落書きというのは語弊があるだろう。
石垣には誰がこの石を提供したのかがわかるマークがあるというのだ。
こんなに綺麗に積まれているの石垣なのに、そんなものが付いているなんて思いもしなかった。
近くに寄ってみると、意外にも結構わかりやすく彫ってある。 これは卍。
渦巻きのような「の」の字だったりする。
「め」?
これはまるでカブトガニに見える。
大の字を◯で囲んだもの。 どうせなら直線で描かれたマークを彫ったほうが楽なのに、とも思う。
ちょっと離れるとマークが殆ど分からない。
金沢城は石垣めぐりが出来るように堀と石垣の間に遊歩道があり
それぞれの見どころがわかるようになっている。
自然石や割っただけの石を積んだのは「野面積み(のづらづみ)」
形を整えて割った石を積んだのは「打ち込みはぎ」
割石を加工して隙間なく積むのは「切り込みはぎ」というそうだ。
この辺りは「野面積み」か?
石垣に組まれている石は奥行きが意外に長かった。
クレーンやブルトーザーなど機械のない時代にどのようにしてこんな大きな石をこれほどまでに頑丈に積めたのか。
想像するだけで頭がさがる想いがする。
明治に組まれた石垣の前には発掘石の展示がされている。
人の手で割っただけでこんなにもの平面がつくれれるのか。
ノミとツチでホゾを開ける。 石工は失明する人が何人もいたという。石の破片が入ったりするのだろうか。
ちょんまげの付いた石。 どんなふうに組み合わせるためなのだろう?
かなり大きな石。
中央に私の影がうっすらと私の影(上半身)が写っているので影が確認できたら大きさがわかるはず。
上記でもあったが、野面積みなどはこんな感じで奥行きを長くして組まれているのがわかる。
間に石を詰めてお互いの重さでずれないようになっているらしい。
切り込みはぎになるときっちりズレないように石が組まれているので奥行きは必要なくなるのだろう。
技術の遍歴によって必要以上に大きな石でなくても良いようになってきている。
見た目の綺麗さだけでなく、運搬などの労力の軽減にもなっているのがわかる。
石の組み方や加工によって、そんな成果があることすら私は知らなかった。
金沢城は「石垣の博物館」とも呼ばれているそうだ。
小一時間でも時間があったら行って見る価値は在ると思う。 意外と面白い。