われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

大いなる日に

2006-03-17 12:27:30 | Weblog
 いよいよ18日には第38回卒園証書授与式が、20日には終業式が行われます。この1年もまたたくさんの出来事があり、それらひとつひとつを乗り越えながら、どうにか無事に終えることができそうであります。大きなけがや事故などもなくこの日を迎えられますことをまずは何より喜びたいと思います。これもひとえに保護者の皆様のご理解とご協力の賜物と、教職員一同心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 われらしんじんの子どもたちは、この1年もほんとうによく遊び、よく見聞きし、わかり、すくすくと伸び伸びと、たくましく成長を遂げてくれたように見受けられます。ほんとうに素晴らしい子どもたちであります。子どもの持つ力の偉大さにいつもながら圧倒され、教えられた1年でありました。私はつねづね大人として、あるいは教育者として彼らに何かを伝えなければと願ってはいますが、実は教えられ伝えられているのはこちらのほうなのです。キャリアを重ね、年を追うごとにその思いは強くなっていくようです。
子どもはその小さな心と体ぜんぶを使って私に大切なことを投げかけてくれます。その中身に大人と子どもの差はありません。大人だから高尚、子どもだから稚拙ということはないのです。そしておそらく私にできることはただ彼らが全身全霊で投げかけてくるそれらを必死で受け止め、投げ返してあげることだけなのです。
 この子どもたちのさらなる成長と、明るい未来の訪れることを、切に願うしだいです。

 さて、おしまいにこの卒園式・終業式をもってしばしお別れしなければならない皆様に、ひとことお礼を申し上げます。これまで様々な行事や日々の活動においてたいへんお世話になり、ありがとうございました。どうぞ卒園されても、真人幼稚園のことを忘れずにいつでも遊びにおいでください。私たちはいつも心待ちにしております。
 また転勤などで遠方へ行かれる方もおられることと思いますが、どちらへ行かれましてもどうぞお元気でご活躍ください。

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『すてきなおんがくたい』の贈呈について

2006-03-17 12:25:00 | Weblog
 このたび、17年度の終わりにあたり、童話『すてきなおんがくたい』が小冊子となって発行されました。これは私がこれまでに書いた「すてきなおんがくたい」、「すてきなおんがくたいとおじいさん」に新たに「すてきなおんがくたい、はるのうみへ」の一遍を追加して三部作とし、それらの文章に子育て相談講師の坂井アイ子先生が素敵な挿絵を書いてくださってできた、ささやかな絵本であります。アイ子先生とはいつもいろいろな場面でコンビを組ませて頂き、さまざまな仕事をさせて頂いてまいりましたが、文章を書く仕事においてもこんな形で一緒に仕事をすることができて、私としては大変嬉しく思うしだいです。これまで書いてきた多くの文章は言わば「ひとりの世界」ですべてが成り立ってきたものですが、このたびのアイ子先生との絵本作りは私に新たな作品作りの可能性を示してくれました。「ひとりの世界」で完結していた文章に自分以外の人の手による絵画(視覚的な意味づけ)が加わると、まったく別な新たなものが出来上がるということを、ありありとした実感として感じることができたのです。これは正直に言って素晴らしい感覚でありました。十代の半ば頃からかれこれ20年くらい詩や小説を書き続けてきたわけですが、それらはごく控えめに言っても「どこまでもどこまでも果てしないくらい独りぼっち」な作業でありました。それはそれで意味があることなのですが、絵本作りにはそれとはまったく別な楽しさ、どきどきするような面白さがありました。それは例えるならば、科学の実験みたいなものと言えるかもしれません。私の文章とアイ子先生の絵とが真っ白な紙の上で劇的な科学反応を起こすのです。それらはやがて細胞分裂をくりかえし、時に爆発し、収束し、そこに新たな世界が生まれる。それは文章を書いた私自身の資質や想念をはるかに凌駕して、まったく新しいものに生まれ変わる。なんと素晴らしい体験でしょう。

 はじめてこの冊子を作ってみたいと打ち明けたとき(それはちょうど二作目を書き始めたころだった)、アイ子先生は二つ返事で挿絵を描くことを承諾してくださいました。アイ子先生にはこれからわたしがやろうとしていることの意味や方向性が手に取るようにわかるらしく、確信に満ちて引き受けてくださったのです。お忙しい中、絵筆をとる労をおとりいただいたことに、この場を借りて改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。先生の絵の持つ魅力に引っ張りあげられながら、私は私の書くという技術を通してこんなふうに形に残せることを、幸せに思っています。
 そして、少なくともこれが今日現在における、私のベストです。付け加えることはありません。わたしがつねひごろ子ども達とかかわる上でぜひ伝えたいと思っていることが、ここに書かれています。そして私にこれらを書かせたのは、まぎれもなくこの素晴らしい子ども達との数え切れぬほどの出会いと別れがあったからこそであります。
 ともに生き、ともに歩んだすべてのしんじんの子ども達に、この物語を捧げるしだいです。そして願わくばどうかこの中のひとつでも、読んでくださるすべての皆様の胸に響くものがあれば、これに勝る喜びはありません。


(なお、乱丁本などがございましたらお取り替えしますのでお申し出下さい。)
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