10月1日から消費税が2%増税になった。増税そのものには私は必ずしも反対ではないが、今回の増税には多くの疑問がある。とくに政府が消費税増税以外に税収を増やす方法を考えたことがないことだ。次に消費税はよく言われるように逆進税制だが、軽減税率を導入したのは逆進性を増幅しただけだということ。さらになぜキャッシュレス化を消費税増税と同時に推進する必要があるのかの説明が一度もされていないことだ。実際、小売業界では早くも大混乱が生じている。この3つの疑問を検証する。
消費税を日本で初めて導入したのは竹下内閣の時で3%だった。消費税導入の動きはそれまでも何回かあったが、国民の反発が強く実現できなかった。消費税は「間接税」、所得税は「直接税」と言われるが、竹下内閣が消費税を導入するまでは日本の税収はほぼ直接税に頼ってきた(酒税やたばこ税、自動車関連税などを除く)。それは戦後の所得税制が累進性の高いシャウプ税制を維持してきたからである。そこで竹下内閣が消費税を導入するために使ったレトリックが「高額所得者は有能な人たちだ。その人たちが働く意欲を失う」というものだった。このレトリックを当時のメディアが支持してしまった。橋本内閣の時の5%増税でも同じレトリックが使われた。その結果、現在の所得税制がつくられたのである。
その結果、日本の所得税制は先進国で高額所得者にとって最も有利な税制になった。そのことにようやく気付いたのが、皮肉なことに安倍内閣だった。日本の高額給与所得者の給与所得控除が他の先進国に比べて優遇されすぎていることを明らかにしたのだ。で、安倍内閣は高額給与所得者の給与所得控除の減額に踏み切った。この処置に猛反発したのが読売新聞。社説で「日本の消費が停滞する」と批判した。社説は論説委員が書く。当然高額給与所得層だ。どうせ反対するなら「私たちの働く意欲が失われる」と書けばよかったのに…。安倍さんが側近に「私は結構リベラルなんだよ」と言ったという話があるが、安倍さんの頭の中にはそのことがあったのかもしれない。
いずれにせよ、これからの日本(だけでなく先進国共通のことだが)の労働力人口(あるいは生産人口)の消費力は減少を続ける。そうした中でどうやって後世の世代に財政赤字の付けを回さずに財政の健全化を図るかは、直間比率だけでなく、所得税体系や相続税、贈与税の在り方も含めて税体系そのものを抜本的に見直す必要がある。財政の要諦は「入るを図りて出ずるを制す」だが、「入る」は消費税増税だけしか視野に入れず、「出る」ほうは高齢者への福祉を削減することだけでいいのか、野党やメディアにも税と社会保障についての根本的な政治哲学が試されている。
次に軽減税率を導入したことだ。公明党が人気取りのために軽減税率導入にこだわったためだ。消費税導入の先進国であるヨーロッパ(ヨーロッパ諸国は消費税ではなく付加価値税)は食料品などの軽減税率を採用しているが、様々の矛盾が噴出し、いま問題化されている。公明党はなんでもヨーロッパのほうが進んでいるとでも考えているのだろうか。
すでに述べたように消費税は逆進税制である。高額所得者も低所得者も同率の税負担をしなければならないからだ。ただでさえ逆進性が大きい消費税に軽減税率を導入したらどうなるか。高額所得者は見向きもしないだろうオージビーフの切り落としも、低所得者には手が出せない国産ブランド牛のサーロインやひれ肉も等しく軽減税率の恩恵を受ける。つまり逆進性がさらに高まるのが軽減税率制度だ。あっ、そうか。公明党はそれが狙いだったのか。自分たちが食べる高級食材を安く買えるようにすることが目的だったのか。
低所得層のために食料品の軽減税率を導入するというなら、低所得層に対して恒久的な給付金制度を設けるほうが増税による消費減少を防ぐことができるし、もともと今回の消費税増税は膨れ上がる社会保障費をまかなうことが目的のはずだから、給付金制度のほうが増税目的にも合致する。そのくらいの理屈は馬鹿でもチョンでも理解できるはずだ。
さらに弁当などを「持ち帰る」場合と「イート・イン」で税率が変わるというのもおかしい。そもそもかつては蕎麦屋やラーメン屋でも、外食は「贅沢」という時代があった。若い人たちは知らないだろうが、私が小学生だったころはソフトクリームは蕎麦屋の専売品だった。力道山のプロレスや巨人阪神戦を見るため(当時はテレビは高級品でサラリーマンの父には手が出なかった)、近所のお蕎麦屋さんに連れて行ってもらったことを覚えている。コンビニやスーパーで安い弁当を食べるのが贅沢な食事だと、政治家や官僚は本当に思っているのか。自分たちが毎日のように通っている高級料亭と、普通の庶民のコンビニやスーパーでのイート・イン食事が同じ贅沢だと思う感覚が私には理解できない。
はっきり言えば、この問題は簡単に解決できる。飲食に伴う店側のサービスが伴うか否かで区別すればいいだけのことだ。ファミレスでも食事や飲み物をテーブルまで運んでくれる場合は税率10%でいいが、セルフサービスのドリンクバーは軽減税率を適用すればいい。また宅配は自宅まで運んでもらうのだから税率10%を適用すべきだろう。つまり飲食に伴うサービスの有無によって税率を変えればいいだけのことで、セルフサービスの水やお茶すらペットボトルの商品を買わなければならないコンビニやスーパーでのイート・インが贅沢な食事かどうか、自分で試してみたらいい。
食料品もさることながら、摩訶不思議な軽減税率対象商品もある。「週2回以上発行の定期刊行物の定期購読商品」が軽減税率の対象になるというのだ。事実上、この条件に該当するのは日刊の新聞だけである。もちろん週刊誌や月刊誌は対象外だし、新聞の場合も自宅や会社、事務所などで定期購読(つまり宅配新聞)のみということになる。公共放送で契約が法律で義務付けられているNHKの受信料は軽減対象にはならない(ただしNHKは増税分を受信料に上乗せせず、NHKが負担するというが、ということはこれまでNHKは受信料をぼりすぎていたことを意味しないか?)。新聞軽減税率を主導したのは読売新聞らしいが、実際同紙は15年12月20日付の社説で、「見過ごせないのは枝野(幸男)氏=現立憲民主党党首=が新聞の軽減税率適用に関して『新聞よりも水道や電気が必需品だ』と発言していることだ。民主主義や活字文化を支える重要な公共財である新聞や出版物に対する理解を欠いていると言わざるを得ない」と主張した。ご都合主義もいいことに、宅配新聞だけが軽減対象になって以降、他の出版物も軽減対象にせよとの主張を見たことはない。最低限、軽減税率についての論理的整合性を重視するなら、新聞本体の価格と宅配料金を別建てにして、宅配業者(新聞販売店)は中小零細業者だから、宅配料金に対しては軽減税率の適用(あるいはキャッシュレス・ポイント還元)を要求するなら理解できる。さらに言えば、「公共財」としての民主主義や活字文化を守る義務は国民にあり、新聞社ではない。国民が新聞を見捨てるとしたら、それは国民の意志であり、新聞がその責務を果たしていないという判断を国民が下した結果である。ま、新聞社が政府が与えた(あるいは新聞社が政府におねだりした)甘い餌に食いついて、自ら民主主義の砦としての責務を放棄したのが本音だと、私は思っている。今後も消費税増税は避けられない。その時、新聞は民主主義を破壊するための特攻隊になることも、疑いを容れない。いったん権力にすり寄って甘い汁を吸った新聞は、今後も権力と二人三脚で歩んでいくしかないからだ。
最後にキャッシュレス決済に伴うポイント還元の問題だ。これほど訳が分からない「景気対策」は聞いたこともない。そもそも消費税増税と同時にキャッシュレス化を進める必要がなぜあるのかという政府の説明が全くない。日本がキャッスレス化をなぜ進めなければならないかの説明も、「諸外国に比して日本は遅れているから」というだけだ。なぜ現金決済が悪いのか、私には全く分からない。実を言うと、私はクレジットカードでの決済ができる店では基本的にカードで支払う。小銭を財布に入れるのが嫌だからだ。それにカードで支払えばポイントもたまる。しかし、カード支払いに不安を持っている人、特に高齢者も少なくないようだ。政府がキャッシュレス決済を推奨する以上、キャッシュレス決済によるすべてのトラブルは政府が責任を持たなければならない。当たり前の話だろう。野党もメディアも、どうしてそういう素朴な疑問を持たないのだろうか?
著名な経済学者の竹中平蔵氏も、この問題では大混乱している。キャッシュレスは必要だと主張したかと思えば、キャッシュレス化を進めようとする政府の思惑はかねの流れをつかむことだと否定的な主張もしている。まずキャッシュレス化がなぜ必要なのかは、政府も竹中氏も説明していない。世界の先進国の多くがキャッシュレス化が進んでいるから日本も追従すべきだというなら、私は疑問を抱かざるを得ない。現金決済主義かクレジットカード決済主義かは、それぞれの国の文化の反映だと思うからだ。正直、私も日本社会になぜ現金決済主義の文化が根付いたのかはわからない。多分それなりの歴史的背景があってのことではないかと思うだけだ。実は私は現金決済主義者ではない。ポケットに1円玉や5円玉、10円玉をじゃらじゃら入れたくないから、コンビニでペットボトルの飲料を買う場合でもカードで支払う。だからキャッシュレスに反対するわけではないが、なぜ消費税増税とセットでキャッシュレス化を政府が進めようとしているのか、メディアは軽減税率の甘い汁を飲んでしまったせいか、なぜか問題提起をしない。民放はすべて新聞社系だから何も言えないかもしれないが、NHKくらいは「おかしい」と疑問を提起してもらいたい。次に竹中氏の説は、もっとおかしい。国民皆背番号制と同様に国民のかねの流れをつかむためにキャッシュレス決済のポイント還元をするというなら、ポイント還元の対象をコンビニのフランチャイズ店や中小小売店に限定したことはばかばかしいほどの矛盾だ。私のような貧困者はいくら調べられても痛くもかゆくもない。私が可能な店ではカード決済しているのは、すでに述べたようにポケットに小銭をじゃらじゃら貯めるのが嫌だからだけだ。だからカード決済の中身を税務署にいくら調べられても痛くもかゆくもない。本当に政府が富裕層のかねの流れ(例えば竹中氏のような)をチェックするのであれば、例えば1万円以上の決済はデパートであろうと貴金属店であろうと、あるいは銀座の高級クラブであろうと、すべてキャッシュレス決済を義務付ければいいだけの話だ。
政府がキャッシュレス決済によるポイント還元という「エビ・タイ」を導入したのは、竹中氏が言うように国民のかねの流れをつかむためではない。実は竹下内閣が消費税(3%)を導入した時、中小零細企業対策として売上高3000万円以下の事業者は「消費税をとらなくてもいいよ」という特例を設けた。消費税は事業者の利益ではなく、買い物客からの預かり金である。本来なら消費者が確定申告で、「今年、これだけ買いました。ついては消費金額総額の3%を国に納付します」というのが理想的な納税方法だ。が、国民を信用していない政府は納税義務を小売業者に背負わせることにした。その場合、中小零細小売店の労働負担を考慮してか(?)、3000万円以下の業者に対して「消費税を預からなくてもいいよ」(「貰ってもいいよ」ではない)という特例を設けた。そういうバカな処置をした結果、「益税」業者が爆増した。当たり前の話だ。
政府の消費税政策がいかにでたらめでめちゃくちゃかを、竹中先生はまったくご存じないようだ。それで経済学者面をしているのだからあきれ果てて物も言えない、と言いたいのだが、やはり言うべきことは言わなければならない。実は竹下内閣が消費税を初めて導入した時、政府は個々の商品に消費税をプラスするのではなく、1回の買い物の総額(本体価格)に3%の消費税をかけることを指示した。実はこのときには、この政府の政策には私は疑問を抱いたことはなかった。こうした政策に私が疑問を抱いたのは、安倍政権になって消費税が8%に増税された時だ。安倍政権による8%増税の前に、橋本政権による5%増税があった。いかに政府の税制がでたらめでめちゃくちゃかは、このとき明らかになった。そのでたらめさに、メディアは気付かなかったのか。
実は、竹下内閣時の3%消費税導入時期には、すでに書いたように1回の買い物の総額に対して3%の消費税を加算するという「外税方式」だった。が、橋本内閣時に消費税を5%に増税した時、なぜか政府は「内税方式」を指示した。実は「内税方式」の方が消費者にとっては有利になり、国の税収は「外税方式」よりも減るのだが、そのことに気づいたメディアはゼロだった。むしろ「内税方式にすることによって、今後の増税をやりやすくするのが狙いだ」と、アホみたいな論評を重ねた。ネットで検索すると、この時期、NHKは『NHKスペシャル』や『クローズアップ現代』で増税を必死にバックアップしていたようだ。日本の将来のために必要な増税なら、私も反対しない。現にこの稿の冒頭でも、私は必ずしも消費税増税に反対の立場ではないと明言している。ただ、増税によって低所得層に痛みを強いるなら、増税されても生活が困窮したりしない富裕層や内部留保がめっちゃ貯め込んでいる大企業にも、相応の痛みを伴う税制であってほしいと言っているだけだ。
さて、メディアが一切報道しない「外税方式」と「内税方式」の違い、コンビニのチェーン店や中小零細小売業者へのキャッシュレスポイント還元のマジックを解き明かそう。橋本内閣の時の消費税5%増税の時はメディアの「今後の増税をやりやすくするため」という主張に私もそれほど違和感を覚えたわけではない。私が強烈に違和感を覚えたのは安倍内閣による8%増税時である。この増税時に、政府は再び「外税方式」に変更した。その結果、スーパーなどでは商品ごとに本体価格と税込み価格の二重表示をすることになった(竹下内閣の3%導入時には本体価格しか表示していない)。
問題は本体価格と税込み価格の二重表示の在り方にあった。これは実際に私が体験したことなのでウソも偽りもない。あるスーパーで、本体価格98円(税込み価格105円の表示)を2個買った。「レジで支払おうとすると、211円です」と言われた。「そんな馬鹿な」と私は思った。それまで内税方式に慣れていたから、105×2=210円だろうと勝手に思っていたからだ。が、外税方式だと、98×2×1.08=211.168で、消費税込み支払額は小数点以下切り捨てで211円になるのだ。で、私は1個ずつ買うことにしたら、98×1.08=105.84で、小数点以下切り捨てで1個105円。2個で110で、しかもレジ袋は最初の1個分だけで2個目はレジ袋不要で2ポイント(2円分)のサービスまでついた。はっきり言うと、消費税が10%に増税されても、買い物は1個ずつ別々に清算した方が絶対有利だ。消費者ができる反乱は、それくらいしかない。スーパーやコンビニはレジ対応で大混乱するだろうけどね。
最後のいたちっぺを書く。なぜ消費税増税とキャッシュレス化をセットでやるのか。政府の狙いをメディアも、超有名な経済学者の竹中先生も全くご存じない。久しぶりに長いブログを書いたので、私も疲労困憊している。できるだけ簡潔に書きたい。政府のキャッシュレス化推進の方針は、まともに受け取ってはいけない。来年の東京オリンピックに外国人がたくさん来日するから、外国人の利便性を図るためというのが表向きに理由だ。本当か? 実はカード決済のほうが有利だという国は、先進国では私が知る限り日本だけだ。一般の利用者はあまり知らないかもしれないが、デパートや量販店、スーパー、コンビニなどでカード決済する場合、カード会社(信販会社)に支払う手数料(ほぼ3%台)は、日本では小売店側が負担している。当然、日本では小売価格にカード決済に伴う手数料が上乗せされている。海外ではカードで支払う場合、手数料は消費者が支払うケースの方が多い。さらに、海外でカード決済する場合、小売店がカード会社との間で決済する場合は、その時点での為替相場で手数料が変わる。また為替手数料も、小売店が勝手に決めているから、海外でカード決済する場合は消費者はかなり不利になるケースの方が多い。そういう事実をメディアが知らないわけがないのだが、なぜか一切報道しない。
はっきり言えば政府がキャッシュレス化を進めたい理由は海外からの観光客のためではない。だいいち、海外からの観光客が住宅街の八百屋とか魚屋、肉屋で買い物をするか? 海外からの観光客が買い物をする店はデパートや量販店など、すでにキャッシュレス対応をしている小売業者が大半だ。せいぜい観光地の現金商売しかしていない吹けば飛ぶような土産物店や名物食品の販売店くらいだろう。
政府はつねに、本当の狙いではなく、国民をだましやすい理由を並べ立てる。「日本は海外に比べてキャッシュレス化が遅れている」と宣伝すれば、「キャッシュレス化が消費者にとってプラスになるのかマイナスになるのか」と考えずに、「世界の流れに遅れては困る」と消費者も小売業者も思い込んでしまう。はっきり言えば、政府の目的は「益税」零細小売店のあぶり出しである。すでに書いたが、竹下内閣が消費税を導入した時、年商3000万円以下の事業者に対して「消費税を預からなくてもいいよ」という特例を実施した。いまはその特例は年商1000万円以下まで下げられたが、屋台のような超零細業者は別にして、一応店舗を構えて営業している小売業者で、年商1000万円以下というケースは常識的にあり得ないと思う。こうした零細業者が、消費者から消費税を預かっておきながら、それをポッポに入れてしまう。それは許せない、と私も思う。特に悪質なのは、橋本内閣の時に「内税方式」にした価格を、安倍内閣時に8%に増税した途端、本体価格に8%の消費税を預かるならまだしも、5%の内税価格を本体価格であるかのようにごまかして、さらに8%の消費税を加算する業者が氾濫したことだ。そういうこすい業者は、私も許せないと思うし、政府の消費税増税とセットでコンビニのフランチャイズ店と中小小売業に対して、キャッシュレス決済に伴うポイント還元制度の導入と、キャッシュレス対応レジスターの導入に政府が多額の補助金を出すことにしたのも、「益税」小売業者のあぶり出しが本当の目的なのだ。そのことをメディアはわかっていて報道しないのであれば、メディアはもはや民主主義の砦ではないし、わからないから報道できなかったとしたら、メディアは廃業したほうがいい。
【追記】このブログをアップした後、国税庁の消費税担当者に電話した。竹下内閣が消費税を導入した時(3%)、消費税は「外税方式」だった。橋本内閣が消費税を5%に増税した時、政府は小売業者に「内税方式」を命じた。私は単純な消費者に過ぎないから、業者間での取引については「外税方式」を続けたのか、あるいは業者間の取引にも「内税方式」にしたのかはわからない。
業者間取引については関心がないので、消費者がスーパーなどで買う時のケースだけ考えた。で、今回のブログをアップした後(本当はブログをアップする前に国税庁に問い合わせるべきだった)、なぜ安倍内閣が8%増税したとき再び「外税方式」に変えたのかの疑問を国税庁にぶつけるべきだったと、いまは反省している。ま、私自身の反省をともかく、今回のブログをアップした後、国税庁は税制(税率ではない)をなぜ変えたのか、これまでどのメディアもその問題を追及したことがないので、ふと国税庁に聞いてみることにした。私の疑問に対応した国税庁消費税課の職員の名前はここでは伏せる。あまりにもアホすぎて、名前を明らかにすることがかわいそうになったからだ。
仮にその職員の名前をAとする。はっきり言ってAは「外税方式」と「内税方式」の違いをまったく分かっていなかった。Aは「外税か内税かは小売業者の価格表示の違いだけで、実際の消費税は変わっていないはずです。小売業者に対して価格表示の方法を政府が指示したわけではありません」と答えた。すでにブログ本文で書いたように内税と外税では消費者が納める税額に差が生じる。そんなことすら国税庁の消費税課の職員は理解していないことが明らかになった。もう私は泣きたくなった。以上(15日記す)
消費税を日本で初めて導入したのは竹下内閣の時で3%だった。消費税導入の動きはそれまでも何回かあったが、国民の反発が強く実現できなかった。消費税は「間接税」、所得税は「直接税」と言われるが、竹下内閣が消費税を導入するまでは日本の税収はほぼ直接税に頼ってきた(酒税やたばこ税、自動車関連税などを除く)。それは戦後の所得税制が累進性の高いシャウプ税制を維持してきたからである。そこで竹下内閣が消費税を導入するために使ったレトリックが「高額所得者は有能な人たちだ。その人たちが働く意欲を失う」というものだった。このレトリックを当時のメディアが支持してしまった。橋本内閣の時の5%増税でも同じレトリックが使われた。その結果、現在の所得税制がつくられたのである。
その結果、日本の所得税制は先進国で高額所得者にとって最も有利な税制になった。そのことにようやく気付いたのが、皮肉なことに安倍内閣だった。日本の高額給与所得者の給与所得控除が他の先進国に比べて優遇されすぎていることを明らかにしたのだ。で、安倍内閣は高額給与所得者の給与所得控除の減額に踏み切った。この処置に猛反発したのが読売新聞。社説で「日本の消費が停滞する」と批判した。社説は論説委員が書く。当然高額給与所得層だ。どうせ反対するなら「私たちの働く意欲が失われる」と書けばよかったのに…。安倍さんが側近に「私は結構リベラルなんだよ」と言ったという話があるが、安倍さんの頭の中にはそのことがあったのかもしれない。
いずれにせよ、これからの日本(だけでなく先進国共通のことだが)の労働力人口(あるいは生産人口)の消費力は減少を続ける。そうした中でどうやって後世の世代に財政赤字の付けを回さずに財政の健全化を図るかは、直間比率だけでなく、所得税体系や相続税、贈与税の在り方も含めて税体系そのものを抜本的に見直す必要がある。財政の要諦は「入るを図りて出ずるを制す」だが、「入る」は消費税増税だけしか視野に入れず、「出る」ほうは高齢者への福祉を削減することだけでいいのか、野党やメディアにも税と社会保障についての根本的な政治哲学が試されている。
次に軽減税率を導入したことだ。公明党が人気取りのために軽減税率導入にこだわったためだ。消費税導入の先進国であるヨーロッパ(ヨーロッパ諸国は消費税ではなく付加価値税)は食料品などの軽減税率を採用しているが、様々の矛盾が噴出し、いま問題化されている。公明党はなんでもヨーロッパのほうが進んでいるとでも考えているのだろうか。
すでに述べたように消費税は逆進税制である。高額所得者も低所得者も同率の税負担をしなければならないからだ。ただでさえ逆進性が大きい消費税に軽減税率を導入したらどうなるか。高額所得者は見向きもしないだろうオージビーフの切り落としも、低所得者には手が出せない国産ブランド牛のサーロインやひれ肉も等しく軽減税率の恩恵を受ける。つまり逆進性がさらに高まるのが軽減税率制度だ。あっ、そうか。公明党はそれが狙いだったのか。自分たちが食べる高級食材を安く買えるようにすることが目的だったのか。
低所得層のために食料品の軽減税率を導入するというなら、低所得層に対して恒久的な給付金制度を設けるほうが増税による消費減少を防ぐことができるし、もともと今回の消費税増税は膨れ上がる社会保障費をまかなうことが目的のはずだから、給付金制度のほうが増税目的にも合致する。そのくらいの理屈は馬鹿でもチョンでも理解できるはずだ。
さらに弁当などを「持ち帰る」場合と「イート・イン」で税率が変わるというのもおかしい。そもそもかつては蕎麦屋やラーメン屋でも、外食は「贅沢」という時代があった。若い人たちは知らないだろうが、私が小学生だったころはソフトクリームは蕎麦屋の専売品だった。力道山のプロレスや巨人阪神戦を見るため(当時はテレビは高級品でサラリーマンの父には手が出なかった)、近所のお蕎麦屋さんに連れて行ってもらったことを覚えている。コンビニやスーパーで安い弁当を食べるのが贅沢な食事だと、政治家や官僚は本当に思っているのか。自分たちが毎日のように通っている高級料亭と、普通の庶民のコンビニやスーパーでのイート・イン食事が同じ贅沢だと思う感覚が私には理解できない。
はっきり言えば、この問題は簡単に解決できる。飲食に伴う店側のサービスが伴うか否かで区別すればいいだけのことだ。ファミレスでも食事や飲み物をテーブルまで運んでくれる場合は税率10%でいいが、セルフサービスのドリンクバーは軽減税率を適用すればいい。また宅配は自宅まで運んでもらうのだから税率10%を適用すべきだろう。つまり飲食に伴うサービスの有無によって税率を変えればいいだけのことで、セルフサービスの水やお茶すらペットボトルの商品を買わなければならないコンビニやスーパーでのイート・インが贅沢な食事かどうか、自分で試してみたらいい。
食料品もさることながら、摩訶不思議な軽減税率対象商品もある。「週2回以上発行の定期刊行物の定期購読商品」が軽減税率の対象になるというのだ。事実上、この条件に該当するのは日刊の新聞だけである。もちろん週刊誌や月刊誌は対象外だし、新聞の場合も自宅や会社、事務所などで定期購読(つまり宅配新聞)のみということになる。公共放送で契約が法律で義務付けられているNHKの受信料は軽減対象にはならない(ただしNHKは増税分を受信料に上乗せせず、NHKが負担するというが、ということはこれまでNHKは受信料をぼりすぎていたことを意味しないか?)。新聞軽減税率を主導したのは読売新聞らしいが、実際同紙は15年12月20日付の社説で、「見過ごせないのは枝野(幸男)氏=現立憲民主党党首=が新聞の軽減税率適用に関して『新聞よりも水道や電気が必需品だ』と発言していることだ。民主主義や活字文化を支える重要な公共財である新聞や出版物に対する理解を欠いていると言わざるを得ない」と主張した。ご都合主義もいいことに、宅配新聞だけが軽減対象になって以降、他の出版物も軽減対象にせよとの主張を見たことはない。最低限、軽減税率についての論理的整合性を重視するなら、新聞本体の価格と宅配料金を別建てにして、宅配業者(新聞販売店)は中小零細業者だから、宅配料金に対しては軽減税率の適用(あるいはキャッシュレス・ポイント還元)を要求するなら理解できる。さらに言えば、「公共財」としての民主主義や活字文化を守る義務は国民にあり、新聞社ではない。国民が新聞を見捨てるとしたら、それは国民の意志であり、新聞がその責務を果たしていないという判断を国民が下した結果である。ま、新聞社が政府が与えた(あるいは新聞社が政府におねだりした)甘い餌に食いついて、自ら民主主義の砦としての責務を放棄したのが本音だと、私は思っている。今後も消費税増税は避けられない。その時、新聞は民主主義を破壊するための特攻隊になることも、疑いを容れない。いったん権力にすり寄って甘い汁を吸った新聞は、今後も権力と二人三脚で歩んでいくしかないからだ。
最後にキャッシュレス決済に伴うポイント還元の問題だ。これほど訳が分からない「景気対策」は聞いたこともない。そもそも消費税増税と同時にキャッシュレス化を進める必要がなぜあるのかという政府の説明が全くない。日本がキャッスレス化をなぜ進めなければならないかの説明も、「諸外国に比して日本は遅れているから」というだけだ。なぜ現金決済が悪いのか、私には全く分からない。実を言うと、私はクレジットカードでの決済ができる店では基本的にカードで支払う。小銭を財布に入れるのが嫌だからだ。それにカードで支払えばポイントもたまる。しかし、カード支払いに不安を持っている人、特に高齢者も少なくないようだ。政府がキャッシュレス決済を推奨する以上、キャッシュレス決済によるすべてのトラブルは政府が責任を持たなければならない。当たり前の話だろう。野党もメディアも、どうしてそういう素朴な疑問を持たないのだろうか?
著名な経済学者の竹中平蔵氏も、この問題では大混乱している。キャッシュレスは必要だと主張したかと思えば、キャッシュレス化を進めようとする政府の思惑はかねの流れをつかむことだと否定的な主張もしている。まずキャッシュレス化がなぜ必要なのかは、政府も竹中氏も説明していない。世界の先進国の多くがキャッシュレス化が進んでいるから日本も追従すべきだというなら、私は疑問を抱かざるを得ない。現金決済主義かクレジットカード決済主義かは、それぞれの国の文化の反映だと思うからだ。正直、私も日本社会になぜ現金決済主義の文化が根付いたのかはわからない。多分それなりの歴史的背景があってのことではないかと思うだけだ。実は私は現金決済主義者ではない。ポケットに1円玉や5円玉、10円玉をじゃらじゃら入れたくないから、コンビニでペットボトルの飲料を買う場合でもカードで支払う。だからキャッシュレスに反対するわけではないが、なぜ消費税増税とセットでキャッシュレス化を政府が進めようとしているのか、メディアは軽減税率の甘い汁を飲んでしまったせいか、なぜか問題提起をしない。民放はすべて新聞社系だから何も言えないかもしれないが、NHKくらいは「おかしい」と疑問を提起してもらいたい。次に竹中氏の説は、もっとおかしい。国民皆背番号制と同様に国民のかねの流れをつかむためにキャッシュレス決済のポイント還元をするというなら、ポイント還元の対象をコンビニのフランチャイズ店や中小小売店に限定したことはばかばかしいほどの矛盾だ。私のような貧困者はいくら調べられても痛くもかゆくもない。私が可能な店ではカード決済しているのは、すでに述べたようにポケットに小銭をじゃらじゃら貯めるのが嫌だからだけだ。だからカード決済の中身を税務署にいくら調べられても痛くもかゆくもない。本当に政府が富裕層のかねの流れ(例えば竹中氏のような)をチェックするのであれば、例えば1万円以上の決済はデパートであろうと貴金属店であろうと、あるいは銀座の高級クラブであろうと、すべてキャッシュレス決済を義務付ければいいだけの話だ。
政府がキャッシュレス決済によるポイント還元という「エビ・タイ」を導入したのは、竹中氏が言うように国民のかねの流れをつかむためではない。実は竹下内閣が消費税(3%)を導入した時、中小零細企業対策として売上高3000万円以下の事業者は「消費税をとらなくてもいいよ」という特例を設けた。消費税は事業者の利益ではなく、買い物客からの預かり金である。本来なら消費者が確定申告で、「今年、これだけ買いました。ついては消費金額総額の3%を国に納付します」というのが理想的な納税方法だ。が、国民を信用していない政府は納税義務を小売業者に背負わせることにした。その場合、中小零細小売店の労働負担を考慮してか(?)、3000万円以下の業者に対して「消費税を預からなくてもいいよ」(「貰ってもいいよ」ではない)という特例を設けた。そういうバカな処置をした結果、「益税」業者が爆増した。当たり前の話だ。
政府の消費税政策がいかにでたらめでめちゃくちゃかを、竹中先生はまったくご存じないようだ。それで経済学者面をしているのだからあきれ果てて物も言えない、と言いたいのだが、やはり言うべきことは言わなければならない。実は竹下内閣が消費税を初めて導入した時、政府は個々の商品に消費税をプラスするのではなく、1回の買い物の総額(本体価格)に3%の消費税をかけることを指示した。実はこのときには、この政府の政策には私は疑問を抱いたことはなかった。こうした政策に私が疑問を抱いたのは、安倍政権になって消費税が8%に増税された時だ。安倍政権による8%増税の前に、橋本政権による5%増税があった。いかに政府の税制がでたらめでめちゃくちゃかは、このとき明らかになった。そのでたらめさに、メディアは気付かなかったのか。
実は、竹下内閣時の3%消費税導入時期には、すでに書いたように1回の買い物の総額に対して3%の消費税を加算するという「外税方式」だった。が、橋本内閣時に消費税を5%に増税した時、なぜか政府は「内税方式」を指示した。実は「内税方式」の方が消費者にとっては有利になり、国の税収は「外税方式」よりも減るのだが、そのことに気づいたメディアはゼロだった。むしろ「内税方式にすることによって、今後の増税をやりやすくするのが狙いだ」と、アホみたいな論評を重ねた。ネットで検索すると、この時期、NHKは『NHKスペシャル』や『クローズアップ現代』で増税を必死にバックアップしていたようだ。日本の将来のために必要な増税なら、私も反対しない。現にこの稿の冒頭でも、私は必ずしも消費税増税に反対の立場ではないと明言している。ただ、増税によって低所得層に痛みを強いるなら、増税されても生活が困窮したりしない富裕層や内部留保がめっちゃ貯め込んでいる大企業にも、相応の痛みを伴う税制であってほしいと言っているだけだ。
さて、メディアが一切報道しない「外税方式」と「内税方式」の違い、コンビニのチェーン店や中小零細小売業者へのキャッシュレスポイント還元のマジックを解き明かそう。橋本内閣の時の消費税5%増税の時はメディアの「今後の増税をやりやすくするため」という主張に私もそれほど違和感を覚えたわけではない。私が強烈に違和感を覚えたのは安倍内閣による8%増税時である。この増税時に、政府は再び「外税方式」に変更した。その結果、スーパーなどでは商品ごとに本体価格と税込み価格の二重表示をすることになった(竹下内閣の3%導入時には本体価格しか表示していない)。
問題は本体価格と税込み価格の二重表示の在り方にあった。これは実際に私が体験したことなのでウソも偽りもない。あるスーパーで、本体価格98円(税込み価格105円の表示)を2個買った。「レジで支払おうとすると、211円です」と言われた。「そんな馬鹿な」と私は思った。それまで内税方式に慣れていたから、105×2=210円だろうと勝手に思っていたからだ。が、外税方式だと、98×2×1.08=211.168で、消費税込み支払額は小数点以下切り捨てで211円になるのだ。で、私は1個ずつ買うことにしたら、98×1.08=105.84で、小数点以下切り捨てで1個105円。2個で110で、しかもレジ袋は最初の1個分だけで2個目はレジ袋不要で2ポイント(2円分)のサービスまでついた。はっきり言うと、消費税が10%に増税されても、買い物は1個ずつ別々に清算した方が絶対有利だ。消費者ができる反乱は、それくらいしかない。スーパーやコンビニはレジ対応で大混乱するだろうけどね。
最後のいたちっぺを書く。なぜ消費税増税とキャッシュレス化をセットでやるのか。政府の狙いをメディアも、超有名な経済学者の竹中先生も全くご存じない。久しぶりに長いブログを書いたので、私も疲労困憊している。できるだけ簡潔に書きたい。政府のキャッシュレス化推進の方針は、まともに受け取ってはいけない。来年の東京オリンピックに外国人がたくさん来日するから、外国人の利便性を図るためというのが表向きに理由だ。本当か? 実はカード決済のほうが有利だという国は、先進国では私が知る限り日本だけだ。一般の利用者はあまり知らないかもしれないが、デパートや量販店、スーパー、コンビニなどでカード決済する場合、カード会社(信販会社)に支払う手数料(ほぼ3%台)は、日本では小売店側が負担している。当然、日本では小売価格にカード決済に伴う手数料が上乗せされている。海外ではカードで支払う場合、手数料は消費者が支払うケースの方が多い。さらに、海外でカード決済する場合、小売店がカード会社との間で決済する場合は、その時点での為替相場で手数料が変わる。また為替手数料も、小売店が勝手に決めているから、海外でカード決済する場合は消費者はかなり不利になるケースの方が多い。そういう事実をメディアが知らないわけがないのだが、なぜか一切報道しない。
はっきり言えば政府がキャッシュレス化を進めたい理由は海外からの観光客のためではない。だいいち、海外からの観光客が住宅街の八百屋とか魚屋、肉屋で買い物をするか? 海外からの観光客が買い物をする店はデパートや量販店など、すでにキャッシュレス対応をしている小売業者が大半だ。せいぜい観光地の現金商売しかしていない吹けば飛ぶような土産物店や名物食品の販売店くらいだろう。
政府はつねに、本当の狙いではなく、国民をだましやすい理由を並べ立てる。「日本は海外に比べてキャッシュレス化が遅れている」と宣伝すれば、「キャッシュレス化が消費者にとってプラスになるのかマイナスになるのか」と考えずに、「世界の流れに遅れては困る」と消費者も小売業者も思い込んでしまう。はっきり言えば、政府の目的は「益税」零細小売店のあぶり出しである。すでに書いたが、竹下内閣が消費税を導入した時、年商3000万円以下の事業者に対して「消費税を預からなくてもいいよ」という特例を実施した。いまはその特例は年商1000万円以下まで下げられたが、屋台のような超零細業者は別にして、一応店舗を構えて営業している小売業者で、年商1000万円以下というケースは常識的にあり得ないと思う。こうした零細業者が、消費者から消費税を預かっておきながら、それをポッポに入れてしまう。それは許せない、と私も思う。特に悪質なのは、橋本内閣の時に「内税方式」にした価格を、安倍内閣時に8%に増税した途端、本体価格に8%の消費税を預かるならまだしも、5%の内税価格を本体価格であるかのようにごまかして、さらに8%の消費税を加算する業者が氾濫したことだ。そういうこすい業者は、私も許せないと思うし、政府の消費税増税とセットでコンビニのフランチャイズ店と中小小売業に対して、キャッシュレス決済に伴うポイント還元制度の導入と、キャッシュレス対応レジスターの導入に政府が多額の補助金を出すことにしたのも、「益税」小売業者のあぶり出しが本当の目的なのだ。そのことをメディアはわかっていて報道しないのであれば、メディアはもはや民主主義の砦ではないし、わからないから報道できなかったとしたら、メディアは廃業したほうがいい。
【追記】このブログをアップした後、国税庁の消費税担当者に電話した。竹下内閣が消費税を導入した時(3%)、消費税は「外税方式」だった。橋本内閣が消費税を5%に増税した時、政府は小売業者に「内税方式」を命じた。私は単純な消費者に過ぎないから、業者間での取引については「外税方式」を続けたのか、あるいは業者間の取引にも「内税方式」にしたのかはわからない。
業者間取引については関心がないので、消費者がスーパーなどで買う時のケースだけ考えた。で、今回のブログをアップした後(本当はブログをアップする前に国税庁に問い合わせるべきだった)、なぜ安倍内閣が8%増税したとき再び「外税方式」に変えたのかの疑問を国税庁にぶつけるべきだったと、いまは反省している。ま、私自身の反省をともかく、今回のブログをアップした後、国税庁は税制(税率ではない)をなぜ変えたのか、これまでどのメディアもその問題を追及したことがないので、ふと国税庁に聞いてみることにした。私の疑問に対応した国税庁消費税課の職員の名前はここでは伏せる。あまりにもアホすぎて、名前を明らかにすることがかわいそうになったからだ。
仮にその職員の名前をAとする。はっきり言ってAは「外税方式」と「内税方式」の違いをまったく分かっていなかった。Aは「外税か内税かは小売業者の価格表示の違いだけで、実際の消費税は変わっていないはずです。小売業者に対して価格表示の方法を政府が指示したわけではありません」と答えた。すでにブログ本文で書いたように内税と外税では消費者が納める税額に差が生じる。そんなことすら国税庁の消費税課の職員は理解していないことが明らかになった。もう私は泣きたくなった。以上(15日記す)
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