“そうやすやすと相手の望み通りには応じられない。また、物事はやすやすと思う通りに運ぶものではないということのたとえ”として、「そうは問屋が卸さない」という言葉があります。
この言葉の意味は、何となく判るものの、「問屋」が現在の「問屋」と同じなのか、とか本当の語源は?とかの疑問がありました。
調べて見ると、「問屋」とは、商品を買い入れ、小売店に卸売りする業者のことで、現在の「問屋」と同じですが、いくら客の言い値で売れと言われても、問屋はそんな安値で卸売りしないという事から出てきた、ごく真っ当な由来でした。
業者の安売り競争を目の当たりにしている現在の私たちには、“なぜ、問屋が競争しないの?”という疑問を持ちますが、現在の安売り競争の問屋と違い、江戸時代の問屋は、同じ業種の問屋同士で、株仲間を組織して、自分たちの既存利益を守っていました。
そして、勝手に問屋業を行うことを許さず、卸す価格なども話し合いで決め、安売りするなどの抜け駆けは許さない、強力な団結力と排他性を持っていたようです。
このような江戸時代の問屋に安く商品を卸してくれと頼んでも、それは無理なお願いということだったんのでしょう。(まさ)