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呉港にて  ー 大和ミュージアム ー

2015年03月13日 | 戦争遺跡への旅

広島県呉港の大和ミュージアムを訪ねました。

このミュージアムでは戦艦大和に関する大切な資料が展示されています。
(館内の画像は、撮影が許可されている場所で撮りました)

入場券を買い、館内に入ると、10分の1スケールの戦艦大和が迎えてくれます。

実物の大きさからの10分の1ですが、それでもかなり大きいです。

私は戦争に関わる映画やドラマ、ドキュメンタリー番組等をよく観ます。

戦争当時の事を、少しでも知りたいと思う気持ちからです。

現在の私達は、他国との武力による争いがなく、平穏な日々を過ごしています。

この平穏な日々は、戦争で亡くなった多くの人達から与えられたものだと私は思っています。

大和ミュージアムへ訪ねたのも、あの時代を生きていた人達の事を、

少しでも多く知っておきたかったのです。

 

あの時代を生きていた人達の事を、何も知らないでいるのは、

自分の人生を否定しているように思えるのです。

生きることを許されなかった時代・・・。

命を大切に思うことが許されなかった時代・・・。

本当につらい時代を生きていた人達の事を、忘れてはいけないのです。

戦艦大和は1941年に竣工しました。

当時は世界一と言っても過言ではない、最新鋭の軍艦だったのです。

また、戦艦大和は斬新なアイデアの数々で建造され、その技術は、現在でも受け継がれています。

戦後、日本の造船技術が世界に誇れるようになったのも、大和の技術があったからなのです。

その戦艦大和の最期はとても悲惨なものです・・・。

1945年4月5日、戦艦大和は「菊水作戦」に参加しました。

どのような作戦かと言いますと、大和を沖縄の陸地に乗り上げさせ、大和を拠点にして、

当時、沖縄に侵攻していた米軍を迎え撃つという特攻作戦です。

生きて帰る事が許されない作戦です・・・。

ただ、この「菊水作戦」はあくまで建前のもので、

真実は、沖縄へ到着するまでに大和を海へ沈める事が目的だったと言われています。

沖縄に到着するまでに、米軍が大和を襲撃してくる事は、この時期明白でした・・・。

大和を沈める事により、大和が持っている最先端の技術を、敵から守ろうとしたのです・・・。

・・・まったく理不尽な話です。

当時、大和には3332人の乗組員が乗船していました・・・。

3332人の中には、死を覚悟した者もいれば、死を覚悟出来ない兵士もいたと思います。

「なぜ死ななければいけないのか?」

その答えを導き出すのは、きっと困難だった事と思います。

1945年4月7日14時23分、米軍の航空隊386機に攻撃され、 

北緯30度22分東経128度4分の海に大和は沈みました。

3332人中、生還したのは276人のみ・・・。

どんなに生きたかっただろう・・・。

どんなに無念だっただろう・・・。

戦争に「正義」はないのです。

戦争が運んでくるのものは悲しみばかりです・・・。

声を大にして言います、私は戦争が嫌いです。

大和ミュージアムには大和波止場と呼ばれる場所があり、

大和波止場は戦艦大和の前看板(左半分)を実寸大で表現した公園です。

私が訪ねた時は数名の若い人達が、公園を占拠するかのように、

我がもの顔でスケボーを楽しんでいました。

大和に乗船していた乗組員の大半が、10代から20代の若者でした。

目の前でスケボーをしている彼等と同じくらいの若者達でした・・・。

スケボーではしゃいでいる彼等を見て、これが現実だと思うと、私はとても悲しくなりました・・・。

この公園は、命について語る場所なのだと・・・私はそう思うからです。

私が尊敬している児童文学作家の故灰谷健次郎先生が、下記の言葉を残しています。

”あなたの知らないところに、いろいろな人生がある。
あなたの人生がかけがえのないように、あなたの知らない人生も、かけがえがない。
人を愛するということは、知らない人生を知るということだ。”

人を愛することも、命を大切にすることも、知らない人生を知るということ・・・。

戦争で亡くなった人達の人生、震災で亡くなった人達の人生、父母の人生、友人の人生を、

生涯をかけて知ろうとする事。 

知らない人生を知ることで、命は時代を越えて永遠に生きていくと、私は思うのです。

 

大和ミュージアム

住所 広島県呉市宝町5-20
電話番号 0823-25-3017
営業時間 9:00~18:00
定休日 火曜日


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