大人になると、自分の気持ちはさておいて、当たり障りなくやり過ごさなきゃいけなかったりするじゃない。
こんな私でも、そんな事を考えたりするのよね。
でも、ピカソやルノアールの絵や、村上春樹の小説や、心のこもった歌謡曲なんかにも、
悔しくて悔しくて仕方なくなる。
とっくに捨てた自己表現ってヤツが疼くのだ。
だから、目の前に制作モノがくると燃えるのかも。
仕事と家事の合間をぬって、ガツンガツンと入り込む。
それで、ああ、なんて下手くそなんだとまた頭を抱えるのだけど。
一緒に穴を掘る先輩のおじさまに(実は油絵の絵描きさん)に描きなよと、言われて、
ああ、そうですよね。そうですよね。
芸術の秋はまるで思春期みたいなんである。