ゆうさんの作る作品は、ドンッとしている。
暮らしぶりも、旗からみると、肝が座っているように感じられる。
だから、勝手に豪傑な女性を思い浮かべていた。
ところが、キャトルエピスのエントランスに、ちょこんと座っておられる小柄な女性が、ゆうさん、その人だった。
思い描いていたゆうさん像とはかなり、違うものの、すぐに、あああ!となって、ご挨拶した。
そしたら、ゆうさんは詩うような優しい物腰でらして、
目の前にならぶケーキに、あああ!と、なっている子供達に急かされて、私はひとまず店内に入ることになった。
今日は、ギャラリーも兼ねているケーキ屋さんは、それはそれは素敵なところで、子供達と共にウットリしていると、オーナーも声をかけてきてくれて、なんだかとっても不思議なのだが、もう馴染みの店みたいな気分になった。
子供達とショートケーキと、フルーツタルトと、プリンとマンゴーかき氷を注文して、頂いた。
子供達は自分のショートケーキとプリンはくれないのに、私のフルーツタルトは、一口一口と攻撃を受けた。
末っ子の注文したマンゴーかき氷は、フワフワで、じぇじぇじぇのあまちゃん似の超可愛い店員のお姉さんが、持ってきてくれた時に、
「フワフワだから、溶けるの早いからねー!」と言ってくれた。
そのフワフワかき氷は、ゆうさんの器に入っていた。
早く溶けちゃうから仕方ない。末っ子に、一口一口と、私も加わって総攻撃。
ううう。マンゴーピュレが、濃い!ケーキ屋さんのかき氷だ!!!
など、騒いでいると、ゆうさんが席にやってきてくれた。
子供達に、ゆうさんはなんでも自分で作っちゃうんだよ、と言うと、
ゆうさんは、
「なんでも、、、って訳じゃないわねえ。釘は作れないでしょう、、、それから、、、」
やっぱり、柔らかい声で言った。
そうか。なんでもっていうんじゃないな、うーん、家もゆうさんは作っちゃうんだよ。
訂正して子供達に、私が説明すると、
「ゆっくりやれば、誰でもできるよ。」
だけど、やっぱり柔らかい声だった。
私は緊張していた。
ゆうさんは優しくて柔らかで、知的でチャーミングで、
子供達はすっかり、ゆうさんは自分の友達みたいな顔をしてズルい。
それからちょっと、私が発掘に携わっている話で、盛り上がった。
私のつくる器は土器みたいだって、よく言われるの
と、ゆうさんは いたずらっ子みたいに、でも嬉しそうに笑った。
ゆうさんは生活を愛している。
だから、土器みたいな器っていうのは、最高の褒め言葉かもしれない。
みんなで一緒に写真を撮ろうということになって、ゆうさんが皮のバッグ(これも自作。とても素敵)から、ゴッツイカメラを取り出した。
このカメラ、ゆうさんとアフリカまで一緒に旅するのだな、と思った。
柔らかで小さいゆうさんとゴッツイカメラ。それが、ピタリとしていた。
サンダルも自作。肌は小麦色。それで、とても綺麗な肌。
うむむむ。
ノックアウト。
娘がダンスをしているという話になると、
ゆうさんは、
「続けるって、大事よね。
と、噛みしめるようにおっしゃった。
ゆうさんの生活をみて、「いいなあいいなあ」と、人は言うだろう。
でも、ひょっとしたら、ゆうさんにも、辞めたいなと思う瞬間もあって、続けて続けて、ここまで来たのかもしれない。
素敵な事は自分でつくる。
ますます、フアンになっちゃった。のに、今回は作品をあまり見なかった。ゆうさんばっかり、みてしまったのだ!
失敗。
つぎの個展では、作品をじっくりじっくり見させてもらおうと思う。
楽しみに、私も、作って、待とうと思う。