新しい項目に移ります。先手三間飛車に対しての急戦を見ていきましょう。後手三間飛車に対して従来の45歩急戦の定跡は互角でしかなかったので、先手三間飛車に対してはより難しくなると予想されるところです。
定跡本としては、青野照市先生の「先手三間飛車破り」を参照します。
最初の駒組は同様です。
先手は左銀を動かす前に三間飛車に振ります。(今は76歩を突く前に78飛とするような作戦もあるのですが。)
後手が73桂と跳ねたら88飛とするのは安全策です。まあこの手の他に指しておきたい手もないから当然でしょう。後手は65歩同歩55歩と攻めてもうまくいかないので、左銀を前に出しますが
先手は1手多く指している分を47金とするのが、反撃を見た手なのです。(47金の代わりに36歩を突いても十分に戦えそうではありますが。) さて後手が仕掛けるとすれば、55歩同歩65歩57銀
64銀には54歩ではなくて56銀が正着です。
後手三間飛車の定跡を思えば、55銀同銀同角ですが、先手は58飛とまわることができます。
47金と上がっている効果はここでした。なおAIは58飛の前に75歩84飛を入れるのが正しい手順だとしています。66角ならば75歩
84飛(これで合流する)63歩同金52銀
これで先手優勢です。評価値は+781です。
途中に小さな問題があるので解決していきましょう。少し戻って、
84飛63歩には同銀も考えられるところです。
定跡本では95角83飛84銀で先手良しとされていますが、95角には75角
歩切れなので角飛交換(角歩3と飛の交換)では先手良しとは言えないようです。54銀72銀打としたら千日手なので、評価値は0近辺です。
なので先手としては
66角同歩52飛成同銀55角
これで評価値は201で先手良し。でもちょっと難しいので、AIは63歩ではなくて
64銀を推奨しています。(他に61銀51金引72銀成や52飛成同金63歩同金52銀も有力です。) この銀のねらいは63歩で、75歩にも63歩64飛62歩成同金53銀
この図の評価値は+347の先手有利です。
もう少し戻って
58飛に66角ではなくて22角とした場合は、定跡本では54飛66歩34飛33歩64飛で先手ペースとされています。AIによると63銀打34飛33歩35飛31角
この図の評価値は+100ほど。先手ペースとも言えますが、後手陣がすっきりしているのでまだ互角でしょう。
なので
ここでの最善手は65歩だというのですが、77角成同桂67飛67角57飛76角成53歩・・・まだ難しい攻防が続きます。
ということでさらに戻って
58飛の前に75歩を突くのが正しいようです。84飛に58飛22角53歩
この歩はどちらで取っても95角から攻めが続きます。42金寄52銀31金61銀不成
53銀95角として
73桂を取れる(83飛には74歩)のでほぼ先手優勢、評価値は+806あります。
記事が長くなったので、続きは明日。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます