2012紅白歌合戦、イメージ的には歌謡曲や演歌が主役な番組というイメージがあるけれど、それはつまりイコールでアイドルが活躍しやすい番組でもあるという事。その意味ではハロプロは果たして紅白ステージを上手く演出しきれていただろうか?と過去を振り返る。別にそれで良いのかもしれないけれど、基本はヲタ向けなステージだったし、視聴者は正直だから、紅白出場は新規ファン増加への起爆剤にはなり得ていなかった。
そんな事を思いながら、そういえばハロプロは一人でも多くステージに上げようとして、それが雑多な印象を与えるような結果を招いていたよなあと過去を振り返り残念な気持ちになっていた。初出場となるももいろクローバーZはそのあたりは大丈夫だろうか?スターダストには他にもアイドルグループがいる。その子達をステージに上げたりするだろうか?
その時はやってきた。
紅白のステージに立つ五人は思っていたより落ち着いているように見える。内心は心臓どきどきなのかもしれないけれど、いつも通りな五人に見える。
最新シングルからスタートするという無難な構成で始まりつつ、後半は彼女達の出世曲を持ってきた。曲自体は2012年の曲ではないけれど、この曲を歌わずにはいられないだろう。この曲に「ももクロ」の魅力が凝縮されていると言っても過言ではないのだから。だからこそ、この日初めてももいろクローバーZを観る視聴者たちに印象を残すために必要な曲なのだ。
短い祭は終わった。路上ライブ時代にこの会場の横で歌っていた事もあるというストーリーも語られ、そのストーリーを完成させるためにこの日、このステージに上がっているという事が、初めて観る人達にも伝わった。不特定多数の視聴者に観てもらうステージとしてはこれ以上ないくらいに、きっちり演出されてそのストーリーは完成した。
ステージには他のグループはいない。ももいろクローバーZの五人だけだ。
でも、この日そこに立っていたアイドルグループはももいろクローバーだったというのも事実だという事は間違いない。全てを始めた街で、全てのストーリーを完成させるために、この日ステージにはももいろクローバーが立ったのだ。
行くぜっ!怪盗少女