知らなかった。
スタビライゼーションスプリントを行ったが、負担も大きい。何ヶ月も掛かったので、放っておいても自然に治ったと思います。でも、おかしいなという時にマウスピースをつけると、何事もなくすぐ治っていきます。
歯をつけないようにするだけでいいなら、それがいいかも。
削ったりしたら最後です。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170623-00132859-diamond-soci&p=2 抜粋
● 日本顎関節学会は 「咬合調整」を推奨しない
Q1:「顎関節症だから、歯を削って調整します」それって、有効?
答えはノーである。
『いきなり歯を削るかみ合わせの調整を受けるのは、できるだけ避けましょう。
(GRADE 1D:強い推奨 /" 非常に低"の質のエビデンス)。
顎関節症患者において、症状改善を目的とした咬合調整は行わないことを推奨する。
(「顎関節症患者のための 初期治療ガイドライン」より抜粋)』
「エビデンス」とは「根拠」という意味。顎関節症の改善に、噛み合わせの調整が「有効」という根拠はほぼないという。
Q2:あごの筋肉が痛いとき、スタビライゼーションスプリントは有効?
答えは△といったところで、エビデンスは相当低い。
『スタビライゼーションスプリントを使った治療を受けてもいいでしょう。
(GRADE 2C:弱い推奨 /" 低"の質のエビデンス)。
咀嚼筋痛を主訴とする顎関節症患者において、適応症・治療目的・治療による害や負担・他治療の可能性も含めて十分なインフォームドコンセントを行うならば、上顎型スタビライゼーションスプリント治療を行っても良い。』
ここで言っている「スプリント」とは、上の歯全体を覆う薄い透明なプラスチックの「マウスピース」のこと。香奈さんが歯医者で提案されたのもこの治療法だが、あまり頼りにはならないようだ。
また、様々な慢性疾患(腰痛・アトピー性皮膚炎・体のバランスなど)にも効果があると謳う歯科医師も存在するが、「それを立証する確かな研究はありません」と断言している。
日本顎関節学会の説明では、顎関節症は、進行する疾患ではなく、数日から数週間で症状が軽くなる疾患だということが、大規模な疫学調査の結果、明らかになっている。だが、歯科医療分野では、疾患の症状改善や根治療法と称して、十分な説明がなされないまま咬み合わせの調整など、症状を悪化させる
● 上下の歯と歯を接触させる 「TCH」が最大の要因
精神的要因、行動学的要因、外傷性の因子、骨格などベースとなるものの解剖学的要因など、34項目の有無を尋ねた結果浮上したのが、「TCH=上下の歯を接触させる癖」。
「従来は、精神的な緊張、不安の程度、頬杖をつく癖、硬い物をよく食べるなど、様々な要因が挙げられていたが、精査した結果、最終的に残った意味のある要因は、歯を接触させる癖と年齢だけでした」(木野氏)
患者の8割がこの癖を持っており、癖を持っている人は、持っていない人の2倍、症状が悪化するという。
意外なのは、この「歯を接触させる」という行為が、「歯を食いしばる」とは違って、軽く接触するだけ、ということ。
「軽い接触だけでも、顎関節が圧迫され、筋肉は緊張状態になる。1日の合計で20分を超えている場合は要注意です。小さな力とはいえ、長時間に渡って負荷がかかり続けると血流が悪化し、顎が痛くなるだけでなく、肩こりや頭痛も引き起こします」(木野氏)
疫学調査によると、顎に何らかの異常を感じる人は全人口の7~8割にのぼるとされているが、このうち、病院で治療を受けている人は7~8%だけ。顎関節の症状を抱えている人に男女差はないが、患者数は女性が男性の2~4倍、それも若い女性と中年の女性に多いという。その理由は、女性の方が痛みを感じやすいが、痛みが強くても耐えられるために悪化させてしまい、病院を受診せざるを得ない状態になってしまうのではないかと推察されている。
● 日常的に意識して歯を離す 習慣つけて2年で改善
TCHの習慣(癖)を矯正する「3ステップ+仕上げ」までを実践するセルフトレーニングを実践した。
◆ステップ1
自分はTCHだと認識する。
こめかみと顎のあたりを指で押しながら、上下の歯を付けたり離したりして、歯を付けると筋肉が働き続け疲労し、また関節にも負担がかかっていることを認識し、「これはまずい」と実感する。
◆ステップ2
家じゅうに貼り紙大作戦。
「力を抜く」「リラックス」などの言葉や記号等を紙に書き、家じゅういたるところに貼りまくる。そして、貼り紙が目に入ったら、すぐに「大きく息を吸って吐く」脱力行動をとる。
たとえ貼り紙を見なくても、歯の接触による違和感や筋肉の軽い疲れを感じたら、力を抜く。
日々繰り返すうちに、徐々に視覚刺激からの条件反射として、歯と歯を離す習慣が身につく。
◆ステップ3
歯を離すのが習慣化。
歯と歯が触れた途端に無意識に歯を離すという、視覚刺激からの条件反射が歯の接触刺激からの条件反射に変化し、次第に就寝中も離すようになる。 すると、次第に顎関節症の症状も出なくなる。
◆仕上げ
口を開けるリハビリ。
痛みを感じるところまで口を大きく開けたり閉じたりするリハビリを行う。ポイントは、痛みをこらえてでも動かすこと。実は関節は動かさないと固まってしまう。我慢して頑張ろう。
◇
家じゅうに貼り紙をするのは正直カッコ悪いが、顎関節症を改善するためには仕方ない。夫の勇太さん(仮名・41歳)にも協力してもらい、継続した結果、2年経った今、香奈さんは思い切り口を開けても顎が痛まないようになった。早い人だと2ヵ月で癖から抜け出せるらしい。