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抗生物質を安易に使うと危険!人体の9割は細菌でできている

2017-06-20 | 医療、健康

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170619-00131873-diamond-sociから抜粋

 本書の要点

 (1) 私たちの体を構成しているもののうち、ヒトの細胞は10%しかない。残りの90%は細菌であり、人体から微生物がいなくなったら私たちの生活は成り立たない。
(2) 肥満やアレルギー、心の病気などは「二一世紀病」と呼ばれるが、これらの原因を探っていくと、人体の中の微生物の存在がクローズアップされてくる。
(3) 有益な微生物を増やすことは健康への第一歩だ。食生活の改善や出産方式、授乳方法などを見直すことにより、私たちは微生物を「選択」することができる

◇四つのイノベーション

 人類はこれまで、天然痘やコレラやペスト、麻疹や風疹など様々な病気と闘ってきた。そして十九世紀から二十世紀にかけ、医療や公衆衛生について四つのイノベーションが起きた。それは予防接種、医療現場の衛生習慣、水質浄化と、抗生物質だ。これらの誕生により、人類は感染症の脅威から遠ざかることができた。

 そのかわり、花粉症や肥満、うつ病などそれまでなかったような病気が過去六十年間に次々と出てきている。これらは「二一世紀病」と呼ばれており、あまりにあちこちで見られているために私たちはそれが普通だと思ってしまっているが、実は普通ではないのである。

 ◇二一世紀病を疫学的に問うてみる

 二一世紀病に共通するものは何かと考えたとき、まず浮かび上がるのは免疫系だ。アレルギーも自己免疫疾患も免疫系の過剰反応である。そして次に浮かぶのは消化器障害だ。自閉症の患者は慢性的な下痢に悩まされているし、うつ病と過敏性腸症候群は連動して起こる。肥満も腸内を通過する食べ物が起源だ。

 また、かつて感染症は人と人との接触を通じて広まったが、肥満や自閉症、アレルギーや自己免疫疾患はみな欧米で流行している病気だ。これらの国は地理的に接触しているだけでなく「豊か」だという共通点もある。最近では新興国や途上国でも近代化に伴って拡がっている。

 【必読ポイント!】
◆あらゆる病気は腸からはじまる
◇カロリー計算で体重コントロールはできない

 ◇心を操る微生物

 ある少年は、一歳のときに耳に感染症ができ、抗生物質で治療を行った。それまでは健康体で育ったものの、治療中からよく下痢をするようになり、奇行も目立つようになった。二歳になるころには重度の自閉症と診断された。

 生まれたときには正常だったのにそれはおかしいと感じた母親は、いくつもの文献や論文を読み漁り、息子は抗生物質で体内の細菌を殺している間に破傷風菌に感染してしまったのではないか。そして破傷風菌が腸に入って下痢を引き起こすだけでなく、何らかの形で脳にも達したのではないだろうかとの仮説に至った。

 何十人も断られた後にその話を信じてくれる医者をなんとか見つけ出し、破傷風菌を殺す抗生物質を投与してみたところ、なんと少年は正常な状態を取り戻したのである。自閉症だけでなく、統合失調症などと診断される病気も腸内細菌の組成比が影響しているという研究結果が出たのはごく最近のことだ。

◇「衛生仮説」の不備

 花粉症をはじめとするアレルギーも二一世紀病のひとつだが、その原因はまだ特定されていない。衛生水準の向上により昔に比べて免疫系の出番が減ったため、力を持て余した免疫系が花粉のような無害なものまで攻撃するようになった、というのが「衛生仮説」であり、現在の世の中で支持されている。

 しかし、この仮説には弱点がある。病原体や寄生虫が不在のとき、他に免疫系の標的になりそうな微生物はたくさんいるのになぜ花粉が標的になってしまうのかということだ。ひとつ言えることはヒトの免疫系も単独に進化してきたものではなく、微生物と共に育ってきたシステムだということだ。つまり、微生物生態系のバランスが崩れると免疫系のバランスも崩れてしまうのである。「衛生仮説」ではなく、二一世紀病を抑えるためには微生物の力が必要だという説を唱えるべきときがきた。

 ◆微生物生態系への理解を深める
◇抗生物質が微生物集団の構成を変える

抗生物質は感染症を引き起こしている細菌だけでなく、関係のない細菌まで大量破壊してしまうことがある。先に述べた自閉症児の例以外でも、過去に抗生物質を処方されたことのある子どもは過体重になりやすかったり、喘息やアトピー、花粉症になりやすかったりといったデータもある。

 

そこで改めて二地域の子どもの食生活を比べると、摂取量が明らかに違ったのは食物繊維だった。アフリカの僻地の子どもの摂取する食物繊維は多く、先進国の子どもは少ない。アフリカの僻地の子どもは食物繊維を分解する腸内細菌を数多く持っており、この細菌の組成比が体重の増減に影響を与えていることが分かった。

◆産声を上げたときから
◇産道にいる微生物

 微生物は我々の遺伝子に組み込まれているものではない。微生物との共生は人間に利益をもたらすが、その微生物はどうやって子孫に受け継がれているのだろうか。子宮内部の羊水に浸かっているとき、胎児は無菌状態にある。しかし、破水と同時に外界との接触が始まり、産道を通るときに微生物のシャワーを浴びる。

 新生児の腸内細菌の構成は、母の膣内と最も近い。大人の腸内と違い、病原体を殺す役割をする乳酸菌の割合が高い。ヒトは赤ん坊を守るため、膣に大切な微生物を待機させておくよう進化してきたのだ。先進国ではお産の三割程度が帝王切開で行われるが、帝王切開で生まれた子は感染症やアレルギー、さらには自閉症や肥満になりやすいというデータもある。もちろん帝王切開は緊急時には必要となる大事な出産手段だが、子どもの健康上の影響についても知っておきたい。


 ◇母乳の中にいる微生物


 また、母乳には母親の腸内にいるのと同じ細菌も含まれている。血液を通して細菌が腸内から母乳に移動しているのだ。さらに驚くべきことに、母乳の成分は出産方式によっても違う。陣痛を経験した母親の母乳は、陣痛が始まる前に計画的な帝王切開で出産した母親の母乳よりも微生物が豊富なのだという。

 では、粉ミルクで育つ赤ん坊はどうなのだろうか。粉ミルクで育つ赤ん坊は感染症にかかりやすい。乳幼児突然死症候群で死亡するリスクも二倍だ。そして、皮膚炎や喘息、過体重にもなりやすい。

 我々は、粉ミルクよりも母乳の方がいいということは感覚的に分かっているものの、母乳をあげないとどうなるのかについてはあまり知らない。子どもに受け渡す遺伝子を変えることはできないが、受け渡す微生物は選ぶことができるということをもっと考えるべきだろう。

 

 ◆微生物生態系を修復する
◇微生物は補助食品として補充できるのか

 ◇他人の糞便を分けてもらう

コメント
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