2019年1月13日(日) 今日から妻との旅に出る。
55歳となり、5年毎に発生するリフレッシュ休暇の権利も、今年が定年前のラストチャンス。
前回50歳の時には、以前の職場の友人が移住したスウェーデンを妻と一緒に訪問した。
『瀬戸内シーカヤック日記: ストックホルムでシーカヤック_子離れ夫婦のスウェーデン旅』
今回も、かなり前から妻にいろいろと要望を聞き、妻のアメリカに行ってみたいという希望と、俺のこれまでの数少ない出張の経験なども踏まえて、今回はサンディエゴを散策することにしたのである。
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同じカリフォルニア州でも、北にあるサンフランシスコ、中間のロサンゼルス、南のサンディエゴでは、それぞれ街の雰囲気や気候も異なる。
その中でも俺は、コンパクトな街であるためツアーに参加しなくても、あるいはレンタカーなどを使わなくても、公共交通機関や徒歩で散策が楽しめ、治安も良く、街が美しいサンディエゴが一番のお気に入り。
本当なら、ジューングルーム明けの7月頃がベストシーズンではあるが、仕事のスケジュールから雨が多く寒いとも言われているこの季節を選んだのである。
初めての冬のサンディエゴ。 東海岸では雪も降るシーズンであるが、さすがにサンディエゴではそこまでではない。
雨季の旅は、どのような旅になるのだろうか?
楽しみである。
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広島空港からまずは羽田へ。

窓から外を眺めると、虹が見えた。

飛行機から見る虹は、円形なのである。
『うん、これは旅立ちから何か良い感じだね』
今日は天候にも恵まれ、大山や、

富士山も良く見えた。
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羽田から成田へバスで移動し、夕方の便を待つ。

いよいよ、サンディエゴに向けたフライト。

エコノミーではあるが、十分快適な空の旅。
9時間余りの旅も終盤となり、いよいよサンディエゴの街並みが見えてきた。

無事に降り立ち、入国審査も問題なく通過。
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タクシーでホテルへ行き、チェックインを済ませると、早速街へと繰り出した。
ホテルは、ガスランプクオーターエリアなので、とても便利である。
幸い、雨ではなく曇天のなか、歩いて海沿いへと向かい、

トラムのステーションへ。

ここで、トラムとバスの両方に使えるパスを購入。
自動販売機があるのだが、表示が親切ではなくどうやったら買えるのか分からなかったので、近くにおられたMTSの職員の方らしき人に教えてもらい、無事購入完了。
今回は、3日間パスにした。
到着したトラムに乗り込み、まずはオールドタウンへと向かう。

出張では2度ほど来ているのだが、プライベートでは初めてなので、こうやってゆっくりと観光できるのが嬉しい。

メキシコの人達によるものと思われる踊りを眺め、

タコスを購入し、

ベンチに座ってお昼ご飯。

ビールはもちろんコロナ!
サンディエゴの旅は、メキシカンな雰囲気のランチから始まった。
ランチのあとは、オールドタウンを散策。

かつてのアメリカの生活がどのようなものだったのか、その一端を垣間見させていただいた。
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再びトラムでダウンタウンに戻り、今度はシーポートビレッジへ。

ショッピングモールやレストランがいくつもあり、

景色もなかなか良い感じ。
散策していると、水陸両用車のツアーを発見。
以前出張で来た時に、街を走っているのを何度も見かけたので気になっていたのである。
本日最終ツアーということで、10人程度のお客さんが乗り込んで出発。
街を走り、スロープから海へ。

ここからは、スクリューで海を走る。

このツアーのハイライトは、シーライオン見学。

ダウンタウンのこんな近くに、野生のシーライオンが居るなんて、驚きである。
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水陸両用車で街に戻ると、ちょうどサンセットのタイミング。

これが、なんとも言えない幻想的な眺めであった。
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ホテルに戻り、しばし休憩してから晩御飯へ。
サンディエゴ初日のディナーは、日本から予約済みの『Water Grill』

静かで落ち着いた雰囲気のお店である。
まずは、ビールで乾杯!

オイスターのサンプルセット。

クラブケーキ。

フレンチフライ。

ビールを飲み、うまいオイスターを楽しみ、ワインをゴクリ。
最高の初日であった。
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二日目は、雨。

今回の旅では、雨季ということが分かっていたので、その日の天気を見ながらどこへ行くかをフレキシブルに組み替えるプラン。
『じゃあ』、ということで、今日は雨でも楽しめそうなシーワールドに決定。
今日もトラムでまずはオールドタウンのステーションへ行き、そこからバスでシーワールドへ。

雨は、降ったり止んだりを繰り返すなか、

イルカのショーや、

圧巻のシャチのショーを楽しんだ。
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午後になっても雨が続いていたので、妻が行きたいと言っていた『トレーダージョーズ』へ。

バスを乗り継ぎ、運転手さんに降りるバス停を教えてもらい、無事到着。
店内を見学し、妻が予定していたショッピングバッグ他のお土産も購入。
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今日の晩御飯は、ホテル近くのタイ料理のレストラン。

ここは、とてもリーズナブルな料金で、料理も大変美味しかったので、次回は再訪したいお気に入りのレストランとなった。
飲み足りないので、街を歩き、ビールが試飲できる小さなお店へ。

ここでは、ビールの好みを聞かれた後、数種類のビールが小さなグラスで供され、それを飲み比べて気に入った銘柄を注文するスタイル。

ビールを飲みながら、店員さんと話していると、『裏でビールを作っているので見てみないか』とのお誘い。
もちろんお願いして、見学させていただいた。

サンディエゴには、こんな小さな醸造所がいくつもあるらしい。
『ごちそうさまでした』
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3日目も雨だが、午後からは晴れそうな予報。
今日の最初は、バスで動物園へ。

自然が多く、広大な敷地の動物園を歩いて見学。

日本の動物園とは全くコンセプトが異なり、ある種のカルチャーショックを受ける。
もちろん檻はあるのだが、たっぷりの面積を活かして、ここでは本当に自然の中に動物が暮らしている雰囲気があり、鳥などはネズミや小さい鳥などの餌を食べている様子も観察できる。
日本では行列に並んで見学するパンダも、ここではほぼ独り占め。

一方でコアラは、大変な人気者であった。
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動物園を出ると、バルボアパークを散策。
この頃には、空も徐々に晴れてきた。

人類博物館を見学し、

パンとコーヒーで、軽いランチ。

この頃には、絶好の行楽日和に。
自動車博物館を見学。

デロリアンや、キャンピング仕様に改造された古い車、大昔のバイクなどを見学。
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夕方まで天気が持ちそうな雰囲気なので、グーグルマップでバスルートをチェックし、ラホヤ海岸へ。

ラホヤは、今回の散策では一番遠い場所であり、バスで1時間以上掛かるのである。
曇天ではあるが、大きな波が打ち寄せ、なかなかの景色。

岩場に降りると、そこにはシーライオンやオットセイが!

こんな間近で、野生のシーライオンやオットセイを見ることができるとは、まさに驚きである。

『ここは来て良かったねえ』
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洞窟のある別の砂浜にも、サーフが打ち寄せている。

が、ここで驚きの光景が。。。

シュノーケルをつけた2人が、海に入り、沖に向けて泳ぎだしたのである。
すぐそばにはサーフレスキューの監視台もあるのだが、特に制止する事もなく、二人が岩場に近づくと『岩場からは離れるように』と放送するだけ。
この二人が、どのような目的で、この高波の中を沖に向けて泳いでいるのかは分からなかったが、『自己責任』を基本とするアメリカの考え方を肌で感じることができたシーンであった。
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通りに戻ると、美味しそうなお菓子屋さんを発見。

ここで、美味そうなお菓子をおやつ用に購入。
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再びバスで、ガスランプクオーターまで戻る。
途中のガスステーションを見ると、ガソリンが1ガロンで3ドル程度と、かなり安い。
米国では、このガソリン安で大きなピックアップトラックがかなり売れているのだ。
数年前は、ここサンディエゴで、Car2goと言う、二人乗りEVを使ったカーシェアリングサービスのトライアルがされていたのだが、今回はそのEVを街で見かけなかったので調べてみると、すでにサービスは終了したとのこと。

当時も、このカーシェアはほとんど使われていなかったので、ウーバーの方が便利だということなのであろう。
さらに驚くべきは、サンディエゴのモビリティは、より進化していること。
こんな電動スクーターや、

電動自転車が街のあちこちにあり、多くの人が利用しているのである。

いずれもかなりのスピードが出るし、自転車と言ってもペダルはなく、日本では法律的に許容されないだろうが、ここでは街で大活躍。
更には、どこでも乗捨て可能だし、ネットでどこに空きがあるのか分かるので、利便性も高い。
サンディエゴのようなコンパクトな街では、ウーバーと、この電動モビリティがあれば事足りそうである。
たまにしか来ることはできないが、同じ街を定点観測してみると、進化や変化が肌で感じられて面白いものである。
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今日の晩御飯は、『Basic』

評判の良い、ピザ屋さんである。

まずはビールで乾杯!

お勧めのピザを聞き、So Meatyのスモールを注文。

スモールでこのサイズである!
『うん、やっぱりここはアメリカだなあ』と関心。
ピザを食べ、コロナを飲む、サンディエゴの夜。

『ごちそうさまでした』
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4日目は、今回の中で最も天気が良さそうである。
郊外の目的地は全て回ったことに加え、明日は出国なので、今日はゆっくりと街中を散策するプラン。
歩行者用の信号用スイッチを押しながら、いつものように街を散策。

今日の最初は、ミッドウェイ博物館。

ここでは、青空にも恵まれて、ゆっくりと甲板も見学することができた。

冬のサンディエゴも、なかなか良いものである。
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お昼ご飯のためにショッピングモールに行く途中、漁船がマグロを水揚げしている光景を発見。

こちらの漁船は、形も色も、日本の漁船とは全く異なる雰囲気である。

ランチは、ハンバーガー。
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午後からは、予約していた1時間クルーズへ。

今回は、街の景色とUS Navyの軍艦を見学できる、湾の南側を巡るクルーズ。
曇ってはいるが、徐々に晴れそうな雰囲気。

最新鋭の軍艦を見ることができる。
空は徐々に明るくなる。

北側の空には、虹が!

『うん、これはなかなか良い景色だね』

『来る時の、広島空港を出た後も虹が見れたし、観光の最終日にも虹が見られるなんて、ラッキーじゃないか』

虹が、橋の上に7色の橋を掛けてくれる。
しかも、途中からは2重の虹に!
港に戻る頃には、カリフォルニアらしい青空が広がった。

南側の空には太陽が煌き、

ミッドウェイも大迫力。
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クルーズでサンディエゴをたっぷりと堪能したあとは、街を散策。

やはりカリフォルニアは、この青空である。

妻が行ってみたいと言っていた、リトルイタリーにご案内。

お洒落でカジュアルな街の雰囲気が、気分をワクワクさせてくれる。
ここでも、コロナで乾杯!
街の不動産屋さんも、とってもお洒落な雰囲気である。

ただし物件は、高額なものばかりである。
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サンディエゴ最後のディナーは、『Cowboy Star』

ここは、評判の良いステーキレストラン。

高級な雰囲気に、少し圧倒される。
注文したのは、『8 OZ. FILET MIGNON - our tender filet is “Natural” Angus and aged for 21 days from Golden West Ranch in Sprague, WA』と、『12 OZ. NY STRIP - aged for 21 days to create a perfect balance of flavor, our strip is “Natural” PRIME Black Angus from Monson Ranch, Kennewick, WA』

ちゃんと、二人でシェアできるようにカットして盛り付けてくれる。
そしてこれが、なんとも旨いステーキであった!!!
日本で高級とされている霜降り肉の脂の旨味ではなく、まさに肉の旨味が濃縮されている。
ミディアムレアでお願いし、確かに中心部にはしっかりと赤みが残っているのだが、レア感は全くなく、ちょうど良い絶妙の焼き加減。
『参りました』
ここのステーキには、いい意味で打ちのめされた。
これまでの人生で最高のステーキ。
帰りには、『今回のサンディエゴ滞在で最高のディナーでした』とお礼を述べると、握手を求められた。
最終日ということで、それなりの贅沢ではあったが、まさにプライスレスな満足感。
最高の思い出が、また一つ増えたなあ。
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最終日は、タクシーで空港へ。

今回の旅では、タクシーを使ったのは空港の往復のみ。
あとは、MTSの3day-passを使ったトラムとバス、そして毎日2万歩を超えた歩きで、サンディエゴをたっぷりと堪能することができた。
次回来ることがあれば、ウーバーと電動自転車も使ってみたいものである。
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昼前にサンディエゴを出発し、夕方に成田に到着するという、とても体に優しいフライトスケジュールのおかげもあり、11時間超という長時間ではあったが、機内では快適に過ごすことができた。
成田に一泊し、翌日は羽田から広島へ。
羽田空港では、富士山がよく見えた。
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5年振りとなる妻との海外旅行は、プライベートで訪れて見たかったサンディエゴを、たっぷりと堪能することができた。
昨年訪れた、ミャンマーのヤンゴン放浪旅とは全くの対局と言っても良い旅ではあったが、俺にとってはどちらも、『風の吹くまま気の向くままのブラリ風来坊の旅』であり、シーカヤックでのアイランドホッピングの旅と全く同じカテゴリー。
『瀬戸内シーカヤック日記: お盆休みはミャンマー最大の都市ヤンゴンで『あるくみるきく』放浪の旅』
海外への旅には頻繁に出かけることは難しいが、これからも機会を作って放浪旅をしてみたいものである。
生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、次はどこ行こう?