今夜もちょっと趣を変えまして、
野菜ソムリエの私が農作物について気ままに語ります。
春の味覚はたくさんありますが、
山菜・農作物ではフキノトウ、タケノコ、菜の花、タラの芽、ワラビ…。
いくつか思い浮かびますね。
今回はそんな中でも、毎年自ら摘んで料理で活用しているものをお伝えします。
それは春の風物詩でもある、つくし。
漢字で書くと、土筆。
小学生の時につくしの漢字を初めて知った時は、
さすがに感動を覚えましたね。
まさに土から生えた筆のような形をしています。
これは摘む前の土筆たち。
通勤途中にある土手に自生した土筆群があって、
最近は毎年摘むようになりました。
子供の頃は、祖母がよく卵とじ料理にしてくれましたね。
野菜の直売所で袋詰めにして売っているのを見たことがありますが、
この写真にもたくさん写っているような、緑色の胞子が詰まったものでした。
でも、私が子供の頃から馴染んできたのは、胞子が飛んだカスカスのもの。
そんな土筆を選んで摘んでいきます。
節についているハカマは堅いので、丁寧にむきとります。
これだけむき終えるのに20分くらい。
早速、熱湯で茹でてみました。
少し赤みを帯びてきましたね。
私の中の基準として野菜・キノコは3分茹でれば、まずOK。
てなわけで、土筆も3分茹でました。
あらかじめ茹でてお皿に盛り付けていたもやしの上に、土筆をトッピング。
サラダ風にマヨネーズをかけ、有機パセリをふりかけてみました。
少量だとあまり気付きませんが、
これだけのボリュームがあると独特な苦味を感じて、
春の味覚らしさを実感しましたね。
10年以上前に資格を取った野菜ソムリエの講習テキストでもあった、
草土出版の『花図鑑 野菜+果物』によると、
土筆は春を告げる摘み草の代表的な存在で、
関西では卵とじにするのが一般的ですが、
つくしご飯や和え物、炒め物にしても美味しいそうです。
栄養的には水分が9割近くを占めますが、
食物繊維やカリウム、リン、カルシウム、ビタミン A・Cなどを含みます。
また、乾燥させたものを煎じて飲むと、
利尿作用がありむくみが取れるそうです。
今年は気まぐれに、また摘むかもしれませんが、
来年の春も楽しみですね。