V·ファーレン長崎 3(1-1/2-0)1 モンテディオ山形
正直、驚きました。
町田戦での0-3での敗戦からわずか3日。ここまで変わる?と言いたくなるほど課題が修正されていたからです。
⬛整備されたゾーンディフェンス
特に守備面。先に10ルアンの不用意なパスミスで失点しましたが、選手たちは慌てずにやるべきことをしていたと思います。
町田戦の課題。ファーストディフェンスが決まらないためにプレッシャーをかけられず、間を通されて失点。まずこれの修正のために4-4-2(ボールを持つときは4-2-3-1)に戻し、2トップで前からプレッシャーをかけやすくしたのはすぐわかりました。
しかし、ただ4-4-2にして大宮戦以前に戻るなら同じです。でも、それも修正されていました。
山形のボール保持は、2センターバックと2ボランチでビルドアップ。長崎の9富樫と10ルアンは間に立ち、カバーシャドウ。ボランチへのパスコースを背中で消しながらサイドに追い込むファーストディフェンス。
以前の悪いときならば、マンツーマン気味にどんどん突っ込んだりしていました。それをすると、相手にドリブルでかわされるだけで一発でマークがずれ、後ろにスペースを空けてそこを使われるという大きなリスクがあったのです。
しかし、それはせず相手のボール回しと後ろの味方の距離を見ながらコンパクトさを崩さぬようにじわじわとサイドに追い込めていました。山形の左サイドバック6山田が組み立てに参加するようなら長崎は14名倉が前に出ます。山形のボランチが落ちる場合はマークがずれるがブロックは崩さない。闇雲にプレッシャーはかけない。そんな様子が見て取れました。
これによるメリットは高い位置でボールを奪えるようになったこと。ファーストディフェンスで追い込むことが出来たので中盤で奪うことが出来ていました。ただ前に突っ込めばいいわけではないんですよね。
次は、それでもファーストディフェンスを突破されて前進を許した場合。
そのときは両サイドハーフの14名倉、19澤田がプレスバックして4-4ブロックを崩さぬようにしていました。切り替えも速かったです。
4節の琉球戦、サイドハーフがプレスバックをしなかったことに起因する失点がありました。この部分も修正されています。試合を通して4-4ブロックを崩さずにいたことが、それ以上失点をせずに攻撃に繋げられていた理由だと思います。10ルアンも加わってプレスバックしていたことで厚みもありました。
⬛基本に立ち返った攻撃
ボール保持も良くなりました。いい守備が出来ればいい攻撃に繋がりますし、いい攻撃が出来れば守備もしやすくなります。
長崎のボール保持は2センターバック+17秋野+6カイオでビルドアップ。前節まではなかなか縦パスを入れられずにバックパスや横パスが多くなっていましたが、まず17秋野が落ちて縦パスを入れてから自身も前に上がる形にしたことで、人数を押し出すことが出来ます。それが最初3バックで入ることとの違い。
次に、真ん中に寄りすぎずにサイドから前進していたことも大きいと思います。大宮戦ではサイドバックがサイドで孤立し、奪われてからカウンターを食らい失点しました。サイドバックにボールが入ったらサポートがしっかりあり、相手のサイドバック裏に走る選手がいることが崩しを円滑にしました。
10ルアンの同点ゴールをアシストした16毎熊の動きもそうですし、
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— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) April 22, 2021
オシャレなパスでチャンスメイク✨
\#V・ファーレン長崎 の#カイオセザール 選手が前線に抜け出しヒールパスを披露✨@v_varenstaff #Jリーグ pic.twitter.com/ZmQIAA8EPA
この6カイオの動きもそうです。
基本に立ち返ったことで、縦パスも入れやすくなってボールが良く回っていたと思います。
また、選手が孤立することなく、いい距離感でボールを回せているため、失ったときも奪い返し易くなっていたこともプラスでした。
⬛まとめ
この試合ではピッチコンディションが良くないとの判断からロングボールも多用されていましたが、その戦い方を可能にしていたのは前述の戦術面の整備に加え、9富樫の存在が大きかったと思います。相手を背負って受けられもすれば裏にも走れるし、コンビネーションにも加われ、守備面の貢献も大きい彼の存在は点が取れなくても大きいのでは。
14名倉、16毎熊の復帰もプラスですね。
ただ、課題もまだあります。サイドを崩せてもゴール前に人数が少ないことや得点がブラジル人選手の個に依存している部分など。
とはいえ、前節までからすると、大きく改善されたことは間違いないと思います。基本に立ち返っただけとも言えますが、大きな進歩です。
(正直、これもっと早く出来なかった?と思わなくもないですが、まあそれは置いておきまして)
問題はこれを続けた上でさらに進化させられるか。この試合をベースに戦ってほしいと強く思います。
次の東京ヴェルディ戦は心配ではなく期待をして観戦します。
最後に、センターバックとして初先発し勝利に貢献した江川湧清くん、おめでとう!!
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