老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

ややこしい日本語 その(69) ~「五里霧中」と「間髪」「綺羅星」はどこで区切る?~

2024年12月02日 19時07分55秒 | 面白い言葉や語源など
 「五里霧中」の読み方は「ごりむちゅう」で、<weblio辞書>に拠ると、
“物事の現在の状況が分からず、先の見通しが立たず、どうしてよいか全く分からない状況”を意味する語です。

 この語源については、<Domani>などに拠ると、
中国漢王朝の後期に関する歴史書の『後漢書(こうかんしょ)』で描かれた張楷(ちょうかい)という儒学者の話です。張楷はとても人嫌いで、よく「五里霧」という秘術を使って姿をくらましていたという故事が元になっているといわれています。つまり、「五里霧中」とは「五里」+「霧中」ではなく、ことばの構成は「五里霧」+「中」なので、注意が必要です。

 また、最近では「五里夢中」と書く人が増えていますが、これは「無我夢中」との混合でしょう。


 これと同様に、多くの人が使いながら、その語源や由来が判っていないために区切り方を間違えやすい中国由来の言葉が他にもあります。(以下は、<CLASSY.><国語力アップ.com>などを参考にしました)

 ・間髪
「間髪を入れず(或いは、容れず)」という言い方で使われる場合が多いですが、「すぐに」「まったく時間をおかずに」という意味を示す表現です。

 この言葉は、中国前漢時代の故事・説話集である『説苑(ぜいえん)』が由来です。『説苑(ぜいえん)』の中の「間不容髮」という一文に由来するようで、「間に髪を容れず(かんにはつをいれず)」となります。意味は「間に一本の髪の毛を入れる隙間もないほど、事態が切迫している」という内容です

 したがって、「間髪」という単独の語彙があるのではなく、「間、髪を容れず」という構成の言い回しであるということです。

・綺羅(きら)
 現在では、「綺羅星のごとく(し)」という表現で、有名人などが華やかに並んでいる場合に使いますが、「綺」は綾織りの絹布、「羅」は薄い絹布の意なので、<コトバンク>に拠れば、「綺羅」
1 美しい衣服。羅綺。
2 外見が華やかなこと。また、うわべを装い飾ること。
を意味します。

 従って、「綺羅星のごとく(し)」という言葉は、“美しい衣服を着た人々が星のように並んでいる”という意味で、正式な言葉としては「綺羅」+「星のごとく(し)」であり、「綺羅星」という言葉はないのです。

 しかし、最近の辞書では、「綺羅星」を「誤用から」としたうえで見出し語として取り上げるようになってきています。言葉は生きもの。もとは誤用でも多くの人が使ううちにやがて認知されていくのはよくあることです。


 また、中国由来の言葉だけでなく、日本由来の言葉でもこの種の区切りを間違う言葉は沢山あります。
有名なのは、有名な随筆である「枕草子」の著者である、「清少納言」でしょう。

 多くの人が、「清少」+「納言」と発音しますが、正式には「清」+「少納言」です。

※「清」は彼女の実家「清原氏」。「少納言」は貴族の官職名(近親者に少納言の男性がいた場合にこう呼ばれることがあった)。だから「せい・しょうなごん」です。 (まさ)


<今日の夕食>

湯豆腐/鳥手羽中/煮込み/チリメンジャコ/ヨモギ麩

鳥手羽中  唐揚げです
煮込み お煮しめ風の煮込みで購入品

チリメンジャコのかき揚げ  私の大好物でビールにピッタリです

ヨモギ麩 (購入品を焼いて、ゴマ味噌ダレで)




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