前回(3月23日)投稿したブログが炎上してしまった。未だに燃え広がり続けているのだが、昨日(5日午前)に菅官房長官が沖縄返還記念式典に菅官房長官が出席し、その後那覇市内のホテルで翁長知事と約1時間にわたり会談した。
そのことが明らかになったのは4月1日で、NHKはニュース7で武田アナウンサーが「普天間基地移設計画に反対する翁長知事」とアナウンスした。
私は直ちにNHKふれあいセンターの上席責任者に抗議の電話をした。翁長知事は「世界一危険な基地」と言われている普天間基地の移設に反対したことなど一度もない。翁長知事は普天間基地の移設先について、県外に移設してくれと言ってきただけだ。
もちろん「普天間基地移設計画に反対する」という武田氏のアナウンスは彼独自の判断によるものではない。武田氏はあらかじめ用意されていた原稿を棒読みしただけだ。NHK報道局の政府寄り姿勢が改めて明確になった報道だった。
すでに菅・翁長両氏の会談内容は読者の方はご存じのはずだ。会談の席上、菅氏は「日米同盟の抑止力維持を考えたとき、辺野古移設に協力してほしい」と、無理を承知で申し入れた。翁長氏は「辺野古への移設は絶対に認められない。それが県民の意志だ」と、これも分かりきった返答をした。
菅氏はなおも「抑止力、普天間飛行場の危険除去を考えたとき、辺野古移設は唯一の解決策だ」と迫った。「辺野古への移設が不可能になると、普天間基地の固定化につながる。関係法令に基づき、環境などに配慮しながら、粛々と続ける」と、沖縄県民に対する事実上の「宣戦布告」を通告した。
70年前、沖縄県民の4分の1が当時の日本政府の方針によって犠牲になった。沖縄県民の4分の1を直接的に殺したのは米軍だが、今度は日本政府が自衛隊を動員して沖縄県民を相手に戦争をするとでも言うのか。もちろん沖縄にアメリカの州兵のような軍隊はない。軍事力と言えるかどうかは別だが、多少の防衛力を持っているとしたら沖縄県警機動隊だ。もし安倍政権があくまで実力で辺野古移設を強行しようとしたら、翁長知事は沖縄県警機動隊に実力で阻止する命令を出すだろう。
翁長氏は会談の席上、昨年の名護市長選や知事選、総選挙のすべてで辺野古移設反対派が勝利したことを踏まえ「県民の圧倒的な反対の意思が示された」と反発、「危険除去のために『沖縄県で負担しろ』という話をすること自体が日本政治の堕落ではないか」と政府の姿勢を批判した。
普天間基地の移設問題についての話し合いを今後も継続することについては、両氏はいちおう合意したが、どう考えても落としどころはない。安倍政権が辺野古移設を断念する以外、日本政府と沖縄県の対立は絶対に解けない。
翁長知事はすでに3月23日、辺野古基地建設作業の停止を防衛省沖縄防衛局に指示している。この知事の決定に対して政府は、林芳正農林水産相が防衛局の申し立てを認めて知事指示の効力を止める決定を行い、建設作業を強行する姿勢を明らかにしている。
が、もし自衛隊が「粛々と」建設作業を強行するために出てくるようなことがあったら、おそらく翁長知事は建設作業阻止のために、沖縄県警機動隊に出動命令を出すだろう。安倍総理は、翁長知事がそこまで腹をくくっていることを覚悟しておいた方がいい。
私は、3月3日に投稿したブログ 『民主主義とは何かがいま問われている⑩――沖縄の声がなぜ国政に反映されないのか?』 でこう書いた。
たとえば普天間基地の移設問題。沖縄県民の総意は先の総選挙でも県知事選でも明確に示された。が、政府は沖縄県民の声に耳を貸そうともしない。せめて調査会(※衆議院選挙制度に関する調査会=衆院議長の諮問機関。座長は佐々木敦・元東大総長)の「9増9減」案に悲鳴を上げた自民党の地方選出議員だけでも、地方の声を国政に反映させるべく、政府の強硬姿勢に猛反発してくれないか。
私は沖縄県民ではないが、私が沖縄県民だったら「日本国からの分離独立」を主張する。もともと沖縄県民は琉球王朝を繁栄させてきた独自の民族である。いまは完全に日本人(大和民族)と同化しているので、私も本気で沖縄の分離独立説を唱えたいわけではないが、少なくともそのくらいの声を上げることによって沖縄県民は「特別自治県」としての地位を獲得すべきだとは思っている。
沖縄は気候や自然に恵まれ、特別自治県としての地位を獲得すれば米軍基地に伴う需要や政府からの経済援助に頼らなくても、観光と自由貿易圏として経済的に十分独立してやっていける。地方自治の拡大を唱える人は多いが、沖縄の基地問題についてはほとんど口をつぐんでいる。地方自治の拡大を唱える以上、民主主義の在り方についても問われていることを自覚してもらいたい。
NHKは毎月最初の土日に政治意識に関する全国世論調査を行う。今月の場合は4,5の2日にわたって電話での調査を行うはずだったが、11,12の来週に延ばしたようだ。もちろん菅・翁長両氏の会談の結果が明らかになるまで調査を見送ることにしたと思われる。5日のニュース7でも、きわめて公平に政府と沖縄の対立を扱った。
紙メディアはどう扱ったか。朝日新聞は1面トップの報道だけでなく、「時々刻々」と社説でも大きく扱った。朝日新聞は社説の書き出しでこう書いた。
「積もり積もったものを吐き出さずにはいられない。これまでの政府の対応を『政治の堕落』とまで言い切った翁長雄志沖縄県知事には、そんな強い思いがあったのだろう。 菅官房長官との初の会談に臨んだ翁長氏の言葉を、国民全
体で受け止めたい」
さらにこうも書いた。「戦後70年間、沖縄の米軍基地撤去のために、政府がどれほどの努力をしてきたのか。日本の安全保障政策はつねに基地負担にあえぐ沖縄の犠牲の上で成り立ってきた現実を、いまこそ国民に見つめてほしい。翁長氏の指摘は、そんな重い問いかけだととらえるべきだ」
一方読売新聞は単に会談の内容を報道しただけだった。それどころか、会談が行われる前の3~5日にかけて全国世論調査を行った。調査結果は辺野古移設を決めた安倍内閣の方針を「評価する」とした人は41%で、「評価しない」の41%と拮抗した。あえてNHKすら見送った会談前の世論調査を、会談前に行った読売新聞の姿勢が浮き彫りになったと言えよう。
安倍内閣は、民主主義政治の大原則を踏みにじろうとしているかに見える。それどころか、中央集権政治の時代に日本を先祖帰りさせようとしているかにさえ見える。すでに統一地方選は火ぶたを切った。自民党から立候補した人たちは苦戦を強いられることになる。
安倍さん、分かっているのだろうね…。
そのことが明らかになったのは4月1日で、NHKはニュース7で武田アナウンサーが「普天間基地移設計画に反対する翁長知事」とアナウンスした。
私は直ちにNHKふれあいセンターの上席責任者に抗議の電話をした。翁長知事は「世界一危険な基地」と言われている普天間基地の移設に反対したことなど一度もない。翁長知事は普天間基地の移設先について、県外に移設してくれと言ってきただけだ。
もちろん「普天間基地移設計画に反対する」という武田氏のアナウンスは彼独自の判断によるものではない。武田氏はあらかじめ用意されていた原稿を棒読みしただけだ。NHK報道局の政府寄り姿勢が改めて明確になった報道だった。
すでに菅・翁長両氏の会談内容は読者の方はご存じのはずだ。会談の席上、菅氏は「日米同盟の抑止力維持を考えたとき、辺野古移設に協力してほしい」と、無理を承知で申し入れた。翁長氏は「辺野古への移設は絶対に認められない。それが県民の意志だ」と、これも分かりきった返答をした。
菅氏はなおも「抑止力、普天間飛行場の危険除去を考えたとき、辺野古移設は唯一の解決策だ」と迫った。「辺野古への移設が不可能になると、普天間基地の固定化につながる。関係法令に基づき、環境などに配慮しながら、粛々と続ける」と、沖縄県民に対する事実上の「宣戦布告」を通告した。
70年前、沖縄県民の4分の1が当時の日本政府の方針によって犠牲になった。沖縄県民の4分の1を直接的に殺したのは米軍だが、今度は日本政府が自衛隊を動員して沖縄県民を相手に戦争をするとでも言うのか。もちろん沖縄にアメリカの州兵のような軍隊はない。軍事力と言えるかどうかは別だが、多少の防衛力を持っているとしたら沖縄県警機動隊だ。もし安倍政権があくまで実力で辺野古移設を強行しようとしたら、翁長知事は沖縄県警機動隊に実力で阻止する命令を出すだろう。
翁長氏は会談の席上、昨年の名護市長選や知事選、総選挙のすべてで辺野古移設反対派が勝利したことを踏まえ「県民の圧倒的な反対の意思が示された」と反発、「危険除去のために『沖縄県で負担しろ』という話をすること自体が日本政治の堕落ではないか」と政府の姿勢を批判した。
普天間基地の移設問題についての話し合いを今後も継続することについては、両氏はいちおう合意したが、どう考えても落としどころはない。安倍政権が辺野古移設を断念する以外、日本政府と沖縄県の対立は絶対に解けない。
翁長知事はすでに3月23日、辺野古基地建設作業の停止を防衛省沖縄防衛局に指示している。この知事の決定に対して政府は、林芳正農林水産相が防衛局の申し立てを認めて知事指示の効力を止める決定を行い、建設作業を強行する姿勢を明らかにしている。
が、もし自衛隊が「粛々と」建設作業を強行するために出てくるようなことがあったら、おそらく翁長知事は建設作業阻止のために、沖縄県警機動隊に出動命令を出すだろう。安倍総理は、翁長知事がそこまで腹をくくっていることを覚悟しておいた方がいい。
私は、3月3日に投稿したブログ 『民主主義とは何かがいま問われている⑩――沖縄の声がなぜ国政に反映されないのか?』 でこう書いた。
たとえば普天間基地の移設問題。沖縄県民の総意は先の総選挙でも県知事選でも明確に示された。が、政府は沖縄県民の声に耳を貸そうともしない。せめて調査会(※衆議院選挙制度に関する調査会=衆院議長の諮問機関。座長は佐々木敦・元東大総長)の「9増9減」案に悲鳴を上げた自民党の地方選出議員だけでも、地方の声を国政に反映させるべく、政府の強硬姿勢に猛反発してくれないか。
私は沖縄県民ではないが、私が沖縄県民だったら「日本国からの分離独立」を主張する。もともと沖縄県民は琉球王朝を繁栄させてきた独自の民族である。いまは完全に日本人(大和民族)と同化しているので、私も本気で沖縄の分離独立説を唱えたいわけではないが、少なくともそのくらいの声を上げることによって沖縄県民は「特別自治県」としての地位を獲得すべきだとは思っている。
沖縄は気候や自然に恵まれ、特別自治県としての地位を獲得すれば米軍基地に伴う需要や政府からの経済援助に頼らなくても、観光と自由貿易圏として経済的に十分独立してやっていける。地方自治の拡大を唱える人は多いが、沖縄の基地問題についてはほとんど口をつぐんでいる。地方自治の拡大を唱える以上、民主主義の在り方についても問われていることを自覚してもらいたい。
NHKは毎月最初の土日に政治意識に関する全国世論調査を行う。今月の場合は4,5の2日にわたって電話での調査を行うはずだったが、11,12の来週に延ばしたようだ。もちろん菅・翁長両氏の会談の結果が明らかになるまで調査を見送ることにしたと思われる。5日のニュース7でも、きわめて公平に政府と沖縄の対立を扱った。
紙メディアはどう扱ったか。朝日新聞は1面トップの報道だけでなく、「時々刻々」と社説でも大きく扱った。朝日新聞は社説の書き出しでこう書いた。
「積もり積もったものを吐き出さずにはいられない。これまでの政府の対応を『政治の堕落』とまで言い切った翁長雄志沖縄県知事には、そんな強い思いがあったのだろう。 菅官房長官との初の会談に臨んだ翁長氏の言葉を、国民全
体で受け止めたい」
さらにこうも書いた。「戦後70年間、沖縄の米軍基地撤去のために、政府がどれほどの努力をしてきたのか。日本の安全保障政策はつねに基地負担にあえぐ沖縄の犠牲の上で成り立ってきた現実を、いまこそ国民に見つめてほしい。翁長氏の指摘は、そんな重い問いかけだととらえるべきだ」
一方読売新聞は単に会談の内容を報道しただけだった。それどころか、会談が行われる前の3~5日にかけて全国世論調査を行った。調査結果は辺野古移設を決めた安倍内閣の方針を「評価する」とした人は41%で、「評価しない」の41%と拮抗した。あえてNHKすら見送った会談前の世論調査を、会談前に行った読売新聞の姿勢が浮き彫りになったと言えよう。
安倍内閣は、民主主義政治の大原則を踏みにじろうとしているかに見える。それどころか、中央集権政治の時代に日本を先祖帰りさせようとしているかにさえ見える。すでに統一地方選は火ぶたを切った。自民党から立候補した人たちは苦戦を強いられることになる。
安倍さん、分かっているのだろうね…。
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