八月六日。
今年も暑い日。
ただの水色の空の朝が、
いつもとちがう意味を持つことに気づく日。
重い日。
始まりの日。
これから約1週間。
15日まで続く、祈りの日々の。
始めの日。
朝、黙祷を促す鐘のチャイム放送が鳴り響く日。
今年は余計に、複雑に、重い。
静かに想う日。
Coccoの「箱舟」という、
広島で生まれたという曲を、聴く日。
結局 それだけじゃ終われなくて、ああ、あの曲もこの曲も、と聴き連ねて
結局 Coccoの歌を延々聴き倒してしまう日。
藍染の手ぬぐいを下ろす日。
普段はなんとなく使わない。
藍は
濡らせば 色は深く深くなる。
そして
たちどころに乾いて、薄く醒めてゆく色。
醒めても褪めない深みのある色。
一番好きな色。
今年も晴れの、8月6日。
いつもよりも景色が 静かに 有り難く映る日。
小学生の頃、
鹿児島に住んでた頃、
豪雨で川が氾濫して町が水浸しになった日、でもある。
「86水害」と言われていた。
そういえば。そんなこともあった日。
その頃はまだ、行ったことも無い遠いヒロシマに、思いすら重ねることも出来ない。
若かりし頃。
今年も静かな、セミのジワジワ鳴く声ばかりがよく滲みて聞こえる、
八月六日。
静かだけど、
ひしひしと胸が、ぐうっと締められて、
熱い、
夏の盛りの一日。
焼きつける日。
灼きつけるべき日。
藍に重ねて
祈る。
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