ちょっと今日のは、希望の持てる内容です。
多様な変異株を中和する
従来株に感染した人の一部では、経時的にB細胞の成熟化(avidity向上)が起こり、B.1.351株を中和できる抗体を保有している人がいる
とか
モーニングショーで、アストラゼネカのようなアデノウイルスRNAワクチンだと、抗体の殻が残って次打ったのは駄目で、1回しか免疫を作れないとかで、アデノウイルスにもいろいろあるけれど、もし将来、自分が罹った病気が1種類のアデノウイルスを使った製剤しか効かなかった場合、先にワクチンでそのアデノウイルスを使ったのを打っていた時に効かなくなるので、薬が使えなくなるという状態にはしたくないとか、玉川さんが言っていました。
1回しか打てないワクチンというのは、こういうことだったのですね。
エボラのような緊急を要して1回だけのだと、アデノウイルスRNAワクチンはよく効いていいのだけれど、コロナの場合、ワクチンもいろいろあるので、できれば避けたいですね。
1) 南アフリカ変異株B.1.351への感染は多様な変異株を中和する免疫応答を誘導する
2) 新型コロナ感染対策下で小児のライノウイルス感染は拡大
3) Go To トラベルは感染拡大に無関係?
4) KMバイオロジクスのワクチン、臨床試験開始
5) 第一三共もワクチンの臨床試験を開始
6) 国内で感染妊婦からの新生児感染例の報告
7) 南アフリカ:アストラゼネカワクチンを他のアフリカ諸国に転売
8) イタリアのICU電車
●南アフリカ変異株B.1.351への感染は多様な変異株を中和する免疫応答を誘導する
→一方でイギリス変異株B.1.1.7への感染で誘導される抗体は、従来株やB.1.351の中和能が弱いと
さらに興味深いのは従来株に感染した人の一部では、経時的にB細胞の成熟化(avidity向上)が起こり、B.1.351株を中和できる抗体を保有している人がいるようです。
既感染者に既存のmRNAワクチンを1回接種すると、B.1.351を中和する抗体が誘導されたという報告もあるようです。
Rare COVID reactions might hold key to variant-proof vaccines
https://t.co/pTNWe241r6?amp=1
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・Mooreは南アフリカ変異株B.1.351が免疫を回避することを発見した科学者の1人である。彼女のチームがB.1.351感染者の免疫応答の研究を始めた時は、さらに悪い事実が判明するのではないかと予想していた。しかし、予想に反して彼女のチームは希望の光を見つけたのだ
B.1.351に感染すると新旧含めた各変異株を撃退する抗体が誘導されたのだ。この発見はプレプリントとしてbioRxivに発表された。この発見は過去そして現在存在している変異株のみならず、未来に登場しうるすべての変異株にも有効なワクチンが開発出来る可能性を示唆している。
・2020年末に南アフリカで発見されたB.1.351は、いまや同国の新規症例の大半を占めるに至り、世界への拡散を始めている。この変異株が科学者の注目を集めたのは、これが南アフリカの第一波で大流行を起こした地域において、今年の初めにアウトブレイクを起こしたからだ
通常なら機能するはずの中和抗体がこの変異株に対しては効力が劣る事を意味していた。
・Mooreらが1月に報告した研究では、第一波で感染した多くの患者由来の中和抗体から、B.1.351が回避できる事を示した。その数週間後には臨床試験において、B.1.351に対するNovavaxやJ & Jのワクチンの効果が減弱している事が判明し、アストラゼネカのワクチンでは全くの無効という結果だった。
・MooreらはB.1.351に感染した89人から得られた抗体を解析した。彼らはHIVを改変してSARS-CoV-2のspike proteinを用いて感染するpseudovirusを作成し、それを用いた各抗体の中和能を測定した。89人から得られた抗体はB.1.351の変異を持つpseudovirusを良好に中和できた
Mooreが驚いたのはこれらの抗体が、他の変異株も同様に中和できた事だった。中和された株にはB.1.351が駆逐した従来株、免疫逃避変異を持つブラジル変異株のP.1も含まれていた。Sigalらのチームも先月、同様の結果を報告している。
・MooreはB.1.351感染がどのようにして広範囲な免疫応答を誘導するのかの解明に取り組んでいる。「もしかしたら、変異株でも変化しえないspike proteinの特定の領域に結合する抗体が誘導されているのかもしれません」。
先週、モデルナ社はB.1.351の遺伝子配列に基づいた改変ワクチン(updated versions)の臨床試験を開始した。ファイザーも改変ワクチンの臨床試験を計画している。Moore氏は「これらのワクチンの有効性はさらに向上する可能性があると思います」と述べている。
・変異株によって誘導される免疫は異なっていることが明らかになりつつある。たとえば、イギリス変異株B.1.1.7感染で誘導される抗体は、従来株やB.1.351の中和能が劣る事が分かっている。研究者らはB.1.351で誘導される抗体がB.1.1.7を中和できるかを検討すべきだと考えている。
・Bieniaszらのチームは感染者の一部では、時間の経過とともに多様な変異株を中和できる抗体を産生するようになることを発見した。抗体産生B細胞は、自然選択により標的となる抗原により結合力が強いものが優勢になっていく「成熟」と呼ばれる過程を経る。
彼らは感染者から数か月毎にB細胞を分離し、それぞれの抗体がB細胞の成熟に伴いどう変化するかを検討した。その結果、成熟した抗体は、感染後早期には中和できなかったB.1.351を含む変異株を中和できるようになっていった。
このような成熟化プロセスを起こすためには、抗原が長期間体内に存在している必要がある。ワクチンによってこのようなプロセスを促進する方法はまだ不明だが、アジュバントの添加はその一つの手段かもしれない。
・3月に発表されたプレプリントによると、SARS-CoV-2に感染歴のある参加者にmRNAワクチンを1回投与したところ、B.1.351および他の変異株を中和する抗体が誘導された。
感染時にすでに存在していた多様な変異株を中和できる抗体のレベルが上昇したのかもしれない。あるいは感染からワクチン接種までの期間が数か月あった事から、2回のワクチン接種後6か月から1年後に3回目の接種を行えば同じ現象が再現できるのかもしれない。
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●新型コロナ感染対策下で小児のライノウイルス感染は拡大
→インフルエンザはもちろん、他の呼吸器系ウイルスはほぼ完封されているにも関わらずです。
ライノウイルスはいわゆる風邪の主要な原因ウイルスで、接触感染が主体で広がるという従来の説を傍証した形かもしれません。
またライノウイルスはインフルエンザとウイルス干渉を起こす事が既知です。
インフルエンザの激減がライノウイルスの増加に関連した可能性もありそうです。
新型コロナの流行下、子どものライノウイルス感染が広がっていた 東大医科研調査
https://news.yahoo.co.jp/articles/0310817712105d6210abc5f13d9a56c2109bac55
→インフルエンザA(IAV)とライノウイルス(RV)のウイルス干渉を論じた論文は以下 相互に感染を増強しあうウイルスを赤系、 干渉しあうウイルスを青系で示しています。 IAVとRVは強力に干渉しあいます。 https://pnas.org/content/116/52/27142.long
●Go To トラベルは感染拡大に無関係?
→感染研の研究者がプレプリントを出したようです。
原著未確認ですが、多分、私が読んでも理解できないかとwww
これが科学的に導かれる事実なら、外出制限や水際対策も無意味という事になります。
それなら、イギリス変異株はどうやって海を越えて日本にたどり着いたのか??
無症候感染者が長距離移動しても感染拡大リスクは不変であるという結論になりますが、これも直感的に理解できません。
それでは、今回の緊急事態宣言は患者数減少において一定の効果を上げましたが、そのメカニズムは何だったのか?
アキレスと亀のパラドックスを聞かされたような気分です。
いずれにしても、この論文はGo To トラベル再開への背中を押す事になるのでしょう。
Go To トラベルは感染拡大に無関係 国立感染研の研究者らが報告まとめる
既感染者に既存のmRNAワクチンを1回接種すると、B.1.351を中和する抗体が誘導されたという報告もあるようです。
Rare COVID reactions might hold key to variant-proof vaccines
https://t.co/pTNWe241r6?amp=1
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・Mooreは南アフリカ変異株B.1.351が免疫を回避することを発見した科学者の1人である。彼女のチームがB.1.351感染者の免疫応答の研究を始めた時は、さらに悪い事実が判明するのではないかと予想していた。しかし、予想に反して彼女のチームは希望の光を見つけたのだ
B.1.351に感染すると新旧含めた各変異株を撃退する抗体が誘導されたのだ。この発見はプレプリントとしてbioRxivに発表された。この発見は過去そして現在存在している変異株のみならず、未来に登場しうるすべての変異株にも有効なワクチンが開発出来る可能性を示唆している。
・2020年末に南アフリカで発見されたB.1.351は、いまや同国の新規症例の大半を占めるに至り、世界への拡散を始めている。この変異株が科学者の注目を集めたのは、これが南アフリカの第一波で大流行を起こした地域において、今年の初めにアウトブレイクを起こしたからだ
通常なら機能するはずの中和抗体がこの変異株に対しては効力が劣る事を意味していた。
・Mooreらが1月に報告した研究では、第一波で感染した多くの患者由来の中和抗体から、B.1.351が回避できる事を示した。その数週間後には臨床試験において、B.1.351に対するNovavaxやJ & Jのワクチンの効果が減弱している事が判明し、アストラゼネカのワクチンでは全くの無効という結果だった。
・MooreらはB.1.351に感染した89人から得られた抗体を解析した。彼らはHIVを改変してSARS-CoV-2のspike proteinを用いて感染するpseudovirusを作成し、それを用いた各抗体の中和能を測定した。89人から得られた抗体はB.1.351の変異を持つpseudovirusを良好に中和できた
Mooreが驚いたのはこれらの抗体が、他の変異株も同様に中和できた事だった。中和された株にはB.1.351が駆逐した従来株、免疫逃避変異を持つブラジル変異株のP.1も含まれていた。Sigalらのチームも先月、同様の結果を報告している。
・MooreはB.1.351感染がどのようにして広範囲な免疫応答を誘導するのかの解明に取り組んでいる。「もしかしたら、変異株でも変化しえないspike proteinの特定の領域に結合する抗体が誘導されているのかもしれません」。
先週、モデルナ社はB.1.351の遺伝子配列に基づいた改変ワクチン(updated versions)の臨床試験を開始した。ファイザーも改変ワクチンの臨床試験を計画している。Moore氏は「これらのワクチンの有効性はさらに向上する可能性があると思います」と述べている。
・変異株によって誘導される免疫は異なっていることが明らかになりつつある。たとえば、イギリス変異株B.1.1.7感染で誘導される抗体は、従来株やB.1.351の中和能が劣る事が分かっている。研究者らはB.1.351で誘導される抗体がB.1.1.7を中和できるかを検討すべきだと考えている。
・Bieniaszらのチームは感染者の一部では、時間の経過とともに多様な変異株を中和できる抗体を産生するようになることを発見した。抗体産生B細胞は、自然選択により標的となる抗原により結合力が強いものが優勢になっていく「成熟」と呼ばれる過程を経る。
彼らは感染者から数か月毎にB細胞を分離し、それぞれの抗体がB細胞の成熟に伴いどう変化するかを検討した。その結果、成熟した抗体は、感染後早期には中和できなかったB.1.351を含む変異株を中和できるようになっていった。
このような成熟化プロセスを起こすためには、抗原が長期間体内に存在している必要がある。ワクチンによってこのようなプロセスを促進する方法はまだ不明だが、アジュバントの添加はその一つの手段かもしれない。
・3月に発表されたプレプリントによると、SARS-CoV-2に感染歴のある参加者にmRNAワクチンを1回投与したところ、B.1.351および他の変異株を中和する抗体が誘導された。
感染時にすでに存在していた多様な変異株を中和できる抗体のレベルが上昇したのかもしれない。あるいは感染からワクチン接種までの期間が数か月あった事から、2回のワクチン接種後6か月から1年後に3回目の接種を行えば同じ現象が再現できるのかもしれない。
-------
●新型コロナ感染対策下で小児のライノウイルス感染は拡大
→インフルエンザはもちろん、他の呼吸器系ウイルスはほぼ完封されているにも関わらずです。
ライノウイルスはいわゆる風邪の主要な原因ウイルスで、接触感染が主体で広がるという従来の説を傍証した形かもしれません。
またライノウイルスはインフルエンザとウイルス干渉を起こす事が既知です。
インフルエンザの激減がライノウイルスの増加に関連した可能性もありそうです。
新型コロナの流行下、子どものライノウイルス感染が広がっていた 東大医科研調査
https://news.yahoo.co.jp/articles/0310817712105d6210abc5f13d9a56c2109bac55
アキレスと亀のパラドックスを聞かされたような気分です。
いずれにしても、この論文はGo To トラベル再開への背中を押す事になるのでしょう。
Go To トラベルは感染拡大に無関係 国立感染研の研究者らが報告まとめる
https://t.co/ZDOlkf51Mv?amp=1
●日本の状況
→東京都の推移
東京都 新型コロナ 187人の感染確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210322/k10012928841000.html
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都内で新たに187人が新型コロナウイルスに感染していることを確認
都の基準で集計した22日時点の重症の患者は21日と同じ47人
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本日の全国の感染数・推移
千葉97人、大阪79人、埼玉60人、神奈川56人、北海道50人、
宮城42人、愛知31人、
3月22日 新たに確認された感染者数
https://t.co/90gSdETBQF?amp=1
→緊急事態宣言解除で出勤する人出は確実に増えたようです。
新宿駅西口は通勤客同士の肩が触れ合うほどだったと。
グラフでは全国の新規感染者数はすでに完全に上向きです。
これがその後に横ばい~低下となる要因が私には一つも思いつきません。
https://nikkei.com/article/DGXZQODG2207X0S1A320C2000000/
→KMバイオロジクスのワクチン、臨床試験開始
これはAlumアジュバントの全粒子不活化ワクチンです。
全粒子ワクチンですのでウイルスを培養する必要があり、細胞培養法を使うとしても製造まで時間がかかります。
変異株に対する対応速度も生存ウイルスを分離する事から始めないといけない点で問題あり。
誘導される免疫もこの方法ではTh2優位になる可能性があり、ADEが懸念されるという問題もあります。
利点は副作用は少ないだろうという点か・・・
KMバイオ、コロナワクチンの治験開始
https://t.co/OOYH0MUaXt?amp=1
→第一三共もワクチンの臨床試験を開始しました。
こちらはmRNAワクチン。
ファイザーやモデルナとの違いは把握できていません。
第一三共、ワクチン治験開始 新型コロナ、安全性確認
https://t.co/2fuoIwiywf?amp=1
→国内で感染妊婦からの新生児感染例の報告
小児科学会からの報告です。
国内初事例で、新生児の健康状態には問題なしと。
感染した妊婦が出産、赤ちゃんもPCR陽性に…国内で初確認
https://t.co/jGJTo7z2iB?amp=1
→小児科学会のHPから報告書は閲覧可能でした。
調査票を医療機関に送った集計結果で52例の感染妊婦から1例(1.9%)の感染新生児が出生したとあります。
胎内感染か出生後感染なのかも含め、臨床情報は全くなし
公開されているのは要約版なので、これから詳細な情報が出てくるのか?
新型コロナウイルス感染(疑い)の妊婦から出生した新生児の診療・管理体制に関する調査(要約)
http://jpeds.or.jp/uploads/files/20210322_shinseiji_covid19_hokoku.pdf
→南アフリカ変異株がすでに主流の南アフリカ
臨床試験ではアストラゼネカのワクチンは「変異株に完全に無効」という最悪の結果で、購入した150万回分が無駄になっています。
というわけで、これを9か国に恐らくは安価で譲渡するようです。
国名は明らかにしていないと。
南ア、アストラゼネカのコロナワクチンを他のアフリカ諸国に転売
https://t.co/utL9GEKNFO?amp=1
→イタリアのICU電車
21人のICU患者を搬送する事が可能なようです。
酸素22万リットルと発電機6機搭載、医師4人と看護師8人が乗務。
第3波ですでに一部ICUは満床に近づいていると。
重症患者21人を他都市へ搬送できる「ICU電車」誕生
https://t.co/KVcN5iyjuK?amp=1
→EUがオランダで生産されたアストラゼネカワクチンのイギリスへの輸出を拒否
アストラゼネカはEUへ契約通り供給できていません。
英国の2工場はEUの要請にも関わらず、EUに輸出されていないとの事なので当然の成り行きでしょう。
アストラゼネカのワクチンですらこの争奪戦。
ベルギーで生産されたファイザーワクチンが、日本に予定通り輸出されるという見方はかなり楽観的に過ぎるかもしれません。
EU、蘭工場で生産のコロナワクチン巡り英の輸出要求拒絶=当局者
https://t.co/lsh6vu5vjI?amp=1