歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

PEACE

2013年11月15日 | 徒然 -tzure-zure-
最近、
カモが増えて居る。

いつも通る池の汀。





あら可愛いなと、ほっこりする。


まるまると肥えたカモが。
美味しそうにふくらんだ肉が、こんなにたくさん。

朝日を浴びて、まったりしている。
のんびり。安穏としている。




、、ように、見える。



ほんとのところは、わからない。

彼らは内心すこぶるビクビクしているのかもしれない。

寝てるふりして、いつでも飛んで逃げられる構えなのかもしれない。

ふわりと揺れる葦の影にさえ、いちいち戦々恐々としているのかもしれない。






折々、
いろんな人が、行き交う。

カモたちに ちらり目を遣りこそすれ、近付いたりはしない。

なぜなら、
そこに「池は 立入り禁止」のロープがあるから。

なぜなら、
通勤中で急いでいて、それどころではないから。

なぜなら、
「自分のことで忙しい」から。


人間は、そのまま速やかに去る。

なんら危害を及ぼす気も無く。




だから、
カモたちは、存分に、まったりしていられる。

行き交う無難な人間たちに、目もくれず。
幾度も近づいてくる足音にも、まったく動じず。



カモたちは、風船みたいにふくらんだ体を地面にぶにゅんと付けて、

まるまる肥えた身体をさらに丸まらせて、

の~んびり、まどろんでいる。



ちりひとつ飛んでいない、キレイに澄み切った空の下に。

からり乾いた秋の朝陽が よ~く当たる場所に、ひしめきあうように居並んで、

うとうと、と。まどろんで居る。


無防備のまま、

まどろんで居られる。



つまり、

ここのカモたちは、安心しきっている。


 「とって食われるようなことは無い」と。






、、、と いうふうに、見える。






秋の空気は水色に澄み切っていて、

綺麗で、
静かで、

チリひとつ、無い。

今まで幾度も巡って行った秋と、何ら変わらない。




、、、と いうふうに、見える?









この国は "平和" だなと、思う。

つくづく。









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