
要するに、
暮らせない建物を、暮らせる建物にする
ということ。
建築家の設計した家は、暮らせないのか、
って話にもなってしまいますが、
中には、そういう建築家の自己満足の
造形ばかり気にした建物もあります。
そろそろ、
そういう建築家らしき?人の設計した建物の
再生の時代 到来か?
ちょっとイヤミみたいな文になってしまいましたが、
でも、再生したいと思わせる価値がある
ということだけでも、褒められると思います。
壊されていくよりは、ずっとマシです。
こうした古民家ではない建物の再生というのも
やってみたいし、
やってみる価値はあるかなと思いました
(k.m)
素敵な雰囲気の別荘ですね。
kaoriさんの書かれていること、、、
私もリフォームで訪れた住宅で、
割と有名な方に頼んだけれど、結露するし使い勝手が悪いし・・・と、
お客様に切々と訴えられた事があります。
「建築家」に頼んだのだから、仕方ない・・・とは、思いたくないですよね。
その時は自分は大丈夫なのか?
振り返ってしまいました。
古民家再生=建築家作品再生
成る程~そうですね♪
今回の記事は、言いたいことがうまく表現できなかったのですが、
建築家作品再生とは上手い表現ですね☆
本当に今回の別荘を見て、建物が大事にされていない、それは所有者の問題ではなく、そうさせているのは建物のせいかもしれない、、、という感じを受け、とても複雑な心境でした。
spicaさんのおっしゃる通り、私も、
「自分は大丈夫なのか?」って思いながら設計しています。