ホーギー・カーマイケルといえば、「ジョージア・オン・マイ・マインド」「スター・ダスト」などアメリカのジャズ曲を代表する超有名曲の作者としておなじみの人だ。テナーサックスのハリー・アレンが「アイ・ウオーク・ウイズ ミュージック ザ・ホーギー・カーマイケル ソングブック」というタイトルのCDを先ごろ発売した。今年の1月に収録したばかりのホヤホヤ新譜である。彼のCDではドイツのナゲルヘイヤーに収録した「バット・ビューティフル」等、駆け出しの時期だった頃の彼にとって入魂且つ畢生の名演をたまに取り出して大音量再生ならではの醍醐味を楽しんでいる。しかしその後の演奏収録したものに接した時、彼のテナー音は高域に湿潤感が欠けているせいか、アドリブ演奏でツボに嵌るべきタイミングに単調でドライな空ぶかし風フレーズが多くてがっかりすることも多かった。
来週の水曜日には神田・岩本町の東京・TUCにてグラント・スチュアートとハリー・アレンという現代版アル&ズートみたいなテナー・マドネスが実現する。前回のグラント・スチュアートの相手はエリック・アレキサンダーだった。このときは頭デッカチな知力優先のモーダル奏法の自慰的迷宮に踏み込まないところにエリック・アレキサンダーがとどまったお蔭で、現代最高水準のスイングするサックスプレイの興奮的極致を目撃することができた。
今回はどうだろうか?ライブを目前に到着したCDを聞いているとよい予感がしてきた。ホーギー・カーマイケルの「ムーン・カントリー」「ニアネス・オブ・ユー」「ロッキン・チェアー」等、好きな曲が満載するCDだ。これらの曲に接する限りバラードやミデアムテンポの4ビートに乗って図太くしかも美しく轟くハリーのテナーは健在である。懸念する空ぶかしもなりを潜めているようだ。当日はアメリカの田舎のロマンティズムを彷彿させるホーギーの叙情曲、「メンフィス・イン・ジューン」とか「スカイラーク」みたいな季節への心情が溢れている掌編を、二人のテナーサックスが情感豊かに綴ってくれないものかといまからワクワクしているところである。
来週の水曜日には神田・岩本町の東京・TUCにてグラント・スチュアートとハリー・アレンという現代版アル&ズートみたいなテナー・マドネスが実現する。前回のグラント・スチュアートの相手はエリック・アレキサンダーだった。このときは頭デッカチな知力優先のモーダル奏法の自慰的迷宮に踏み込まないところにエリック・アレキサンダーがとどまったお蔭で、現代最高水準のスイングするサックスプレイの興奮的極致を目撃することができた。
今回はどうだろうか?ライブを目前に到着したCDを聞いているとよい予感がしてきた。ホーギー・カーマイケルの「ムーン・カントリー」「ニアネス・オブ・ユー」「ロッキン・チェアー」等、好きな曲が満載するCDだ。これらの曲に接する限りバラードやミデアムテンポの4ビートに乗って図太くしかも美しく轟くハリーのテナーは健在である。懸念する空ぶかしもなりを潜めているようだ。当日はアメリカの田舎のロマンティズムを彷彿させるホーギーの叙情曲、「メンフィス・イン・ジューン」とか「スカイラーク」みたいな季節への心情が溢れている掌編を、二人のテナーサックスが情感豊かに綴ってくれないものかといまからワクワクしているところである。