先週の事になりますが、上田市の市街地に建つ古民家を拝見して参りました。
第一次世界大戦から第二次世界大戦の間くらいに建てられたそうです。
(大正から昭和初期くらいの建築ということね)
建物の状態は比較的良いし、何しろ市街地の民家だけあって、とても洒落た造りの家でした
レトロな照明が素敵~♪
このガラスシェードと恐らく同じ形のものを、私の設計でもよく使いますが、それには装飾がありません
こんな風に。↓ (でも、これはこれでシンプルで好きなんですけどね♪)
左:小諸の古民家再生事例。
右:自宅の縁側。
そしてこちらはお風呂。
これまたタイル使いがレトロでめっちゃいい☆
洗面所。
洗面器の左側にあるカウンターは
実は隣が玄関で、玄関側から使えるようになっている下駄箱が、洗面所側に飛び出てカウンターになっていたのでした。
いろいろ工夫されていて面白い☆
お座敷。
この家は平屋なのですが、このお座敷の周りを回遊できるような間取りになっていて、農家型の民家とは一味違う空間でした
書斎?
こちらのお部屋は、書斎だったのか、2面一杯に窓が設けられており、外には木製の手すりが付けられていて、これがまたいい感じなのでした☆
庭を眺めながら書きものをしたくなる感じだわぁ~と思ったら、聞けばここのお爺さんは文人だったとか?!
なーるーほーど~♪ まさしく、そんな佇まいでした☆
私が携わる事の多い古民家と言えば、
農家、町家や商家といった生業のための空間を備えた住まいで、江戸、明治くらいから昭和戦前くらいまでの古い民家が多いのですが、
(ちなみに我が家は旅籠屋でした)
今回拝見させてもらった家は、生業の空間を備えてはいない、純粋に住まいの場としての民家でしたので、いわゆる和風住宅といわれる部類になろうかと思います。
民家とは
- 一般庶民が暮らす住まいのこと
- 元々は神社・仏閣・宮殿・官衙などの建築とは違う一般民衆の住居を指す
- 元来幕府の役人が使っていた言葉で、年貢を取り立てる土民の家という意味
- 支配階級、上層階級の住まいに対比して用いられる言葉
- 日本建築史では、主に江戸時代の農家、町家・商家、漁家、下級武士の住まいを示すが、明治以降に建立された住宅で伝統的様式・技法を用いたものもこれに含まれる
- 住まいの場となる建物が、生産活動の場(生業空間)を兼ねており、厳密に言えば、貴族住宅、武家住宅、現代の住宅などの単なる住宅と区別される
- 現代日本語ではマンション・団地などの集合住宅に対して、一戸建ての比較的小規模な住宅を指して「民家」と呼ぶことがある
*参考:民族建築大辞典/民家は生きてきた(伊藤ていじ 著)/日本の民家(wikipedia) 等
追補
- 「木割のある住宅」と「木割のない住宅」とが存在し、木割書「匠明」にある「屋」および「殿屋」は当時の支配階級である天皇・公卿・僧侶・将軍・管領等の邸宅をさしており、木割のない建物は前記以外の建物をさすわけで、住宅にかぎれば農家・町屋のような民家がこれに入る。
ちなみに私もよく使う 古民家とは、ですが
民家のうち、特に建造されてから時を経たものをいう訳ですけども、どの時代に建てられたものを指すかという定義は特になされておりません。
wikipediaでは、通常は戦前以前のもの、特に大正以前のものを指す場合が多いとされています。
また、国の登録有形文化財は建設後50年以上経った建造物が対象になってますので、50年経てば古民家と言えるのかもしれませんが、私はだいたい昭和初期か戦前くらいまでを古民家と呼んでいます。
さて、今回この建物を拝見したのは、この建物・土地の購入を検討されている方から、改修する場合どれくらい費用が掛かりそうなのか、というご相談があったからなのです。
古い家を取得しようとする時、何よりも心配なのはそこですよね・・・
大概の方は、全く見当がつかないかと思います。本当にケースバイケースですから、、、
とりあえず、建物を拝見しながら間取りを軽くとりまして、
一旦事務所に持ち帰って面積を計算し、ざっくり大雑把な改修費の目安をお知らせした次第デス。。。
これまでも、物件購入する前に事前相談を受けた事が何度かありました。
そして実際に土地建物を購入して、古民家再生が実現したお宅もあります
さて今回はお客様、どのような判断を下されるのか。。。
なんとも微妙で歯切れの悪い助言しか出来ませんでしたので、とても気掛かりです。。。