19人のイギリス少年たちの浅草観光の予定は、雨のために品川水族館になった。
ホストファミリーでも東京観光にまで付き合う人は少数で、
日本人側の二人の若い女の子がイギリス少年たちに群がられている。
私の高校二年の娘も午後から合流する予定。
人生で一番モテモテの日になるにちがいない!早く来い!
このイギリス少年たちは年齢に幅があるようで12歳から17歳。
中でもワンダイレクションのような子たちは多分年長者。彼らは先の日本人女の子と歩いている。
自然に私と末っ子とキョウちゃんは、アニメのTシャツを着ているタイプの少年たちと過ごす事になった。
これからが意外な展開で、日本の学校はくそ食らえのキョウちゃんが、イギリスアニメ少年たちと意気投合していく様はとてもドラマチックだった。
キョウちゃんは学校に熱心に行っていないので、英語は多分その変の中学生よりできない。
でも、彼には日夜研鑽してきたモバイル早打ち技術と、寝ないで研究してきたアチラ系の知識がある。
(本当に私自身もグーグル翻訳には助けられた。しばらくは、グーグルさんに、足を向けて寝られない。)
水族館で、アシカのショーに目もくれず、iPhoneでゲームに熱中しているイギリスゲーム少年を、キョウちゃんは次のイルカショーでは、ゲラゲラポーを大盛り上がりで一緒に踊らせるにまで至っていた。
後でキョウちゃんに聞いたところ、その時は相当頑張ったそうだ。イルカショーの内容を説明し続けたに違いない。
やっかいなことに、品川水族館は館を挙げての妖怪ウォッチとのコラボ中。何かと、妖怪ウォッチとのこじ付け演出がされており、興味のないワタクシなんぞが、更に違う文化の土台を持った方々に説明するのには、気力も語彙力も圧倒的に不足していたのだが、キョウちゃんはやりとげたのだ。
そのかいあってそれからは誠に自然にイギリス少年たちと連れだって歩くことができた。
そうこうしているうちに
我が娘が合流。
一人のイギリス人少年が娘に
ユールックナイス
と、言ってくれた。
先の二人の日本人女子のように男子に囲まれる娘の図になるのかと思ったら、
彼はすぐにガチャポンのほうに行ってしまった。
今や世界に誇るジャパニーズサブカルチャーの威力を見せつけられた瞬間であった。
そのまま、クリストファーと友達たちとお昼ご飯を一緒に食べた。
子供たちがずっと何を笑っているのかと思ったら、彼らの引率の背の高い中年のイカツイ先生を
ダンシング イェール
(イェールは昨晩クリストファーに習いました。さぁ、なんだったでしょう)
と、言ってあだ名をつけているのだった。
端から見ると、本当に心底どうでも言い話で、イギリス少年たちとキョウちゃんと娘と末っ子で盛り上がっている。
末っ子などはずっとイギリス人少年たちの名前を叫び続けるという反則技の連発である。
草の根交流の末端の末端。
笑って笑って、やり取りが止まらず、先生に注意を受けるという一幕もありながら、
次は秋葉原に移動。
私自身も初めての、かの秋葉原である。
続く。