クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

美人薬局の淡い思い出

2020年12月28日 | ちっちゃいおっさん

私、昔、証券マンでした。

今はあるのか分かりませんが、新人時代は飛び込み営業をさせられていたんですよ。


胆力を養うためなんでしょうかね。自分自身で取引を獲得して自信をつけさせるためなんでしょうね




当時、池袋サンシャイン裏手の東池袋から大塚辺りまでが新人証券マンに割り当てられた飛び込み営業の地区でした。


その東池袋に一軒のスーパーがありました。


一資本で経営してるわけではなく、中には八百屋、魚屋、肉屋、総菜、乾物、洋装店、花屋など別々のお店が入っている市場のような雰囲気。


サーカスのテント内のようにわくわくした気分になれる場所でした。


結局は洋装店のお婆さんに気に入られ取引が始まると、彼女の口利きで全てのお店がお客様になって下さったありがたい市場でした。


勿論、そうなると口の硬さが要求されます。隣のお店が何に投資して幾らの損得があったかは絶対に言ってはならないことです。


さて、その市場に小さな「薬局」がありました。「こんな小さな場所でこんな小さなお店を出して儲かるんだろうか?」頭の良さげな主人が薬剤師服を着て店番をしているのですが、儲かっている様子がないので、「薬局」だけ飛ばして回っていたのです。


が、或る日から主人ではなく「北川景子」(今に例えると)が薬剤師服を来て店にいるのです。それはラビットパンチを喰らったような衝撃で目眩がする程です。


何しろ凄い美人です。理知的な眉目、高く可愛い鼻、ぽっちゃり蠱惑的な唇、色っぽい耳、何より陶器のような白い肌。薬剤師のコスプレをしている女優のよう。




薬科大を出て国家試験にパスしてるので、年齢は私より上かあ~ でも、20代半ばから後半かあ、でも、何故こんな美人がこんなところで働いてるのか不思議でなりません。


こうなると俄然、飛び込みに熱が入ります。


毎日、いや1日に2度も市場により薬局に飛び込む日々。薬局に寄るたびにリポビタンやユンケルやオロナミンCを買い続ける日々。


徐々に打ち解けて親しく話してくれるようになりました。今なら直ぐ口説いちゃうんですけどね~。いやいや、なんとも、自分でももどかしいこと。


或る日のことです。


頭の良さげなご主人とその奥様がお店にいらっしゃいました。北川景子の姿が見えなくてガッカリしていると


「朴さん真面目だよね。他の店からも評判いいよ。で、うちは薬局でしょ。色々付き合いがあって薬メーカーの株式を持たなければならなくなってね。どうせ買うなら朴さんからと思ってね。で、ここでは話しにくいから自宅に来てくれる。」とプチラッキーな話です。


翌日、西武池袋線沿線のご自宅に伺いインタフォーンを押すと「は~い」と綺麗な声でドアを開けてくれたのはなんと!北川景子!

あ~、なんと綺麗なんだ!それに引き換え、私のこのヨレヨレのスーツや底の減った靴ったらどうよ。


そうです。北川景子は頭の良さげなご主人の娘さんだったのです。うん!こうなると話は早い。


私は真面目の評判も高く、ご主人と奥様にも信頼して頂いてるし!こうなったら養子にと言われたらなるしかあるまい!と玄関先で瞬時に考えリビングに通されました。


契約も無事終了し、お茶を薦められました。

北川景子がお茶を運んで来ます。あ~ なんか幸せや~! と彼女の左手を見ると


え~! それ婚約指輪じゃん (;゜0゜)

。・゜・(Д`)・゜・。


そうです、北川景子は結婚するために大病院の医局を辞め式までの期間、実家のお店を手伝っていたのです。




だったら、初めから指輪しといてくれよ~

ひとりで盛り上がってしまったではないか!

あ~ 良かった。色々アプローチしていたら完全なピエロでしたわ。


私、ガッカリしながら肩を落としてとぼとぼと支店に帰ったのでした。


もう35年前のことでございます。