「相場師」、「仕手筋」なんて言葉はとんと耳にしなくなりました。
恐らく世では、まだまだまだ「相場師」も「仕手筋」も存在しているのでしょう。
それでも、一秒間に何千回も取引を成立させてしまう「高速売買システム」を駆使する投資銀行やヘッジファンド、その日の株価の方向性だけで頻繁に売買を行うディトレーダーが出来高の殆どを占める今の株式市場では、昔の「ある筋からの話」で相場が動くことはなくなってきているのでしょうね。
情緒がなくなりましたね。粋じゃないんだなあこれが。証券取引所の場立ちもなくなりましたし。やはり粋は経済合理性に負けてしまうんですね~。
はい!
ここからは私が某証券会社の池袋支店1年目、飛び込み営業をしていた時のお話です。
最初の一年は割り当てられた「東池袋」から「大塚」までの道。朝は道の左側に並ぶ商店や中小企業を一軒も飛ばさずに訪問し、午後はその反対の通りをひとつずつ飛ばさずに名刺を置きながら支店へ帰る毎日です。
さて、朝のルート「東池袋→大塚」で商店街にありながら、どう言う訳か超普通の一般宅があるのです。
恐らく他社の営業マンは商店街の間に埋もれてる一般宅には飛び込まないのです。何故ならお金の匂いがしないのです。
でも、実は真面目な私、この一軒を飛ばすことがどうしても出来なかったのです。それは、ここを飛ばしてみたら実は大きな取引を失ってたりしてぇ~
と思ってしまう貧乏性なんですね。
で、不器用な私が嫌々ながらも毎日飛び込んだ超陽当たりの悪い一般宅。
出て来て下さったのは御歳80歳くらいの品の良い奥様。そして、眼光鋭い弱い百歳かと見紛うマスターヨーダ。毎日毎日ヨーダ。実は惚けたフリのマスター。
商店街のなかの不思議な一般宅に通うことしばし。そもそも金もなさそうだけれど、品の良い奥様に甘えて、営業途中の避難所のごとくにお邪魔していたのです。マスターは相変わらず惚けたフリ。
そうこうしながら、マスターヨーダ宅を飛ばさずに回っていたある日の午後。支店に帰ってみると今朝話したマスターヨーダがカウンターに座っているのです。
マスターヨーダのオーラやフォースに薄っぺらい「いよっ!常務」は隅っこで丸くなっています。
支店長曰く。
私を眩しげに見つめて
「あ~、朴くん。◯◯さんはいつも真面目に通う朴くんが気に入って、先程、複数企業の株券を2億円ほど預けて下さった。」と。そして支店長が私の耳元で
「朴、◯◯さんの顧客登録や預かり株券を照合したら、やっぱり有名な相場師の◯◯さんじゃないかよ。どうして客になったんだ?」
あたしゃ知りません。単に毎日飛び込んでいただけですから。マスターヨーダだし。惚けたひとだと思っていたのは迂闊でした。
さてさて、
昔話しが長くなり恐縮至極。
あえてボクシング的にまた、人生振り返ってみて、多分こんなんじゃないかなあと感じたのはですね。
※ 地味な作業を飛ばしてはならぬ。
※ その時の意味を考えるな、単調な作業の繰り返しの果てに、いいことが待ってるかも。です。
あ、その有名な相場師のお客様。
大量の株券を預けて下さった翌日に、突然、心不全にてお亡くなりになりました。
私ごときに有名な相場師の◯◯さんが、長い相場師人生の最後に株券などを託して下さったんですね。
ありがたい限りです。
恐らく世では、まだまだまだ「相場師」も「仕手筋」も存在しているのでしょう。
それでも、一秒間に何千回も取引を成立させてしまう「高速売買システム」を駆使する投資銀行やヘッジファンド、その日の株価の方向性だけで頻繁に売買を行うディトレーダーが出来高の殆どを占める今の株式市場では、昔の「ある筋からの話」で相場が動くことはなくなってきているのでしょうね。
情緒がなくなりましたね。粋じゃないんだなあこれが。証券取引所の場立ちもなくなりましたし。やはり粋は経済合理性に負けてしまうんですね~。
はい!
ここからは私が某証券会社の池袋支店1年目、飛び込み営業をしていた時のお話です。
最初の一年は割り当てられた「東池袋」から「大塚」までの道。朝は道の左側に並ぶ商店や中小企業を一軒も飛ばさずに訪問し、午後はその反対の通りをひとつずつ飛ばさずに名刺を置きながら支店へ帰る毎日です。
さて、朝のルート「東池袋→大塚」で商店街にありながら、どう言う訳か超普通の一般宅があるのです。
恐らく他社の営業マンは商店街の間に埋もれてる一般宅には飛び込まないのです。何故ならお金の匂いがしないのです。
でも、実は真面目な私、この一軒を飛ばすことがどうしても出来なかったのです。それは、ここを飛ばしてみたら実は大きな取引を失ってたりしてぇ~
と思ってしまう貧乏性なんですね。
で、不器用な私が嫌々ながらも毎日飛び込んだ超陽当たりの悪い一般宅。
出て来て下さったのは御歳80歳くらいの品の良い奥様。そして、眼光鋭い弱い百歳かと見紛うマスターヨーダ。毎日毎日ヨーダ。実は惚けたフリのマスター。
商店街のなかの不思議な一般宅に通うことしばし。そもそも金もなさそうだけれど、品の良い奥様に甘えて、営業途中の避難所のごとくにお邪魔していたのです。マスターは相変わらず惚けたフリ。
そうこうしながら、マスターヨーダ宅を飛ばさずに回っていたある日の午後。支店に帰ってみると今朝話したマスターヨーダがカウンターに座っているのです。
マスターヨーダのオーラやフォースに薄っぺらい「いよっ!常務」は隅っこで丸くなっています。
支店長曰く。
私を眩しげに見つめて
「あ~、朴くん。◯◯さんはいつも真面目に通う朴くんが気に入って、先程、複数企業の株券を2億円ほど預けて下さった。」と。そして支店長が私の耳元で
「朴、◯◯さんの顧客登録や預かり株券を照合したら、やっぱり有名な相場師の◯◯さんじゃないかよ。どうして客になったんだ?」
あたしゃ知りません。単に毎日飛び込んでいただけですから。マスターヨーダだし。惚けたひとだと思っていたのは迂闊でした。
さてさて、
昔話しが長くなり恐縮至極。
あえてボクシング的にまた、人生振り返ってみて、多分こんなんじゃないかなあと感じたのはですね。
※ 地味な作業を飛ばしてはならぬ。
※ その時の意味を考えるな、単調な作業の繰り返しの果てに、いいことが待ってるかも。です。
あ、その有名な相場師のお客様。
大量の株券を預けて下さった翌日に、突然、心不全にてお亡くなりになりました。
私ごときに有名な相場師の◯◯さんが、長い相場師人生の最後に株券などを託して下さったんですね。
ありがたい限りです。