シリーズ159回目ですが、こうして振り返っていくと、後期や幕末の品にも個性的な品はあるものの
やはり伊万里の魅力は前期~中期あたりまでの品に尽きる、という感じはします。
さて、今回紹介する品はいわゆる「普通の中期古伊万里」で、特に印象に残るようなタイプの品ではありません
「染付松に鶴の図七寸皿」
鶴と松を雲形に白抜きした中に描き、その周囲を薄濃みで塗り、さらにその中に鶴と瑞雲らしきものが描かれた七寸皿です
雲形に抜いているあたりはデザインの妙という気はしますが、そこは中期でも恐らく宝暦~天明といった時代の品と思われますので
絵付けについてはあまり上手いとは言えません。
墨弾きの技法を使って鶴が描かれています
この品を扱っていた業者さんは、「藍九谷」と称して売っていましたが、初心者でなければ、これが中期の品であることは判ると思います。
裏面の感じからも、中期~中期末といった雰囲気が伝わってきます
別に鳥の文様が好きなわけではないんですが、なぜかウチには鳥が描かれた古伊万里が多かったりします。