三輪さんの児童書はほとんど読んでいる。そのどれにも共通項がある。それは春休み、夏休み、冬休み等の、長期の自由時間に物語が展開されていること。そしてそのどれにも必ず山、川、湖、樹木など、自然との関わりがあり、その中で子供たちが自然への畏怖や、素晴らしさを体感し、子供同士が豊かに育っていく様が感動的に描かれていることだ。
今年4月に発行された「卒業旅行は北国へ」も、小学校を卒業したばかりの3人の子供たちが、春休みを利用して、東北の田舎に遊びに行く物語だ。洋太、和樹、和樹の従姉妹の千晶、3人だけの新幹線の旅。車内でわくわくしつつもチョッピリ不安な子供たちの様子が楽しい。ひょんなことから洋太の逢ったこともないおじいちゃんに遇うことになる3人。
おじいちゃんの運転で雪の回廊を見に出かけ、そこで雪の中に閉じ込められる。おじいちゃんを車に残して3人は、12キロもの雪道を歩いて救助を求めに。洋太は初めて合ったおじいちゃんだが、おじいちゃんを何とか助け出さなくてはと必死、雪道に負けそうになりながらも、3人で励ましあい、知恵を出し合い、やっと十和田湖の子ノ口にあるお茶屋にたどり着く。この間の描写は、雪山の経験がある著者でないと書けない。
クライマックスの「発見、生存、発見、生存」無線機を通して流れてきた。おじいちゃんが生きていた。みんなの歓声を聞き、洋太は不意に涙がこみあげてきた。和樹が洋太の肩をポンとたたき「よかったな」と、私もふいに涙があふれた。
この物語を読み終わって。
長い休みの中で自然とふれあい、自由に遊ぶ。そんな子供たちの生活は何時頃から奪われてしまったのだろうか。
著者が一貫して伝えたいことが読み進めるうちに、強く響いてくる。
子供たちの力を信じて、自然の中で、自由に伸びやかな時間を与えて欲しい。その中でこそ、本当の知恵や、友情や、優しさが育つのだと。
この本は大人が読んでも充分楽しめる。特に教育関係者には読んで欲しい一冊だと思った。

蛇足ですが、児童文学書の文字の大きさは、シニヤ世代にには大変読みやすい。シニヤ向けの本にも文字の大きさを考えて欲しいと思います。
今年4月に発行された「卒業旅行は北国へ」も、小学校を卒業したばかりの3人の子供たちが、春休みを利用して、東北の田舎に遊びに行く物語だ。洋太、和樹、和樹の従姉妹の千晶、3人だけの新幹線の旅。車内でわくわくしつつもチョッピリ不安な子供たちの様子が楽しい。ひょんなことから洋太の逢ったこともないおじいちゃんに遇うことになる3人。
おじいちゃんの運転で雪の回廊を見に出かけ、そこで雪の中に閉じ込められる。おじいちゃんを車に残して3人は、12キロもの雪道を歩いて救助を求めに。洋太は初めて合ったおじいちゃんだが、おじいちゃんを何とか助け出さなくてはと必死、雪道に負けそうになりながらも、3人で励ましあい、知恵を出し合い、やっと十和田湖の子ノ口にあるお茶屋にたどり着く。この間の描写は、雪山の経験がある著者でないと書けない。
クライマックスの「発見、生存、発見、生存」無線機を通して流れてきた。おじいちゃんが生きていた。みんなの歓声を聞き、洋太は不意に涙がこみあげてきた。和樹が洋太の肩をポンとたたき「よかったな」と、私もふいに涙があふれた。
この物語を読み終わって。
長い休みの中で自然とふれあい、自由に遊ぶ。そんな子供たちの生活は何時頃から奪われてしまったのだろうか。
著者が一貫して伝えたいことが読み進めるうちに、強く響いてくる。
子供たちの力を信じて、自然の中で、自由に伸びやかな時間を与えて欲しい。その中でこそ、本当の知恵や、友情や、優しさが育つのだと。
この本は大人が読んでも充分楽しめる。特に教育関係者には読んで欲しい一冊だと思った。


蛇足ですが、児童文学書の文字の大きさは、シニヤ世代にには大変読みやすい。シニヤ向けの本にも文字の大きさを考えて欲しいと思います。
