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鍋焼うどん ことり ー ことり と アサヒ そして松山城 その1ー

2015年03月27日 | 愛媛県(鍋焼きうどん・その他)

愛媛県松山市大街道の朝。

私は松山城を目指すべくロープウェイ街を歩いていました。

 

時計を見ると午前8時10分、本当は9時30分までホテルでのんびりと過ごすつもりだったが、

せっかく松山まで来ているのだから、お城は観ておきたい、そう思ったのです。

 

松山城は標高132mの小高い山の上にあります。

歩いて登れる高さなのですが、ネットでの情報では、急な坂道が続くらしい・・・。

「急な坂道」というワードに、私はすっかり怖気づいてしまいました・・・。

そこでロープウェイを利用することにしたのです。

 

午前8時30分発のロープウェイに乗車します。

お客は私だけかな?と思っていたら、

ニッカポッカを履いている作業者の方が2名いらっしゃいました。

どうやら松山城で作業があるらしい。

 

結局、お客は私とニッカポッカを履いた作業者の3名。

あと、明治時代を思わせる袴を身にまとった案内係の方が1名乗車しました。

ロープウェイが動き出すと、案内係の方が松山城に関する説明をしてくれるのですが、

作業者ふたりが大きな声で会話をしている為、何を説明しているのか聞こえない。

まったく迷惑なお客だ。

 

案内係の説明は一切聞こえないまま、終点の長者ヶ平駅に到着しました。

結局、ロープウェイに乗って一番印象に残ったのは、思いもよらぬ所にダイソンがあったこと。

これは笑えました。

 

長者ヶ平駅から松山城の天守閣入口までは徒歩で10分ほど。

ここからも急な坂があるらしい・・・。

よし!気合を入れていこう!

 

天守閣を目指し、坂道をどんどん登っていくと、目の前に素晴らしい景色が・・・。

思わずワイド撮影してしまいました。

 

街が太陽の光にやさしく包まれています・・・。

太陽から降り注ぐ光がとてもやさしく見えます・・・。

人は、この光に向かって生きているような気がします。

もがき、苦しみながら、それでも少しの幸せを糧に、人は光を目指している・・・そんな気がします。

目の前の光景を、私は忘れません。

 

景色に感動しながら更に上を目指します。

このような素晴らしい景色を観る事が出来るのなら、どんな坂道でも大丈夫。

息を切らしながら坂道を登り、そしてようやくお城にたどり着きました。

 

目の前に、とても立派なお城が現れました。

空の青さとお城がとても似合っていたので、天守閣へ登ってみようと思いました。

 

松山城の天守閣は、一度落雷により焼失しているのです

現在の天守閣は1854年に再建したとの事。

 

天守閣からの眺望も最高に良い!

人は、こういう風景を見ておくべきだと思った。

気持ちを大きく持っていこうと思えるから・・・。

私は大きく深呼吸した。

 

さあ、山を下りよう。

気持ちは天に近づいたから、下山しても大丈夫。

帰りはロープウェイを使わず、歩くことにしました。

急な坂でも転げ落ちることはない、そう確信できるから・・・。

 

坂道を下っている時に、司馬遼太郎先生の「坂の上の雲」を思い出した・・・。

司馬遼太郎先生も、あの風景に感動したんだろうな。

坂の上の雲・・・私にも見ることが出来た・・・。

急な坂道を、ゆっくりと下って行きます。

ふと見上げると、ロープウェイが通り過ぎて行く。

 

今度来る時は、ロープウェイに頼らず、自力で登ってやろう。

そんな事を考えながら、城山をあとにした。

さあ、次はうどんだ!

大街道の商店街を抜け、銀天街という商店街に入った。

 

目的のお店はこの銀天街の入口に近い場所にあります。

 

松山の名物うどんは「鍋焼うどん」で、提供されているお店も多いのですが、

その中でも有名なお店が「鍋焼うどんアサヒ」と「鍋焼うどん ことり」なのです。

私はまず「鍋焼うどん ことり」へ行く事にしました。

 

こちらのお店は昭和24年の創業です。

あちらこちらに昭和の香りが残っています。

 

お店に入ると、ご年配の女性の方が「どこに座ってもええよ」と一言。

実はこの女性、二代目の店主、いわゆる女将さんです。

私が角のテーブル席に着くと、「お客さんが今日の一番客やわ」と。

なかなか気さくな女将さんです。

「写真とか撮っても大丈夫ですか?」と訊ねると、「どうぞどうぞ。」と、これまた気さくに。

 

とてもアットホームな感じがして、心がほっこりします。

常連客とか一見客とか関係なく、どのお客さんに対しても、

きっと同じような接客をしているのでしょう。

いや、接客というよりも、ご近所さんな感覚です。

とてもあったかい・・・。

さっそく注文しようとメニューを見ると、メニューは2種類。

「鍋焼うどん」と「いなりすし」です。

 

せっかくなので両方注文しました。

麺は仕入れ麺だそうですが、独自の製法を業者に伝え、製麺してもらっているそうです。

しばらく待っていると、女将さんがアルミ鍋をお盆にのせてこちらに来ました。

 

終戦直後、物品の乏しかった時代、丈夫で壊れにくいアルミ鍋を利用していたのが、

現在もそのまま受け継がれて来たのです。

ちなみにこちらのお店は、昭和24年の創業となっていますが、

実際は終戦後すぐに「鍋焼うどん」一本で商いをされていたそうです。

現在のお店で営業されたのが昭和24年という事です。

さっそく鍋の蓋を開けましょう。

 

このビジュアル・・・なんか感動的です・・・。

終戦直後の様々な思いがいっぱい詰まっているような気がします。

「子供たちに食べさせたい」

そういう思いで先代の店主が始めたのが、この「鍋焼うどん」なのです。

トッピングされているのは、お肉・玉子焼き・きざみ揚げ・なると・ネギ。

お肉はステーキ用の和牛を使用していて、別鍋で煮込んでいるとの事。

アルミのレンゲを握り、まずは出汁からいただきました。

 

イリコがっつりな甘い出汁です。

この甘さはイリコの脂から出ているそうです。

あと、甘く煮込んだお肉からも。

終戦直後の子供たちは、この甘さを喜んだものと思います。

 

麺は軟らかいながらも、少し芯のある麺です。

この鍋焼うどんには、この麺が合っていると思いました。

玉子焼きは家庭的で懐かしい味がしました。

お肉はよく煮込まれていて、白ご飯がほしくなりました。

 

「いなりすし」は意外と大きいです。

下の画像はうどんを食べる前のものですが、

多少なりとも「いなりすし」の大きさが理解していただけるかと思います。

 

味は濃い目です。

でも、私好みの味で美味しかったです。

うどんを食べている時、女将さんが話しかけて来ました。

「どこから来たの?」

「大阪です。」

「大阪からわざわざ来てくれたん!?」

「はい、わざわざ来ましたw」

「ありがとう、嬉しいわ!」と女将さんが笑顔で・・・。

女将さんの笑顔・・・素敵過ぎます。

 

このお店の人気のひとつには、あの女将さんの笑顔もあるんだ・・・。

ほっこりした気持ちのまま、私はお店を後にしました・・・。

次はこのお店から歩いて30秒、「鍋焼うどんアサヒ」に向かいます。

上の画像、突き当たりを左折すればすぐに、お店の看板が見えます。

つづく

 

ことり
ジャンル:うどん
アクセス:伊予鉄道1・2系統大街道駅 徒歩6分
住所:〒790-0012 愛媛県松山市湊町3-7-2(地図
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情報掲載日:2018年11月22日



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