映画『愛する人』【原題は『MOTHER AND CHILD』2009年
監督 ロドリゴ・ガルシア
主演 ナオミ・ワッツ(エリザベス), アネット・ベニング(カレン), ケリー・ワシントン(ルーシー)
, ジミー・スミッツ(バコ), サミュエル・L・ジャクソン(ポール), デイヴィッド・モース(トム)
★あらすじ★
51歳のカレンは、14歳の時に身ごもって養子に出した娘に思いを寄せていた。
一方、養子に出されたエリザベスは弁護士のキャリアを積みながら、
家族や恋人と深く関わることを拒んで生きてきた。
そんなふたりの運命が、人生のある決断を通して近づいていく。
いきなり子供のラブシーン出産と、衝撃的なオープニングからスタート・・・
実際に、十代の子の出産が、こんなに多いものなのか?と驚きました。
生々しいシーンもあったけど、それ以上に命への母達の想い、娘に対する愛情が溢れていました。
気難しい人が何人も出てくる・・・。一番は、自分でも認めていたけど
話しの軸となるアネット・べニング演じるカレン・・・
一緒に暮らす年老いた母からも恐れられ?家政婦親子にとっても難し人。
好意を寄せてくれるバコにも、ひどいことを言ってしまうし、可愛くない。
人の好意に素直に応えられない人。
産まれてすぐに養女に出されたカレンの娘、ナオミ・ワッツ扮するエリザベスも同じ。
エリザベスはカレンが14歳の時に産んだ子で、産まれてすぐに養子に出されたため、
お互いに顔も知らない関係です。
エリザベスは有能な弁護士として順調にキャリアアップしていたが、
17歳から自分ひとりの力で生きてきた。男性は、セックスの相手としてのみ存在する?生活を送っている。
この2人の人生にプラスしてもう一人、子供のいないルーシー(ケリー・ワシントン)夫妻
実母と共に、ケーキ屋さんで働いているが、子供ができない。
子供好きな夫のためにも、養子を迎えようとするが・・・・。
3人の人生がパラレルに描かれ、
そしてやがてそれは母娘の血と愛情の繋がりによって一つに収束して行きます。
産まれてすぐに養子に出したこと、心の中で悔いていた年老いたカレンの母。。。
14歳の娘の事を想っての決断だっただろうけど、初孫?ん~なぜ手離してしまったのか?
その後、カレンが、ず~と忘れられないでいる姿を目の当たりにする日々は、辛く悲しい。。。
「人生は失望の繰り返しよ・・・」と、カレンには笑顔を見せることなく逝ってしまう。
母が生前心情を漏らした相手は、カレンに断りもなく子供を連れて仕事にくる家政婦さん。
彼女もシングルマザーで、娘を抱えて頑張っているひとり。
カレンの母を、心の広い優しい女性だったと、カレンに申し訳ないことをしたと悔いていたと話す。
「Why didn't she say that to me?(何故それを私に言ってくれないの?)」
頑なな心を、少しずつバコや家政婦に見せることによって、カレンは変わっていく。。。
大切なのは“血”ではなく、共に過ごす時間
“時”は貴重なもの
時が過ぎる前に、行動を・・・(娘さんを探して~)・・・
後悔は、心を蝕む・・・バコの娘さんの言葉が、心に残ります。
バコと結婚して、笑顔が多くなったカレン
エリザベスは、17歳で違法に卵管結紮術をしていて、避妊は完璧なはずだった。
それが、妊娠。しかも同時期に、二人と付き合っていたためどちらの子かわからない?
母カレンの幼すぎる妊娠とは、かなり違うが、妊娠を機に、意外にも出産を決意。
男達からも身を隠し、ひとり出産に備える。
なんだかリアルなお腹・・・と思ったら、この時実際に妊婦さんだったナオミ・ワッツ
順調にお腹の中で育つ我が子と共に、育つ母性
そんな時に知り合った、14歳の盲目の少女に、エリザベスは、自分を産んだ母を重ねる。
母に、逢いたいと思った
切ない結果になってしまいますが、いい映画でした。
ウソは、忘れるからと、いつも本音で語るルーシーは、養子を育てることになるのですが
眠れぬ日々に、母を呼び出しここでも本音が炸裂!
「泣かれるとバケモノに思えて、無性に腹が立つ愛せない」
「昼も夜も、おっぱい・オムツ・抱っこ!
泣いて要求し、私を従わせる。何様のつもり」
そんな娘に呆れながらも、叱咤激励する母
最後に頼りになるのは、やはり母・・・みんなそうやって育ててきたのですよね~
上手く説明できないのですが、本があるのなら原作から読んでみたくなる映画でした。
お母さん本当にありがとうね~
お陰さまで?私は息子だったけど、頑張れた気がする。。。
ThankYou
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