2013年1月1日よりホテル椿山荘東京に変わった椿山荘は
小高い丘に建ち、広大な庭園敷地の内に宴会施設、ホテルなどを擁している。
この地は、南北朝時代から椿が自生する景勝地だったため
「つばきやま」と呼ばれていた。又、江戸時代は久留里藩黒田氏の
下屋敷だった。明治の元勲山縣有明が西南戦争の功により、
明治11年、この地を購入、自分の屋敷として椿山荘と命名した。
その後大正7年、大阪の藤田財閥が譲り受け、東京別邸とした。
昭和27年結婚式場として営業開始。平成4年敷地内に
フォーシーズンズホテル椿山荘東京がオープンした。
2012年12月31日、フォーシーズンズホテル&リゾート社との
業務提携契約が終了し今日に至った。
ホテル椿山荘東京は全体の平面、立面案内図。
前述の写真はプラザとタワー。これからはホテル(旧フォーシーズンズホテル)を
アップします。東京の中心地域(文京区内)にあって約2万坪に及ぶ
広大な園庭は、都心に居ながら四季の移り変わりを感じられる貴重な所だ。
ホテルロビーとフロント。ロビーラウンジ「ル・ジュルダン」
洒落たウェディング資料閲覧スペース、とてもシックな階段スペース。
丁度バブル時代の平成4年にオープンしたその当時の
フォーシーズンホテルは、ギラギラした世の中で、
全く違うウッドと渋い大理石を多く使った大人の雰囲気の
ラグジュアリーホテルで、他のホテルと違ってすごく魅力的な
ホテルであったことを思い出す。あれから28年経って
時代もホテルも全く様変わり、ちょっと時代の流れからは
外れて来た感もするが、やはり好きなタイプのホテルだ。
庭園内の雲錦池畔に建つ数寄屋造りの料亭「錦水」。
ここには真砂、八千代(大広間)羽衣、春日など
12タイプの部屋があり、それぞれの持ち味があり、
用途によって選ぶことが出来る。料亭錦水の後ろに見える
ギザギザの建物がホテル棟。玄関を入って大きな硝子窓の
向こうには手入れの行き届いた中庭がある。玄関の所に4つの
提灯があり、夜に成ると庭園を散策する為に用意されている。
エントランスからロビーにかけて和モダンの空間が広がり、
心豊かにさせるものがある。料亭の眼下には緑濃い庭園を
眺めることが出来る。その向こうに見えるのが宴会施設。
ここには、そのひとときの為に磨き、受け継ぐおもてなしの心、
時を刻むごとに思いが深まるひとときがある。
開放感あふれる大きな窓から望む四季折々の日本庭園を
眺めることが出来る春日の間。夕刻時はガラス窓に室内の光景が写り、
シックな大人の空間が醸し出される。ここ錦水では
第66期(2008年度)から将棋の名人戦の開幕局がここで行われている。
先附の前に用意された濃厚なしじみ汁のエキスのミニスープと
小さなご飯と松の味。このスタイルはあまり見ない。
先附の白瓜釜、野菜素麺 美味出汁。
鮟肝あぼがど新挽揚のビフォーア・アフター
次にド迫力のお刺身の桶盛り合せが登場。2人の料理人
(1人は料理長)が重そうに運び込んできた。それを見た一同のどよめき。
皆一斉に立ち上がって写メを撮っていた。
鯛のそぎ造り、関あじ、本鮪 妻一式 白凝り酢、土佐醤油
吸物 京都・愛宕山麓の水を用いて水無月葛豆腐
鱚焼目、青味、柚。お椀の蓋の鮎が泳ぐ絵が素晴らしい。
かれいの薄作り。
煮物 賀茂茄子鴫焼き、おぼろ昆布 糸賀喜 糸唐辛子
北海道きんき塩焼き。他に滋賀若鮎塩焼きと
北海道蝦夷鮑磯蒸し焼き岩海苔、肝醤油がお好みで選べる。
秋田新蒪菜 加減酢
佐賀牛ふぃれ網焼き 彩り野菜
白御飯(新潟県南魚沼産こしひかり)にちりめん山椒煮
赤出し 他に新生姜御飯、自家製そば(北海道そば粉)お好みで選べる。
果物 宮崎マンゴー 山形佐藤錦
甘味 蓮根餅
広大な庭園に建つ、椿山荘のシンボル、三重塔。
この塔は元々東広島市の竹林寺にあった塔を
大正14年に譲り受けたもので、繰形の特徴などから
室町時代末期のものを推定される。国の登録有形文化財に登録されている。
椿山荘の初夏の風物詩。ほたるの夕べ(Fire Ely Fantasy)が
ほたる沢を中心に行われていた。カメラで蛍を撮るのは難しいが、
2枚目の暗闇の上の方に白く点が写っているのが蛍。
庭園内には思った以上の沢山の蛍が飛翔し久し振りに
幻想的な時を楽しめた。有名な椿山荘の蛍は
2000年から専門家の指導の下、ゲンジボタルが産卵から
飛翔まで生息できる環境づくりに取り組んできた。
現在人工飼育を庭園内及び飼育施設で行い
毎年冬に幼虫を放流しているとの事。
1954年より愛されてきた椿山荘の蛍狩りは今夜も夕闇に
淡い光を浮かべ、柔らかな曲線を描いて舞っていた。