秋に古いアルテックフルレンジスピーカーとJBLツイーターの2ウエイ自作箱を数年ぶりに買い戻した。あれから数ヶ月が経過した。音の表情もジャズ的快活性にも文句のつけようがないこの非有名スピーカーユニットの素性に満足している。
お客さんがとても少ない日々は相変わらずだ。少ない客足はミニマムの日で2人、多い日が9人、このくらいの数字をずっと繰り返している。もしかしたらそれ以上の客足は永遠に望めないのでは?と思うこの頃である。思い出したが、晩期を迎えていた吉祥寺の繁華街にあった「A&F」の大西さんがボヤくように呟いていた客数も確かそんなものだった。店の継続性に希望がもてないような客数だが、客不在時に大きなボリウムで聞く大好きな1950年代後期のジャズが一際、光彩を放っているのでこれに沈潜する半日近い時間がどうやら余生カフェビジネスの救いになっている。
節分を経過して南東の方から射し込む光は柔らかい春を兆している。うららかさを体感しながら、ベツレヘム盤のジミー・ネッパーの苦味成分の多いトロンボーンソロとジーン・クイルの溌剌極まりないスピーディーなアルトの掛け合いが齎す思いもかけない即興次元に身震いをしたり、ビル・エバンスの旋律解体構築の初期技法を濃縮した「EVERYBODY DIGS」の「YOUNG AND FOOLISH」にため息をついたり、店は暇でも感情生活の方は多忙を極めている。
営業ご案内
2月6・7日 休業
2月8日〜13日 12時〜19時 平常営業