令和6年 長崎くんち(10/7~10/9)が開催されます(荒天による日程変更の場合あり)。
『長崎くんちは、長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭で、毎年10月7日から3日間、町を挙げて催されます。寛永11年(1634年)に、二人の遊女が諏訪神社神前に謡曲「小舞」を奉納したことが長崎くんちの始まりと言われています。奉納踊には異国趣味のものが多く取り入れられ、昭和54年には、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。』
(長崎くんち <長崎伝統芸能振興会>)より引用。
演し物を奉納する“踊町(おどりちょう)”は7年に一度の輪番制で、観客は「もってこーい」「よいやー」「しょもーやれ」などの掛け声をかけて盛り上げます。
令和6年の踊町は【西濵町】【麹屋町】【五嶋町】【銀屋町】【万才町】【八幡町】【興善町】の7カ町です。
本番に先駆けて10月3日には『庭見世(庭見せ)』が行われました。
庭見世とは、各踊町で使用する傘鉾や演し物、衣装や道具などを町の人々に披露し、応援してくれる人々への感謝や本番への意気込みを表す場だそうです。
毎年この日は多くの人々が各踊町を回り、賑わいます。
私も久しぶりに回って来ましたので、その写真と共に、今年の踊町の演し物のご紹介をさせていただきます。
ちなみに、写真が少ないですが、実際はこれだけではありません。たくさんの衣装や道具がご祝儀や供物と共に飾られています。
【西濵町(にしはまのまち)】
演し物:傘鉾·龍船(じゃぶね)·二胡演奏
龍船。長崎の貿易商人·荒木宗太郎の元に安南国(ベトナム)の王妃アニオーさんが嫁入りした際の豪華な船をイメージしたもの。
おくんちの曳き物中最大のものであると同時に、三輪による回転の速さも特徴。掛け声は「ヤーハー」。
傘鉾。傘鉾とは踊町の行列の先頭に立つ、町のしるしのこと。各踊町には必ずこれがあります。
上の源氏絵貝箱に紅葉と菊の鮮やかさが目を引きます。
【麹屋町(こうじやまち)】
演し物:傘鉾·川船
麹屋町は中島川に接していることから、昭和39年より川船を奉納。船には本漆の緋鯉と真鯉が装飾されています。
『「「川船」は子ども船頭が網を打ち、獲った魚を諏訪神社に献上するために船を急がせるという筋立てです。麹屋町の山車は「川船」の中でも一番大きくて重く、しかも4つの車輪は固定で左右に曲がらないため、回転の時は相当な力と技を要するとか。』(長崎くんち麹屋町 川船より引用)
船回しの途中、船から水が吹き上がる趣向が最も盛り上がる瞬間。
傘鉾は、献上梅と麹蓋が特徴。
【五嶋町(ごとうまち)】
演し物:傘鉾·龍踊(じゃおどり)
長崎くんちの花形、龍踊。以前の本踊から、平成12年(2000年)より新たにより多くの町民が参加出来る機会のある龍踊を奉納。
龍が玉(宝珠)を追う「玉追い」と、必死に玉を探す「ずぐら」を総勢約150人が演出。
楽器は本番の香港や中国から買いつけたものだそう。
傘鉾は、虫籠に菊とススキの装飾が特徴。
【銀屋町(ぎんやまち)】
演し物:傘鉾·鯱太鼓(しゃちだいこ)
演し物:傘鉾·鯱太鼓(しゃちだいこ)
昭和60年(1985年)より鯱太鼓を奉納。銀屋町は昭和41年(1966年)の町界町名変更により町の名前はなくなっていましたが、平成19年(2007年)に復活。
鯱太鼓は昭和57年(1982年)の長崎大水害を機に誕生したそうで、天空を目指す蓬莱(ほうらい)の鯱が、やがて黄金の龍となり、人々に吉祥をもたらすという「蓬莱鯱(ほうらいこ)伝説」がもとになっているそう。
担ぎ手は「ホーライコ」の掛け声で、太鼓台を宙に放り上げ、最後は片手で掴みます。
傘鉾は、金色の出世鯉が水面から飛び上がらんとする装飾に圧倒されます。
【万才町(まんざいまち)】
演し物:傘鉾·本踊(ほんおどり)
踊り子の衣装や三味線が飾られていました。
本踊は伝統的な「祭礼祝長崎万歳(まつりをいわうながさきばんざい)」を中心に、「長崎ぶらぶら節」のほか、今回から「あっかとばい」や「長崎七不思議」をアレンジした楽曲を披露するそう。これまで女の子しかいなかった子供の踊り子には初めて男の子が参加。
傘鉾は、朱盃に萬歳の文字があり、神鈴と御幣が立てられているのが特徴。
【八幡町(やはたまち)】
演し物:傘鉾·山伏道中·剣舞·弓矢八幡祝い船
弓矢八幡祝い船は、八幡宮の山伏たちが諏訪神社に奉祷文(ほうとうぶん)を納めようと、侍大将たちに守られながら長崎に入港する船のストーリー。
荒々しい海を超えて入港した際に放たれるのは、このために飼育されているという白い鳩。庭見世にもその鳩がいました。
傘鉾は、朱塗弓立てと大弓、そして留まる白鳩の装飾。
【興善町(こうぜんまち)】
傘鉾·本踊「石橋(しゃっきょう)」
本踊「石橋」は、能に由来する舞てま、牡丹の花が咲き誇る石橋の傍らに、獅子と胡蝶が戯れる様子を表現しているそう。
紅白の獅子が重さ3.5kg、毛の長さ1.6mの獅子頭を豪快に振り回すところが見どころ。獅子を演じるのは女性2人。
子供たちも参加し、伝統を引き継いでいきます。
いよいよ本番ですね。天候だけが心配ですが。
庭先回りも楽しみです!
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