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鬼まんじゅう

2022年10月19日 | グルメ

 「鬼まんじゅう」は、食べ物の少ない戦中・戦後、愛知県内の農家では腹持ちの良い安価なおやつとして作られ、高度経済成長期頃に広く普及し、現在では和菓子屋などでは必ずと言っていいほど販売されていて、1年を通して食べられています。

 戦後のわが家では、コメをできるだけ多く供出するために、コメの代わりの食べ物として、畑で作った収穫量の多い「さつま芋」を角切りにし、小麦粉を使って作る「鬼まんじゅう」が重宝されたのを覚えています。

 戦前、豊橋で「和菓子・廣田屋」を営んでいた父は、まんじゅうを作るのはお手の物で、さつま芋が収穫できる頃(10月中旬)、農作業の合間をみて幼い私のために、当時は貴重な砂糖の代り「サッカリン」を使って「鬼まんじゅう」を作ってくれました。

 現在のように、紅あずまや紅はるか、安納芋といった甘みがあって口当たりがなめらかな「さつま芋」ではなく、収穫量が多い“護国芋”という品種で、甘みの少ない芋を、食べやすく、いかにおいしく作るか、父の腕の見せ所だったようです。

 1センチ角に切ったさつま芋の角が突き出て見える形状が、鬼のツノや金棒をイメージさせ「鬼まんじゅう」と名前がついたようです。小麦粉、砂糖を混ぜた生地の中に入れ、蒸しあげるだけで、主食のコメの代用品、さつま芋を食べて鬼を封じこめようと願う、厄払いの意味を込めているとか・・・・。

                                                                    

                                                              写 真:角切りした「さつま芋」と、自家製「鬼まんじゅう」  2022.10.17撮影

 

 

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