謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
喪中ではないですが、新型コロナが蔓延る現状を鑑みると、
「明けましておめでとう」という気分には素直になれません。
だからといって、新年早々から気落ちしている訳でもありません。
私の中には「COVID-19に勝つ!!」という意気込みがあります。
以前の日常よりも、もっと、人を豊にする新たな日常が誕生する事を期待しています。
読者の皆様も、大変な中ではありますが、今年は良い年にして行きましょう。
たくさんの素晴らしい思い出づくりをしましょう。
それでは本題に入ります。
まず初めに申し上げますが、今回の記事は食べ歩きの記事ではありません。
食べ歩きの記事は1月6日からアップさせていただきます。
昨年の話になります。
私は、大阪府吹田市の万博記念公園内にある「太陽の塔」を訪ねました。
広い公園の中で、その姿は圧倒的な存在感を示しています。
太陽の塔は、アーティストの岡本太郎さんがプロデュースされ、
1970年に開催された万国博覧会(万博)のパビリオンとして建設されました。
万国博覧会閉幕後、多くのパビリオンが撤去された中、太陽の塔は残されました。
そして1975年には永久保存される事が決定されています。
万博が閉幕されてから約半世紀にわたって、太陽の塔の内部に入る事は出来ませんでした。
再び太陽の塔の内部へ入る事が出来るようになったのは、
耐震補強や内部再生工事が完了した2018年です。
再開した当初は、内部見学の予約が殺到して、なかなか見に行けない状況でした。
昨年の10月中頃だったと思います。
テレビを見ていると、この太陽の塔が紹介されていたのです。
その番組を鑑賞していると、どうしても行きたくなり、
すぐさま私は太陽の塔のオフィシャルサイトを覗きました。
そして、内部見学のチケットを予約したのです。(すんなりと予約出来ました)
10月末、生まれて初めて太陽の塔の内部へ潜入しました。
入場ゲートを通過するとすぐに「地底の太陽」が現れます。
こちらの「地底の太陽」ですが、
万博開催当時は太陽の塔前の、地下展示会場で展示されていたそうです。
「地底の太陽」の周りには、民族仮面なども展示されていました。
このエリアは「過去」を表現しているそうです。
エリアを抜けると、いよいよ太陽の塔内部です。
目の前に想像を遥かに超える、素晴らしい世界が広がっていました。
生命の根源と歴史を表現している「生命の樹」がそこにあります。
塔内部は赤と青にライトアップされていて、それはまるで静脈と動脈の様に思え、
何か得たいの知れない大きな生物の中に立っているような気がしました。
万博当時はエスカレーターで、生命の樹に沿うように上がって行ったそうですが、
現在は階段で上がるようになっています。
エレベーターもありますが事前の予約が必要との事です。
私は一歩一歩階段で上がって行きました。
写真撮影は1階フロアのみ許可されていましたが、そこから上は撮影NGとなっています。
岡本太郎さんの作品をひとつひとつじっくりと眺めながら上がって行きました。
「人類の進歩と調和」をテーマにしていた万博でしたが、
この太陽の塔は、そのテーマを遥かに超越したものがありました。
岡本太郎さんは太陽の塔を「曼荼羅」と言っています。
宇宙を立体で表したものといわれる「曼荼羅」・・・。
なるほど、生命こそが宇宙そのものなのかも知れません。
生命の根源にあるもの、本当に人の心を豊にするもの、
そういうものの答えが、この太陽の塔にあると思いました。
岡本太郎さんは縄文時代に興味を持っていたそうです。
縄文時代には絶大的な権力が存在せず、ただ人間は、狩りをして、獲った獲物を食べる。
そういう日常の繰り返しだったようです。
ようするに、権力に束縛されずに生きる事が出来た時代なのです。
「地底の太陽」の周りに展示されていた、民族仮面がその象徴かもしれません。
太陽の塔では人間が小さな存在として展示されています。
どれだけ人類が進化しても、結局は縄文時代に及ばない、
縄文時代のように人類は豊になれない・・・岡本太郎さんにそう言われている気がしました。
太陽の塔のてっぺんにある黄金の顔は未来を、
その下にある顔は現在を、
そして背中にある黒い太陽は過去を表現しているそうです。
黒い太陽、何だか怖いですね・・・。
黄金のように輝く未来に、
ただそれだけに目を向けている人類を、怒っているように私は思えました。
ものごとの本質は、目の届きにくい場所にあるのかもしれませんね。
過去は遠い昔にではなく、過去は現在の裏側にあるのかもしれません。
人類が求める自由も、そこにあるような気がします。
今年は本質を見抜いていかないと・・・。
太陽の塔 万博記念公園
住所:大阪府吹田市千里万博公園1−1
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