リズムを学ぶ
ピアノの音が鳴り、子どもたちが目を輝かせていっせいに飛び出してきます。
金魚になったり、どんぐりになったり、様々な動きが盛り込まれたリズムあそび。斉藤保育の大きな特徴です。
「私はいままでの幼稚園教育で行われてきていた『お遊戯』に疑問を持ち、独自に生物の進化をなぞらえる『リズムあそび』を考え出してきて、それに見合う曲をつけて本にした。『さくら、さくらんぼのリズムとうた』(群羊社)という本である。」斉藤公子「生物の進化に学ぶ乳幼児の子育て」(かもがわ出発2007)」
歩みを覚えた人間は、二度とハイハイをしなくなります。ゆえに、人間の土台を作り上げていく時期に、生物の進化をなぞらえる動きを充実させることはたいへんに重要なことです。
おなかの中で進化の過程をたどる人の子の発生を受精卵までさかのぼると、受精卵が分裂するとき、その源は小さな振動です。金魚運動は全ての運動の基本です。金魚運動が、しなやかな背骨をつくり、しなやかな背骨がたくましい体と豊かな感性を育みます。
このリズムあそびは、単純な金魚運動から、年長期ともなると多様化し、様々な文化の要素も盛り込まれ(竹踊りに苦労なさった保護者の方もいらっしゃるのでは?)、空間を読む力、仲間と息を合わせることも要求されるように発展していきます。
斉藤先生の目指す、『全面発達、人間の土台』が全て集約されています。