鳥文様シリーズの7回目です
それにしても、なんでこんなに鳥の描かれた(主文様でない場合もありますが)伊万里がウチにあるのか?
その時に予算にあった品を買うというのが収集の基本スタンスでしたので、特に意識しない中で、鳥の描かれた伊万里を買っていたというのが真相でしょうか。
さて、今回の品も前回と同様に鷺と沢潟が描かれた皿ですが、時代的には200年以上遡ります。
同じ組み合わせの文様でも時代による違いみたいなものが感じられるでしょうか。
「染付鷺に沢潟扇面形皿」
横17cmほどの扇面皿で、寛文期の作と思われます。沢潟の中に鷺二羽(つがい?)が描かれており、絵付けした職人さんは意識してないと思いますが
沢潟を大きく描くというデフォルメは前回の明治期の平戸と共通しています。
小皿の中に描かれた鷺文で、決して写実的ではないんですが、実に生き生きとした姿と表情をしており、なかなか魅力的だと思います。
縁が染付の青で塗られたいわゆる青縁なのも、この品には合っているように感じます
惜しむらくはホツが一カ所、さらに見込み部分に引っかき傷が複数あり、いわゆる残念物ではありますが、ワタシとしては好きな品のひとつです。
落款は「宣明年製」、裏文様は唐草繋ぎの元祖のような描き方です
このピシッとした高台もこの時代の品の魅力のひとつでしょうか。
鳥、特に鷺は、左を向いて描かれている皿が多いです。このデザインだと、動きとおさまりの両方が満たせるのかなあ、という気がしています。
鋭い描写ですよね!
典型的な寛文期のものですね。
このくらい古い物になりますと、多少のホツや引っ掻き傷は勲章のようなものですね(^-^*)
さすがに遅生さん、慧眼です。
ヒマな時に柴コレの図録で鷺文についての傾向を調べてみたいと思います。
思うに江戸期には鷺なんてのはそこら中にいて、普通に観察できたんだと思います。
この品、今にして思うと、寛文期の藍九谷だということが、購入した最大の理由かも知れません
結局のところ、この時代の伊万里が一番好みに合っている、これに尽きるんでしょうか。