Tokyo Walker

諸事探訪

光を求めて

2023年03月27日 14時58分37秒 | カメラ

 表題の「光を求めて」から宗教の話しかと誤解されるかもしれないが、「写真」の話しである。最近、ひょんな事からモノクロ写真について出会う機会があった。元々写真の元祖は白黒で、今更出会いも何も無いのだが、再認識と言った方が正しいのかもしれない。
 写真は技術的な発展により白黒からカラー化されて久しい。カラー化はいろいろな意味で写真に貢献していることは確かであり、そこに異論はない。カラー写真はその情報量によってモノクロ写真を圧倒する。しかし、情報量が多いことによって損なわれた部分もある。それは写真がどうしても「散漫」になってしまうことである。モノクロに比べて、どうしても主張が希薄になってしまうのである。従って、そこに意図的なものがあったとしても、圧倒的な情報量の中に埋没してしまうのである。

 単に「美しい」「綺麗だ」というだけではどうしてもありふれてしまう。ましてや漫然と、何の意図も無く撮ったのでは尚更のことである。モノクロ写真は情報量が少ない分、単純である。そのために主張が明確になりやすい。もしそこに意図的なものがあるとすれば、それは浮き立って見えてしまうのである。

 折しも「ザ・ヒューマン/NHK」で、写真家でもあり画家でもある陳漫(チェンマン)が紹介された。写真家は解るが、同時に画家というのは珍しい。大体、時間を掛けて絵を描くのが苦手で写真家になるようなものなのに、彼女はそれを苦にしない。そしてよくカメラを持って森の中を散策している。「いい写真を撮る秘訣」あるいは「何を目指して撮る」のかという質問に、それは「光」だと答えていた。見ているもの、気にしているものは「光」だけなのだ。そして、新たに取り組んだ屏風絵(2頭の獅子と茶の古木)は、モノクロの世界そのものであった。

 You tube「まきりな/Makirina ch」 https://www.youtube.com/watch?v=PyrltHbrjlw
 まきりなさんのYou tubeの中でも紹介されているが、そぼ降る雨の中、森を散策して「Micro-NIKKOR-P Auto 55mmF3.5」で写真を撮るというものがある。普通には「いや、雨はちょっと」と敬遠するものだろうけれど、彼に言わせれば雨降り、曇りだからこそ撮れる写真があるのだという。雨にけぶる薄暗い森の中、モノクロ・モードでかすかな光を見逃さないようにして写真を撮っている。明るい晴れた日では難しい、この「光」が重要なのである。自然が織りなす造形とこの「光」がすべてであるとしたら、モノクロはその表現に最もふさわしいものなのかもしれない。

 掲載写真はカメラのCreative Style機能でカラーは「Standard」、モノクロは「白黒」に設定して撮影してみた。次回は本格的に白黒に設定して、訴求力のある「主張する」写真に挑戦してみたい。モノクロが持つ本当の迫力を表現することが出来たらすばらしいと思うのだが、どうだろう。

Body   α7Ⅱ/SONY
Lens     Micro-NIKKOR-P Auto 55mmF3.5/Nikon
Mount Adapter NF-SαE Adapter/Rayqual
Filter   φ52mm Pro1d Protector(W)/Kenko
Hood   無し




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