野性派でいこう!

日々の徒然です。子供四人。自然派。遺跡発掘事務所でお仕事。遺跡発掘調査で働き、やっぱり描いたり書いたりする日々。

大先生とお会いして。

2017-12-05 20:04:28 | 日記
よし。この道を行くんだと、決意が神様に聞き入れられたのか、素敵で不思議な出来事がいくつかあった。

その中でも、ひとつ。

ある土曜日。我が仕事の上司であり、大学の講師でもある方と、とある大学の学食で縄文時代について語らっていた。

すると、事務の男の人がかけてきて、我が上司に、

先生が部屋に一人だから、お相手して!

と、声をかけて、またパタパタと行ってしまった。

行こう!!

と7月に還暦を迎えた我が上司だが、颯爽と立ち上がった。

え。わたしなんぞが、いいのかな。
この大学卒でもないし。紛れ込んで学食のベジ定食食べてるだけなのに。

と、うろたえつつも、上司の後に続く。


学食の奥の扉の向こうにまだ扉があって、博物館実習室やら、研究室があった。

随分高い天井なのに床からびっしり本の詰まった本棚に四方囲まれた部屋である。

そこに、先生は座ってらした。

縄文と言えばこの方という研究者で、何冊も何冊も本を書き、テレビにでているのも拝見した事がある。
80歳の大先生である。

わたしは、うわ〜〜!とびっくりしてしまった事もあるし、縄文時代の事をそりゃお話してみたいけれど、すぐに勉強不足が露見してしまうだろうし、先生のオーラがすごいしで、満足な自己紹介もできずに、しどろもどろしてしまった。

それでも縄文人の慣習の事、土偶の話を伺えた。けれど、全部僕の本に書いてある、との事。
読んでから聞くべきでしたすみません。

話題は、研究室にいた先生たちとだれだれさんが本を出した、とかそんなになる。立て続けだからね、内容がね、みたいなムード。

大先生が、

うーむ。と、眉をひそめる。

昔は本を出すって大変な事だったよ。今は、気軽に出せる環境もあるみたいだけれど、本を出すという事は、本当は、恐ろしい事なんだよ。

と、おっしゃった。

まさに。
ずっとこの道で生きてきた、偉大な先生に頂いた大切な言葉だと思った。

わたしがこうやって綴った文章も、一旦わたしの手を離れたら、面識もない方々の目に触れる、その恐ろしさをもう一度肝に命じた。
わたしが、いつまでも、表現、活字、言葉のパワーに酔って翻弄される事がありませんように。

真摯に自分自身にむかえますように。

とてもとても、貴重な体験をさせていただいた。

先生、神様、ありがとうございました。



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