年賀状を交換している他府県の方が、被害に遇って半壊し、建て直したとあって、日本でも侮れないと思ったことがあります
https://www.chunichi.co.jp/article/383773
規格外竜巻、日本でも? 専門家「常識・経験、通用しない可能性も」:中日新聞Web
米南部と中西部で十日から十一日にかけて猛威を振るった竜巻。中部地方でも沿岸部を中心に竜巻はたびたび発生しており、専門家は「国内でもこれ...
中日新聞Web
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気象庁によると、日本では二〇〇七〜一七年に平均二十三件(海上竜巻を除く)の竜巻が確認された。時期では九〜十月が最も多い。一九九九年九月には愛知県豊橋市付近で発生し、負傷者四百人以上、全半壊約三百五十棟の国内最大級の被害を生んだ。 名古屋大の坪木和久教授(気象学)は「海岸沿いの平野部は、海から水蒸気が流れ込み積乱雲が発達するので竜巻の発生が多い。関東平野や沖縄のほか、愛知では豊橋や豊川などの太平洋沿岸で多い」と指摘する。 今回の米国の竜巻はどれほどの規模なのか。突風の強さを六段階で示す「日本版改良藤田スケール」で、「4か5だったのでは」と坪木教授。「あくまで印象だが、九九年の豊橋の竜巻と比べると直径は二〜四倍、風速も二倍以上、風のエネルギーは四倍以上だっただろう」と推測する。同時多発的に数十の竜巻が発生し被害地域も広がった。 米国で竜巻が発生するのは四〜六月が多い。「十二月にこんなに強いものが起きたことはない。気候変動の影響が出たのでは。これまで藤田スケール3が最大級だった日本でも今後は常識や経験の通用しないことが起きる可能性が十分ある」と坪木教授はみる。 竜巻から身を守るには、前兆に気づくことが大切だ。発達した積乱雲が近づくと、黒い雲で暗くなり、稲光が走って雷鳴が聞こえ、冷たい風が吹く。坪木教授は「飛散物でけがをする危険もある。窓のない頑丈な建物に避難してほしい。家の中ではトイレや浴槽の中で身をかがめるのも有効」と話す。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/148671
「日本でもある」多発竜巻 発生や進路予知は可能なのか? 科学研究の今:東京新聞 TOKYO Web
甚大な被害が出た米国の竜巻。これほどの規模ではないものの、日本でも毎年のように被害が出ている。米国のケースは季節外れの冬に同時多発的に...
東京新聞 TOKYO Web
竜巻発生から1週間。崩れた家屋の片付けをする住民ら=2019年10月19日、千葉県市原市永吉で ◆「いつ、どこで起こるか分からない怖さ」 10月中旬なのに、夏のような暑さを感じた午前8時過ぎ。突然雨風が強まり、窓がガタガタと揺れ始めた。ものすごい音が1分ぐらい続いただろうか。何が起きたか確かめようと、外に出て驚いた。 「隣近所の家がつぶれたり半壊したりしていて、電柱も倒れていた。自宅は瓦が少し飛んできた程度で、その時は竜巻と分からず『えっ?』という感じ。もし直撃していたらと思うと、今でもぞっとする」 市危機管理課によると、建物被害は全・半壊、一部損壊合わせて80軒。自宅が倒壊したり、窓ガラスが割れたりして9人がけがをしたほか、車の運転中に巻き込まれ、1人が亡くなっている。大関一彦課長は「大型で強い台風19号がもうすぐ来るという時だった。竜巻注意報が出ていたが、いつ、どこで起こるか分からない怖さ、対応の難しさを改めて感じた」と振り返る。
気象庁によると、04~06年に平均で年間1300個程度もあった米国ほどではないが、日本でも竜巻はたびたび発生。07~15年は平均25個で、過去10年も毎年10個以上が確認されている。 今年も各地で発生し、8月は岐阜県八百津町で建物33軒に被害が出た。11月には千葉県富津市でも「竜巻の可能性が高い」とされる突風が発生。車の破損や漁港でのボート横転などが確認された。 ◆日本は9月、台風に伴うことが多い 直撃すれば死傷者が出ることも多い。06年11月に北海道佐呂間町で起きた竜巻は、トンネル工事現場の事務所を巻き込んで70~80メートル吹き飛ばし、9人が死亡した。12年5月には茨城県つくば市で風速70メートルを超える竜巻が発生。崩れた自宅の下敷きになった中学生1人が死亡した。 原発業界も威力の強さを警戒。関西電力高浜原発では20年11月、竜巻による破損を防ぐため、敷地内の燃料取替用水タンクをステンレス製のフェンスで3重に覆う対策を施した。
今回の米国の竜巻は12月に発生したが、本来多い時期はいつなのか。東北大の伊藤純至准教授(気象学)は「米国で起きやすいシーズンは5、6月だが、日本の場合は9月ごろ、台風に伴って来るケースが多い」と語る。米国では、広範囲にわたって計50個の竜巻が同時多発したと伝えられるが、「つくばの竜巻も同時多発。米国のように多くはないにせよ、日本でもある」という。 ただ、竜巻は台風に比べて物理的なスケールが小さく、出現している時間も短いため、観測自体が難しい。「10年前と比較した状況分析や変化の傾向など、それらを検証するだけのデータがないのが現状だ」と伊藤さん。風速も、通った後の被害状況から推定しているという。 ◆日本での本格研究は2000年以降「メカニズムはまだ」 竜巻の発生や進路を予知することは可能なのか。 竜巻について、日本で本格的に研究の機運が高まったのは2005年以降だ。この年の12月、山形県庄内町でJR羽越線が脱線して38人が死傷する事故があり、後に竜巻が原因と分かった。翌年9月には宮崎県延岡市でJR日豊線の特急が横転するなどし、死者3人と140人以上の重軽傷者が出た。略
一方、新野宏東大名誉教授(気象学)は、米国ではスーパーセルが観測された時にその4分の1で竜巻が起きるという統計があり、「的中率は低いものの、竜巻はある程度予測可能だ」と語る。竜巻の注意情報は台風などと比べてわずかな時間のため、高層ビル工事や遊園地の大型遊具に従事する人は、事故を起こさないために休止することもできる。避けられない用事の無い人は雨戸を閉めた家屋にとどまるなど、的中率は低くとも、役に立つ使い方はあるという。 ◆「異様な感じを五感で感じて」 では、竜巻の発生に備え、個人としてできることはあるのか。 防衛大の小林文明教授(気象学)は、竜巻が近づく前兆に気づくことは可能だと語る。「急に暗くなったり、稲光がしたりする。近づくと冷たい風が吹き、ひょうが降る。草むらや土のにおいが漂ってくる。異様な感じを五感で感じることができる」 実際に竜巻が来たときは、頑丈な建物に入るべきだという。「飛散物によりガラスが割れたり、屋根が吹き飛んだりするので、そこから離れることも必要」。2階より1階、それよりも地下が安全になる。地下室がある家が少ない日本では、柱に囲まれたトイレや浴槽も避難場所になる。 そのうえで、地震や台風の避難場所になっている学校や市役所の備えには課題があるとみる。「日本の場合、竜巻に対して脆弱ぜいじゃくな施設がたくさんある。それをどうするのか、考えなければいけない」
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20211215-OYT1T50281/