11/28、住居の会の見学会で東横線の地下化工事現場を見学してきました。
道路の中央分離帯にある不思議な出入り口から業務用のエレベータで地下22mに潜ると、そこは別世界。
オレンジ色の垂れ幕の下、2本の線路が∞マークのような形になっています。これがシールド工法という方法で掘られているトンネルなのです。
このタコのようなものがアポロカッターで、このアポロカッターが遊園地のコーヒーカップのような動きをすることで∞の形状に掘り進んで行くことができるのです。
(これは事前に現場事務所で拝見したスライド映像です。実物は現在このアポロカッターを先頭にして掘削中なので、お尻部分しか見ることができないのです。)
円形のほうが力学的に強いし、カッターの動きも簡単なのですが、都市の地下には上下水、電気、ガス、ビルの杭、、、など様々なものが埋設されているので、できるだけ小さな断面にする必要から、この∞形状になったとか。
しかもこのシールドマシンのすごいところは、単に掘るだけではないのです。掘った後、土砂を後方へ排出するのはもちろん、掘りながらどんどんセグメントと呼ばれるプレキャストコンクリートのパーツを組み立てて行くので、このマシンの後ろがすぐにトンネルとして完成していると言う仕組み!!すごい!幅1.1mのセグメントを、1日に7ツ分掘り進んで行くそうです。現在ちょうど渋谷から代官山の中央、並木橋あたりを工事中、、、と先週言っていたので、12/4現在ではさらにそれから50mほど掘り進んでいるはずです。
見学後参加した小学生から鋭い質問が!
「工事が終わった後、このシールドマシンはどうなるのですか?」
おお!「マイク・マリガンとスチームショベル」のメアリ・アン(※1)を思い出す!!
担当者の回答は「シールドマシンの本体の鉄板は12㎝の厚さがあるのですが、それはそのままトンネルになります。内部の部材はばらして搬出し、再利用します。」とのことでした。なるほどーーー。
∞の中央の部分には補強のために450□ほどの鉄骨の柱が1.1mピッチで林立しています。セグメントはボルトでドライジョイントされていますが、継手は弱点になりやすいため、目地を揃えず千鳥に乱張りしています。
緩やかなカーブがきれいですね。
現在敷設されているレールはセグメント運搬用車両のもので、東横線のレールはもっと幅の広いものだそうです。H24年に完成し、H25年の3月までのいつか、ある1日を境に、東横線が突如地上から姿を消す予定だそうです。切り替え時はマニアが集まるので、極秘だとか!電車が止まるわずか2時間半の間に、テキパキと地下化が勧められるそうです。なんだかマジックのようですね~。
普段都市で生活していても、地下でひっそりと着々とこんなことが行われていようとは、、、まったく気付きませんでした!
安藤忠雄の渋谷駅も、実はまだ半分しか完成していなくて、この、東横線地下工事が終了する時に全貌が明らかになるそうです。
楽しみデスね!
※1「マイク・マリガンとスチーム・ショベル」バージニア・リー・バートン著
蒸気式のシャベルカー、メアリ・アンとその運転手マイク・マリガンが市庁舎建設のために地下を掘る工事をするのだが、最後あなからでることができなくなってしまったので、市庁舎の地下でボイラーとして余生を送ると言うお話の絵本。
マイク・マリガンとスチーム・ショベル 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:1995-03 |