https://gendai.ismedia.jp/articles/-/40436略
一般的に言われるもっとも大きな要因は「高齢化」である。
「他の先進国と比較して、日本では高齢化のスピードがものすごく速い。それが、がん死が増えている一番大きな要因だと言えるでしょう。日本のがん死亡者数は、団塊の世代が80代後半になる2030~2035年くらいまでは、増加し続けると思います」(大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座教授・祖父江友孝氏)略
それで当時のフォード大統領が、栄養問題特別委員会を設置し、国民の栄養と病気の関係を徹底的に調査させたんです。その結果、現代病は薬では治らない。がんを減らすには食事の内容を変えなくてはいけない、ということがわかった。それを受け、FDA(アメリカ食品医薬品局)や米国国立がん研究所が、健康のための数値目標を設定したり、がん予防に効果があると言われる食べ物の作用の研究を進めるようになりました。その国家プロジェクトの成果が実って、'92年以降、増え続けていたがんの死亡数が減少に転じたのです」略
「現代の日本人は、自分たちが思っているほど健康的ではありません。食生活の欧米化が進み、肉の摂取量は50年間で約10倍、脂肪分は約3倍にも増えました。逆に野菜や果物の消費量は減り、米国を下回っている。日本人は運動量も少ないし、いまでは多くの米国人のほうが健康的な食生活を送っているとすら言えます。
そもそも日本人と欧米人は体質が異なるので、同じ食事を摂っていても、日本人のほうが糖尿病になる確率が高い。糖尿病になると、インスリンというホルモンの血中濃度が高まりますが、これにはがん細胞の増殖を促す作用があり、発がんリスクが2割ほど高まることがわかっています」略