たくさんの花を供えるように・・

朝の目映いばかりの日差しも時間を追うごとに雲が広がり、夕方から雲が厚くなって予報どおり雨になりそうです。
それでも、お稽古が終る頃まで何とか持ってくれそうです。

今月は、総持寺前貫主大道晃仙大禅師猊下の祥月命日がもう直ぐですので、晃仙大禅師猊下に揮毫して頂いたお軸を掛けて稽古に臨みました。



雲水の托鉢画・歩々是清風の賛総持寺前貫主大道晃仙大禅師筆

さて、今日のお稽古では、先日切れなかった深山ホタルブクロやクガイソウなど、初夏の花をたくさん集めて床を飾りました。



タカノハススキ・クガイソウ・ミヤマホタルブクロ・キョウカノコ・ズイナ・イブキトラノオ・ベニガクアジサイの7種です。

中でも、3日前に咲き出したミヤマホタルブクロも今朝は躊躇する事無く切り、続いてクガイソウも一緒に切って7種にして、鵜篭に生けました。

6月に入ると鮎が解禁になりますので、それに合わせて鵜篭の花入を使いました。鵜篭は、鵜飼に活躍する「鵜」を運ぶ時に使う篭のことで、それに模して作られた花入のことをいい、この時期になるとあちこちの茶会などでも盛んに使われます。



床の間

7種の花の中でも珍しい花としては「イブキトラノオ」ですか。伊吹山で発見されそのまま命名されたのか、イブキと冠せられた名前が付いておりますが、日本全国に分布しております。



植木鉢の中で4本咲きました。

タデ科イブキトラノオ属の多年草で草原などに群生していて、ひとつ一つの花は地味ですが、出会えれば目を見張るほどの美しさです。

一昨年ですが、信州の草原でイブキトラノオを見たことがあります。キラキラと光るように風に揺れておりました。