楠ヶ丘25P仲間の広場

みんなで楽しく参加ブログ

新緑の京都ー蛍を見た夜

2007年06月01日 | 旅行
服部です。先週末は京都に行ってきました。
相国寺の承天閣美術館で伊藤若冲の特別展があったのです。とにかくこれが見たくて京都に行こうということになりました。京都に行く時はいつもは朝早く出て日帰りするのですが今回は夫の友人に会う予定もあり珍しく一泊してきました。

今日の新聞によるとこの展覧会の入場者が10万人を越したとのことです。26日(土)は9時30分ごろには私と友人は美術館に入り口に並んだのですが あまりに人が多いので10時開館のはずが9時40分に開場され どんどん人が入ってしまいました。駐車しに行った夫が戻ってきた10時にはすでにかなりの人が中に入っており開館と同時に入ってゆっくり見ようという計画はアウト!
私が見たかった動植彩絵は30枚が揃って展示されいて ほんとうに素敵。京都まで行った甲斐がありました。絵はがきを買おうと思ったら売店も人、人、人。やっと相国寺の出口を出た頃には ここまで列ができていて「ただ今60分待ち」と表示が出ていました。



京都御苑や哲学の道を散策。新緑が滴るばかり。


たまたま東山七条の智積院で「蛍鑑賞会」があるというので夜になってから行ってきました。ここに利休好みの名園があることは知っていたのですがまだ一度もお庭を拝見したことはありません。この日は普段は公開してない寝殿作りの建物や奥のお部屋の障壁画も見せていただきました。建物に入り 縁側に出たとたん、ふわりと蛍が飛んできました。広い書院や縁側には見物の人たちが集まって 植え込みの奥からふわりふわりと池の上を飛ぶ蛍を眺めていました。まあ、なんというロマンティックな光景でしょう。長い人生で蛍を見たのは2度目です。ここの蛍は源氏蛍で大きくて光も明るく 近くに飛んでこられるとワクワクしてしまいます。

隅に雪洞を置いたほの暗い書院の中まで蛍は飛んできて 私は源氏物語の玉蔓のことを思い出しました。彼女に求婚するために兵部卿の宮がやってきて暗い中几帳ごしに恋を語っている時に源氏が室内にいきなり蛍を放ったので 玉蔓の顔が見えてしまう、あのシーンです。玉蔓は源氏の娘ということになっていますが 実は彼の娘ではないのですね。彼の昔の恋人の娘なので 源氏は美人でかしこいこの玉蔓がかわいくて よい相手を選んで結婚させ幸せにしてやりたいと思う反面、彼女の魅力に惹かれてもいて他の男にやるのが惜しくもある、玉蔓の方は親代わりの源氏に感謝もしているし、男性としての魅力も感じてはいるものの、あやしいそぶりを見せる彼には嫌悪感もあり 求婚者の様子をのぞいたり、けしかけたりする彼の態度には屈辱感も感じている、、という複雑な関係です。

蛍を放つシーンはとても効果的に使われているけれど、蛍の光で顔が見えるなんて「蛍の光窓の雪」みたいな例えか誇張だろうと思っていましたが こうして見る室内の蛍の光の明るさからすると あのお話は現実としてありえるものだと初めてわかりました。ひんやりとした縁側に座り長い間うっとりと蛍の飛ぶのを眺めてしまいました。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
蛍・・・ (茨木政子)
2007-06-03 06:20:23
服部さん、本当に素敵な京都を載せてくれて有難う!!
蛍と源氏物語のシーンを重ねるなんて、素敵だね。その帖(と言ったっけ?)だけでも読んで見たくなりました。源氏物語は、口語訳で、一部分しか読んでないので、服部さんが紹介してくれたところは知りませんでした。紫式部が、滋賀の石山寺で源氏物語を書いて『数百年・・・?』の記念の年とか、何かに書いてあったので、私にはいい機会かもね。

私たちが栗東にこの家を建てた頃は(1988年)、家の裏の用水路にも、蛍が飛んでいたのよ。転居のお知らせを兼ねた暑中見舞いにも、その事を書いた気がします。今は、その用水路もコンクリートになって、蛍もメダカもいなくなりました。ザリガニは居るみたい・・・。

もう一つの投稿と、久し振りの世戸くんの投稿へのコメントも書くつもりやったけど、夫が帰って来て、ご飯の用意をする時間になったので、また次回にしますネ。

ほんとにありがとう。
返信する

コメントを投稿