春風駘蕩

いつの時代でもこうありたい

老いが老いを看る

2005年02月10日 | 日記
86歳になる母が股関節・大腿部骨折で入院中のため、週末の3連休を利用して見舞に行った。
10日は3連休の前日だが一日休暇をとり、10時25分羽田発のANA663便で長崎へ。
所要時間が2時間10分もかかり、延着。慌てて空港発12時45分の高速船に乗船し、大村湾を25分で横断、
13時10分、時津港に到着。迎えの弟の車で病院に直行した。

弟の案内で母の病室に向った。途中、エレベーターの中や廊下で出くわす患者さんのほとんどが車椅子の老人。
廊下から見える病室のベッドに横たわっているのも老人だ。総合病院というのに患者の大半は老人のようで、
一瞬、老人ホームに迷い込んだのかという錯覚に陥る。

母に会うのは昨年夏以来半年ぶりのこと。ベッドの上で静かに目を閉じていたので、声をかけたら驚いたように目を覚まし、
ゆっくりと上半身を起こしながら「よう来たね」と応えてくれた。骨粗しょう症による骨折以外、特に悪いところもなく、
声も頭もそれほど衰えてはいない。脚を動かせないので紙おむつを当てているという。不憫だが仕方ない。

日本人の平均寿命は、男78歳、女85歳。世界一の長寿国だ。川柳に「還暦に親が立ち会う長寿国」というのがあるが、
まさにその通りである。私は姉1人、弟1人の3人姉弟だが、弟もすでに還暦を過ぎている。
還暦を過ぎた子供たちが86歳の母を看ている。「老いが老いを看る」というのも長寿国・日本の光景だ。